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【66話】 鶏のいってらっしゃい
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ホイルテッド村の村長と主だった者をなんとか説得したリリア達。
オフェリアの予想通り、ミーティングは荒れた。
リリアがゴブリンを退治することなく話し合いで退去してもらう。そのためには通訳を連れて戻るのに三日、四日かかるから、交渉を含めて一週間の時間をくれと説いたのだ。
老練な村長こそあまり口を出さなかったが、若いシェリフ等は
「建物までたどり着ける今、何でさっさと退治しないのか」
「もともと俺達が立てた小屋だ、何の遠慮がいる」
「さっさと殺れ。殺れないなら引っ込んでろ」
「奴らは臆病だ、5人も倒せば後は逃げる。明日にでもやってくれ」
「一週間?バカな!行けばすぐにでも追っ払えるだろ」
「お爺はゴブリンに殺されてるんだぞ、奴らは皆殺しだ」
予想された通りの展開だった。
リリアがそれを懸命に説得したのだ。あまりにリリアが粘るので、村人も「何故そんなにゴブリンに気を遣うのか」と不思議がり、首を傾げながらも村長が任せてみようと言うので一週間の期限付きでゴブリン退治ならぬ、ゴブリン退去となった。
それからリリア達は大変だった。早速カリオカ村まで戻り一泊したら、そこから駅馬車でパウロ・コートまで戻った。
ギルド・シルバーソードにはゴブリンのギルメンもいるが、今回は村人の感情を考慮して、ゴブリン語が話せる精霊使いのオルデロに通訳を頼むことに。
オルデロはパウロ・コートにいたが、仕事途中だと言う。リリアが説得して違約金を立て替えることで納得してもらった。が、結局、雇い主が、急用があるなら代役をよこしてくれたら違約金は要らないと言ってくれたので、リリアが代役者にお礼をしてなんとか交代してもらった。
そこからホイルテッドへの戻り。
一刻でも惜しいので、レンタホースかレンタ馬車を頼みたかったが、ホイルテッド村は小さすぎて乗り捨て出来ないらしい。
結局、リリア、オフェリア、オルデロ三人でハイヤー馬車を頼む事に。
カリオカ村に寄らず、ホイルテッドに着くために夜通し走ってもらう。正・副馬車手を合わせて夜間手当、危険時間帯手当、オーバータイムとすごい出費だ。
それら全部をリリアが一人で支払うのだが、傍で見ているオフェリアは気の毒であり、なぜリリアがここまでするのか理解に苦しむ。
“ひょっとして、ランカシム砦は無血勝利に導いたことが関係あるのかしら?”オフェリアは考える。
馬車なんて夜通し走られる物ではない。想像以上に大変。昼の倍以上の魔物を暗闇で撃退しなければいけないのだ。リリアが弓を手に、剣を手に先頭になって魔物の群れに飛び込んで撃退していく。
もともと接近戦が得意でないリリアが飛び込んでいくので、馬車に戻ってくると大怪我していることもしばしば。ポーションの消費が激しい。
「オフェリア、あの娘大丈夫なのか?」オルデロが心配する。
「リリア、あなた変よ。無茶すぎる、本当に死んじゃうわよ」オフェリアも忠告する。
「だって、今更ここで馬車を停めても危険は変わんないわよ」リリアは淡々としている。確かにその通りだが…
ホイルテッド村を出発してから5日目の未明、再びホイルテッドに戻ってきた。
馬車手に頼んで夜明けまで車内で寝かせてもらう。
ようやく一安心、急がせたお陰で馬車が大揺れだった途中は食事もまともに取っていない。リリア達三人は到着と同時にとりあえずお腹いっぱい食べて飲んで大爆睡だ。
「あんなに揺らされたらたまったもんじゃない」到着して静かになった車内でリリアがぼやきながら、サンドイッチを両手食いしていた。だが移動中はリアが一番揺れる車中を物ともせず食って、爆睡していた。
もっともオフェリアが“勇者の責任感ってすごい!”と感心すると同時に心配になるくらい、リリアが一番魔物相手に大立ち回りを繰り返していので体力消耗と疲労は当然だった。
日が昇る。リリアが車外にでると、清々しい天気。村で鶏が鳴いている。
丸一日以上、蹄、車輪、バネスプリングが軋む音、騒音と振動の中で過ごしてきた。
朝日が山の向こうから顔を出すのを見て
“世界ってこんなに綺麗なのねぇ”そんなことを呟きたくもなる。
村長にオルデロを紹介し、今からゴブリンと交渉に行く事を報告。
「早く行け」「今日入れて3日の猶予だぞ」等、周囲から忌憚のない意見を承る。
ハイヤーを解散させ、荷物を整えるリリア達。
「食材プレゼントキャンペーン作戦よ」リリアは言いながら商人から食料を調達する。
“食べ物を貰ったからといってゴブリン達が住家を空け渡すだろうか?”オフェリアには疑問だが今は見守るしかない。
「あたし、ポーション飲み過ぎてお腹の調子悪いのよねぇ」リリアが独り言を言っている。
あれだけ、強いポーションを大量に飲んだのだ、胃の調子も悪くなるだろう…
が、リリアはハムとネギを大量にトッピングしてお粥をペロリと平らげていた。
自分がサッサと食べ終わると
「さぁさぁ、時間ないわよ!早く早く!」と急き立てている。すっかり普段通りのリリア。
朝ご飯が終わると、大きな荷物を背負ってリリア達三人はゴブリンの住む建物に向かって出発した。
