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【6.5話】リリアとスライム ※過去の話し※
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まだリリアの両親が生きていた時の話。
その前に、この大陸のスライムの話。
この大陸のスライムは大抵緑色でネッチョリしている。当然釣り鐘のような形もしていないし、顔もついていない。緑に比べると少ないが赤いのもいる。
水分と何かの混じった、何とも言えない感触の魔物。
水辺や地下、特に湿地帯等湿気の強い場所に住んでいて緑のスライムは草食、地面の湿気のある所を求めて、雑草等を食べて移動している。生存本能だけしかなく、危険が近づくとジャンプして逃げるか、威嚇のため飛び上がって来ることがある。戦闘技術の無い者でも大人なら、滅多に死ぬことは無いが、子供は頭からかぶると窒息死する事が稀にある。
赤いスライムは緑にくらべて攻撃的。雑食で、昆虫、動物の死骸を食べていることもある。赤いのはその影響だと思われる。緑と同じような習性だが、体に付くと噛みつかれる。「イテテっ」程度だが、同時に消化液を出すためジワジワダメージがある。やはり窒息死に注意。
雨季、雨上がりの後は結構大量にウッソ村周囲出現する。
叩き潰す系の武器、火、どうやら塩分に弱い。
リリアは敢えて剣で切るのが好きらしい。
かたくなにバフダン岩に固執したアラン曰く、スライムはドロッとして緑ならスライムと呼べるのが一般的だから、スライムと呼んでいいらしいが、赤いスライムを赤いからと言って、スライムの後にべスとつけるといけない的な発言をしている。
さて、リリアの幼い時。
「わーー、スライムー」っと叫びながら、村の外で遊んでいた子供が走って家に帰った。リリアもその輪に交じって一目散に家に帰ると、嬉々として母親に言った。
「母さん、スライムよ、結構いるよ」っと言って剣を持ち出そうとする。普通の子供なら逃げ帰ってくるのだがリリアはちょっと違う。
「リリア、ちょっと待ちなさい」手を休めると走り去ろうとするリリアを呼び止めて、小さな袋を手渡しながら言った。
「スライムにこれかけてみなさい」そう言うとまた仕事に戻っていった。
リリアはそれが何かわからなかったが、懐にしまうと剣をしっかりと握って家から出ていった。
「はっ!せい! せいや!」リリアの声が野原に響く。スライムを倒しているのだ。
リリアはスライムに対し剣を地面にゴリゴリして倒さない。小さい時からスライムを倒しているうちに感覚的にある距離くらいに近づくと、スライムが威嚇の為に自分の頭くらいに飛び上がるのを知っていた。見ていると、飛び上がる一瞬前にグニョンと伸縮するのが何となくわかる。間合いにサッと入ればスライムから飛んで来るのを剣で真っ二つに切っていく。右に左にステップを踏みながらリズムよく切っていく。小さな体と大きな剣が共同作業をしているようだった。
リリアにとっては楽しい剣の練習相手。特に中心からスパっと切れた時の何とも言えない感触が面白かった。
「ハァ… ハァ… けっこう多いわね」剣先を杖にすると肩で息をしながら呟いた。
このまま放っておいてもよい、繁殖して村まで来たら、松明で焼き払うまでだ。何なら油を撒いて火を掛けてもよい。単純作業。
「一匹持って帰ろうか」畑の雑草等を食べてくれるのだから害だけでもないが、どうせ大人は大騒ぎするに決まっている。やめておくに限る。
ふと、母親から手渡された袋を思い出した。
手に取って開けてみる。
「… 塩?」感触といい、ちょっと舐めてみて確信した。
「塩だ…」母親の言葉を思い出す。これをスライムにかけるんだろうか。リリアはスライムに塩をザラっとかけてみた。
「母さん、すごい!塩をかけたらスライムなくなったよ!!」目を丸くして家に帰ってきたリリアを母のメルは仕事の手を休めず迎えた。
「そうでしょ。スライムは塩で溶けるのよ」ちょっと得意げに言うメル。
「あれ、本当に塩なの?魔法じゃないの?あたしちょっと舐めちゃったよ?」リリアは不思議そうだ。
「塩よ、錬金もしてない普通の塩」母メル。
「ふーん…ただの塩なんだぁ…」リリアは感心している。
「なんで、塩でいなくなるのかぁ… スライム」リリアはメルに聞く。
「それは、ポセイドンの血から海になり、海から塩が出来るんだもの、聖なる物なのよ」
ポセイドン、ポセイドンか、絵で見たことがある海の神。海なのになぜか農耕器具の鍬を持っている神だ。
「ふーん…」ちょっと考えてからリリアはまたメルに質問した。
「なんでリリアは塩で溶けないの?」不思議な現象だ。
「この村の人は皆、神のご加護の下にあるのよ」そう言うとメルは顔を上げてリリアを見た。
