勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【62.5話】 祈祷中のリリア

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リリアがクモ退治した次の日。
掃除隊が何人か祠の洞穴に入ると、ちゃんとクモは昇天していた。力自慢の猛者が穴から引っ張りだし、崖からポイして掃除終わり。
その後は、地主、郷士の長、村長等、偉い人がやって来て、祠と石切り場でシャーマンおばばの祈祷。

祈祷…
おばばと従者を先頭に、偉い人達と立ち並ぶリリア達。雇われ組みは数名、周囲の警戒もいる。
その祈祷の列でリリアは可笑しくって仕方がない。
765歳と称する梅干しみたいになった老婆が時には変な楽器を打ち鳴らし、時には奇声を発し、時には踊り狂い、時には地面をのたうち回り、ワンマンショーを繰り広げている。リリアの目をくぎ付けにして止まない上に、その様が可笑しくって仕方がない。
“何だこれ、どうせ退屈な時間と思ってたけどメッチャ時間潰せる”と笑いを堪えて見回すが、他の者は全員、神妙な顔つきで黙っている。皆面白くないのか?

リリアが一人でクスクスしていると、オフェリアのツッコミが入った。
「何モゾモゾしてるのよ、トイレ?」
「面白いじゃない、オフェリア可笑しくないの?何で皆澄ましてられるの?」リリアが小声で聞き返す。
「祈祷?あんなもんでしょ。静かにしてなさいよ」と、オフェリアが言うのだ。
「だってほら… 太鼓乱れ打ちからの、絶叫ヒンズースクワットからの、白目むいてM字開脚からの、ハイジャンプして寝っ転がる、ハイジャンプからの寝っ転がる。立ち上がっての雄たけびツイストダンス」リリアが小声で実況する。
みるみるオフェリアの顔が赤くなってきた。
「ちょっと止めてよ。笑うでしょ」オフェリアが怒る。
「きたきた、オフェリアも覚醒してきた。面白いわよこれ」リリアが笑って続ける。
「腰をくねらせ木魚を連打… キタコレ!空耳アワー、ゴリラの股間を二度見する~♪ ね、聞こえるでしょ?ゴリラの股間を二度見する~♪」
リリアが実況してあげていたら、オフェリアにバチンとお尻を叩かれた。周りの人がちょっと振り返る。何よ、せっかく退屈しのぎしてあげてるのに…

その後も祈祷は滞りなく終了。最後、おばばは白目で口から泡を吹いて、ひっくり返ってビクンビクンとしていた。従者の慌てぶりから非常事態っぽかったが、すぐさま一人が厳かに「祈祷は無事に終了しました」というので、祈祷は無事終了。おばばの安否が無事かは不明だった。


その後、撤収して村でお給料をもらいお掃除部隊は無事解散。
リリア達は宿を取り、お食事前のお風呂。

「ジョブボード見て適当なバイトが無ければ、明日は北に移動ね」リリアが言う。
「危険だったけど、確かに良い給料だった」
「ここでは良い働きしたし、リリアは満足よ」
「… ねぇ、これが勇者として感謝される事なの?」
「まさか!冒険者としてお給料もらう仕事よ、仕事。勇者はただ働きなのよ、物語で、お金請求している勇者いる?勇者は感謝される代わりにただ働きよ。人権無視、労組も知らん顔、国も容認。ただで働けるかっての、ねぇ?」
リリアはおっきな胸を湯船に浮かべて、パシャパシャしている。
「勇者として感謝されたいってのは?」オフェリアが聞き返す。
「そのうち何とかするわよ」とリリアは答えてくつろいでいる。
良くわからないが、こんな感じなら、稼ぎながら上手い事国境を超えられそうだと思うオフェリア。

この後リリアは「ちょっとお湯が暑すぎるから冷まして」と風呂焚きに言ったら、窓の外から水をぶっかけられていた。
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