村人はその三人の姿を奇妙な物でも見るような目つきで追っていたが、鶏さんはちゃんと「いってらっしゃいませ、お気をつけて」と挨拶してくれていた。
オフェリアの予想通り、ミーティングは荒れた。
リリアがゴブリンを退治することなく話し合いで退去してもらう。そのためには通訳を連れて戻るのに三日、四日かかるから、交渉を含めて一週間の時間をくれと説いたのだ。
老練な村長こそあまり口を出さなかったが、若いシェリフ等は
「建物までたどり着ける今、何でさっさと退治しないのか」
「もともと俺達が立てた小屋だ、何の遠慮がいる」
「さっさと殺れ。殺れないなら引っ込んでろ」
「奴らは臆病だ、5人も倒せば後は逃げる。明日にでもやってくれ」
「一週間?バカな!行けばすぐにでも追っ払えるだろ」
「お爺はゴブリンに殺されてるんだぞ、奴らは皆殺しだ」
予想された通りの展開だった。
リリアがそれを懸命に説得したのだ。あまりにリリアが粘るので、村人も「何故そんなにゴブリンに気を遣うのか」と不思議がり、首を傾げながらも村長が任せてみようと言うので一週間の期限付きでゴブリン退治ならぬ、ゴブリン退去となった。
それからリリア達は大変だった。早速カリオカ村まで戻り一泊したら、そこから駅馬車でパウロ・コートまで戻った。
ギルド・シルバーソードにはゴブリンのギルメンもいるが、今回は村人の感情を考慮して、ゴブリン語が話せる精霊使いのオルデロに通訳を頼むことに。
オルデロはパウロ・コートにいたが、仕事途中だと言う。リリアが説得して違約金を立て替えることで納得してもらった。が、結局、雇い主が、急用があるなら代役をよこしてくれたら違約金は要らないと言ってくれたので、リリアが代役者にお礼をしてなんとか交代してもらった。
そこからホイルテッドへの戻り。
一刻でも惜しいので、レンタホースかレンタ馬車を頼みたかったが、ホイルテッド村は小さすぎて乗り捨て出来ないらしい。
結局、リリア、オフェリア、オルデロ三人でハイヤー馬車を頼む事に。
カリオカ村に寄らず、ホイルテッドに着くために夜通し走ってもらう。正・副馬車手を合わせて夜間手当、危険時間帯手当、オーバータイムとすごい出費だ。
それら全部をリリアが一人で支払うのだが、傍で見ているオフェリアは気の毒であり、なぜリリアがここまでするのか理解に苦しむ。
“ひょっとして、ランカシム砦は無血勝利に導いたことが関係あるのかしら?”オフェリアは考える。
馬車なんて夜通し走られる物ではない。想像以上に大変。昼の倍以上の魔物を暗闇で撃退しなければいけないのだ。リリアが弓を手に、剣を手に先頭になって魔物の群れに飛び込んで撃退していく。
もともと接近戦が得意でないリリアが飛び込んでいくので、馬車に戻ってくると大怪我していることもしばしば。ポーションの消費が激しい。
「オフェリア、あの娘大丈夫なのか?」オルデロが心配する。
「リリア、あなた変よ。無茶すぎる、本当に死んじゃうわよ」オフェリアも忠告する。
「だって、今更ここで馬車を停めても危険は変わんないわよ」リリアは淡々としている。確かにその通りだが…
ホイルテッド村を出発してから5日目の未明、再びホイルテッドに戻ってきた。
馬車手に頼んで夜明けまで車内で寝かせてもらう。
ようやく一安心、急がせたお陰で馬車が大揺れだった途中は食事もまともに取っていない。リリア達三人は到着と同時にとりあえずお腹いっぱい食べて飲んで大爆睡だ。
「あんなに揺らされたらたまったもんじゃない」到着して静かになった車内でリリアがぼやきながら、サンドイッチを両手食いしていた。だが移動中はリアが一番揺れる車中を物ともせず食って、爆睡していた。
もっともオフェリアが“勇者の責任感ってすごい!”と感心すると同時に心配になるくらい、リリアが一番魔物相手に大立ち回りを繰り返していので体力消耗と疲労は当然だった。
日が昇る。リリアが車外にでると、清々しい天気。村で鶏が鳴いている。
丸一日以上、蹄、車輪、バネスプリングが軋む音、騒音と振動の中で過ごしてきた。
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村長にオルデロを紹介し、今からゴブリンと交渉に行く事を報告。
「早く行け」「今日入れて3日の猶予だぞ」等、周囲から忌憚のない意見を承る。
ハイヤーを解散させ、荷物を整えるリリア達。
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“食べ物を貰ったからといってゴブリン達が住家を空け渡すだろうか?”オフェリアには疑問だが今は見守るしかない。
「あたし、ポーション飲み過ぎてお腹の調子悪いのよねぇ」リリアが独り言を言っている。
あれだけ、強いポーションを大量に飲んだのだ、胃の調子も悪くなるだろう…
が、リリアはハムとネギを大量にトッピングしてお粥をペロリと平らげていた。
自分がサッサと食べ終わると
「さぁさぁ、時間ないわよ!早く早く!」と急き立てている。すっかり普段通りのリリア。
朝ご飯が終わると、大きな荷物を背負ってリリア達三人はゴブリンの住む建物に向かって出発した。
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