「スライムがいるぞ!スライムだ!」外を数名の子供が駆けていった。
リリアは母親の知識に感心するばかりだった。
その前に、この大陸のスライムの話。
この大陸のスライムは大抵緑色でネッチョリしている。当然釣り鐘のような形もしていないし、顔もついていない。緑に比べると少ないが赤いのもいる。
水分と何かの混じった、何とも言えない感触の魔物。
水辺や地下、特に湿地帯等湿気の強い場所に住んでいて緑のスライムは草食、地面の湿気のある所を求めて、雑草等を食べて移動している。生存本能だけしかなく、危険が近づくとジャンプして逃げるか、威嚇のため飛び上がって来ることがある。戦闘技術の無い者でも大人なら、滅多に死ぬことは無いが、子供は頭からかぶると窒息死する事が稀にある。
赤いスライムは緑にくらべて攻撃的。雑食で、昆虫、動物の死骸を食べていることもある。赤いのはその影響だと思われる。緑と同じような習性だが、体に付くと噛みつかれる。「イテテっ」程度だが、同時に消化液を出すためジワジワダメージがある。やはり窒息死に注意。
雨季、雨上がりの後は結構大量にウッソ村周囲出現する。
叩き潰す系の武器、火、どうやら塩分に弱い。
リリアは敢えて剣で切るのが好きらしい。
かたくなにバフダン岩に固執したアラン曰く、スライムはドロッとして緑ならスライムと呼べるのが一般的だから、スライムと呼んでいいらしいが、赤いスライムを赤いからと言って、スライムの後にべスとつけるといけない的な発言をしている。
さて、リリアの幼い時。
「わーー、スライムー」っと叫びながら、村の外で遊んでいた子供が走って家に帰った。リリアもその輪に交じって一目散に家に帰ると、嬉々として母親に言った。
「母さん、スライムよ、結構いるよ」っと言って剣を持ち出そうとする。普通の子供なら逃げ帰ってくるのだがリリアはちょっと違う。
「リリア、ちょっと待ちなさい」手を休めると走り去ろうとするリリアを呼び止めて、小さな袋を手渡しながら言った。
「スライムにこれかけてみなさい」そう言うとまた仕事に戻っていった。
リリアはそれが何かわからなかったが、懐にしまうと剣をしっかりと握って家から出ていった。
「はっ!せい! せいや!」リリアの声が野原に響く。スライムを倒しているのだ。
リリアはスライムに対し剣を地面にゴリゴリして倒さない。小さい時からスライムを倒しているうちに感覚的にある距離くらいに近づくと、スライムが威嚇の為に自分の頭くらいに飛び上がるのを知っていた。見ていると、飛び上がる一瞬前にグニョンと伸縮するのが何となくわかる。間合いにサッと入ればスライムから飛んで来るのを剣で真っ二つに切っていく。右に左にステップを踏みながらリズムよく切っていく。小さな体と大きな剣が共同作業をしているようだった。
リリアにとっては楽しい剣の練習相手。特に中心からスパっと切れた時の何とも言えない感触が面白かった。
「ハァ… ハァ… けっこう多いわね」剣先を杖にすると肩で息をしながら呟いた。
このまま放っておいてもよい、繁殖して村まで来たら、松明で焼き払うまでだ。何なら油を撒いて火を掛けてもよい。単純作業。
「一匹持って帰ろうか」畑の雑草等を食べてくれるのだから害だけでもないが、どうせ大人は大騒ぎするに決まっている。やめておくに限る。
ふと、母親から手渡された袋を思い出した。
手に取って開けてみる。
「… 塩?」感触といい、ちょっと舐めてみて確信した。
「塩だ…」母親の言葉を思い出す。これをスライムにかけるんだろうか。リリアはスライムに塩をザラっとかけてみた。
「母さん、すごい!塩をかけたらスライムなくなったよ!!」目を丸くして家に帰ってきたリリアを母のメルは仕事の手を休めず迎えた。
「そうでしょ。スライムは塩で溶けるのよ」ちょっと得意げに言うメル。
「あれ、本当に塩なの?魔法じゃないの?あたしちょっと舐めちゃったよ?」リリアは不思議そうだ。
「塩よ、錬金もしてない普通の塩」母メル。
「ふーん…ただの塩なんだぁ…」リリアは感心している。
「なんで、塩でいなくなるのかぁ… スライム」リリアはメルに聞く。
「それは、ポセイドンの血から海になり、海から塩が出来るんだもの、聖なる物なのよ」
ポセイドン、ポセイドンか、絵で見たことがある海の神。海なのになぜか農耕器具の鍬を持っている神だ。
「ふーん…」ちょっと考えてからリリアはまたメルに質問した。
「なんでリリアは塩で溶けないの?」不思議な現象だ。
「この村の人は皆、神のご加護の下にあるのよ」そう言うとメルは顔を上げてリリアを見た。
「スライムがいるぞ!スライムだ!」外を数名の子供が駆けていった。
リリアは母親の知識に感心するばかりだった。
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