193 / 519
【97話】 国王からの初依頼
しおりを挟む
リリアはフライング・シャーク退治と王国の荷物回収に来ている。
正確に言えば、リリアとその他付属付きでこの山岳地帯まで来ている。
立派な馬車で迎えにこられたリリアはリーダリア宮中まで連れられ、突然国王と謁見した。
何やら、優しく親しくルーダリア国王から御言葉を投げかけられる。女王も列席。
雪の中、外でブルブルと凍えていたのに、家の暖炉に急に通されて当たらされるような距離感の変化… なんだこりゃ…
リリアが不思議がっていると、どうやらマンティコアとドラゴン・リザード退治のお礼状を読んで「そんな実力の持ち主だったのか!」と宮中がリリアを見直したらしい。
“何だ今更、勝手な連中め”とリリアは思うが、認められて悪い気はしない。
ドラゴン・リザードも強敵だが、マンティコアを4人パーティーで倒したのには高評価のようだ。確かに、走れて飛べて呪文が使えて、人並みの知能、手練れの大型パーティーでも犠牲を出しながらやっと倒せる敵を手際よく倒した…
表向きとしては… である…
実際は、マンティコアにされてしまったロガルドの願いを聞き、心臓を貫いただけで戦ってはいない。
複雑な思いもあるがとにかく、王に褒められているリリアはちょっと得意。
「ディルめ!聞いたか、散々勇者の家系をバカにして!」
後ろに控えているであろう勇者管理室のディルにリリアは背中で威張る。
「では早速、フライング・シャーク退治と荷物の回収に出発していただこう、勇者リリア殿」国王の声が謁見の間に響いた。
「…… え?退治?」リリアは面食らう…
突然呼ばれて、妙に褒められたと思ったら頼み事か…
まったく…っと言いたいところだが、これが本来あるべき形か…
マンティコア退治の実績を買われての事らしいのだが、実際には倒していない…
フライング・シャークなんてリリアに倒せるのだろうか…
そんな事より、リリアには言うべき事がある!
「退治は承知しました。が、王様、先日の評議会の決定でリリアは勇者として給料が出ていないです」
リリアが言い終わる前にディルを始め、数名の者に慌てて羽交い絞めにされ「王にそのような事は無礼であろう!」「金銭の様な類の話しを今するでない!」と口々に言われ部屋から引っ張り出された。謁見は終了。
リリアからしたら無給で働かせているお前らの方がよっぽど無礼であろう!っと思う。
とにかく突然呼ばれて、ドタバタと出発。
何だかよく分からない… リリアは概略をディルに聞く。
コドモ・ドラゴンで戦線に向けて空輸させた物資類が山岳に住むフライング・シャークに襲われて荷崩れしたらしく、その回収と可能な限りサメ退治との事。
「戦線の物資?軍の仕事っぽいけど…」リリアがディルに聞く。
「場所的にも政治的にも軍ではなく、勇者にお願いしたところなのです。軍が動かせれば、良いのですが、山岳は険しく行軍に相応しくありません。簡単に割ける戦力も無く、何しろ資金がかかります。リリア一人ならお手軽、お手頃です」ディルが淡々と言う。
「あんた以外に誰か担当者いないの!!」リリアが怒鳴る。失礼過ぎだ!!
しかし、勇者っぽくなってきて、リリアは嬉しくはあるのだが…
問題も山積み…
先ず、思ったより大所帯。リリアに付属品がいっぱい…
国の執行監査人、勇者管理室のディル、損害を調べる財務官、その三人を守る騎士二名、正副二名居る治癒係りのプリースト、これまた損害を調べる保険ギルドの人一名、それを守る騎士とプリースト一名づつ。馬車に乗る時はこれらに馬車手と護衛が顔を並べる。プラス、国から依頼される初勇者仕事としてピエンが独占取材で帯同する。
「なんなのこれ… こんなに人が必要?」リリアが呟く。
「作戦の管理、認定勇者の管理、財産の管理、保険の査定、全て政に重要です。それに労使規定により、屋外危険作業時には正規兵士と認定プリーストの帯同が決められております。規定に重大な違反して事故が起きた場合は………」
「あぁ… はいはい… 要は大勢で行くのね…」長いディルの説明にうんざりするリリア。
監査人、ディル、財務官で一馬車、保険ギルドで一馬車、リリアとピエンで一馬車に分乗。これも規定と保険の関係らしい。
ディルはリリアの馬車に一緒に乗りたいようだが…
「はん!保険と規定があるんでしょ!ディルは向こうの馬車だって!ピエン、二人でハチミツバターパン食べようねぇ!」
リリアは少し仕返し。
移動中
スプリングの効いた馬車、フカフカの椅子、リリアが車内でウトウト昼寝していると
「勇者様、魔物です、退治願います」
馬車の扉が開き、起こされた。窓から見ると、どこかの原っぱ。
準備して馬車を飛び出すリリア!
山岳到着の話しは少し先になりそう。
正確に言えば、リリアとその他付属付きでこの山岳地帯まで来ている。
立派な馬車で迎えにこられたリリアはリーダリア宮中まで連れられ、突然国王と謁見した。
何やら、優しく親しくルーダリア国王から御言葉を投げかけられる。女王も列席。
雪の中、外でブルブルと凍えていたのに、家の暖炉に急に通されて当たらされるような距離感の変化… なんだこりゃ…
リリアが不思議がっていると、どうやらマンティコアとドラゴン・リザード退治のお礼状を読んで「そんな実力の持ち主だったのか!」と宮中がリリアを見直したらしい。
“何だ今更、勝手な連中め”とリリアは思うが、認められて悪い気はしない。
ドラゴン・リザードも強敵だが、マンティコアを4人パーティーで倒したのには高評価のようだ。確かに、走れて飛べて呪文が使えて、人並みの知能、手練れの大型パーティーでも犠牲を出しながらやっと倒せる敵を手際よく倒した…
表向きとしては… である…
実際は、マンティコアにされてしまったロガルドの願いを聞き、心臓を貫いただけで戦ってはいない。
複雑な思いもあるがとにかく、王に褒められているリリアはちょっと得意。
「ディルめ!聞いたか、散々勇者の家系をバカにして!」
後ろに控えているであろう勇者管理室のディルにリリアは背中で威張る。
「では早速、フライング・シャーク退治と荷物の回収に出発していただこう、勇者リリア殿」国王の声が謁見の間に響いた。
「…… え?退治?」リリアは面食らう…
突然呼ばれて、妙に褒められたと思ったら頼み事か…
まったく…っと言いたいところだが、これが本来あるべき形か…
マンティコア退治の実績を買われての事らしいのだが、実際には倒していない…
フライング・シャークなんてリリアに倒せるのだろうか…
そんな事より、リリアには言うべき事がある!
「退治は承知しました。が、王様、先日の評議会の決定でリリアは勇者として給料が出ていないです」
リリアが言い終わる前にディルを始め、数名の者に慌てて羽交い絞めにされ「王にそのような事は無礼であろう!」「金銭の様な類の話しを今するでない!」と口々に言われ部屋から引っ張り出された。謁見は終了。
リリアからしたら無給で働かせているお前らの方がよっぽど無礼であろう!っと思う。
とにかく突然呼ばれて、ドタバタと出発。
何だかよく分からない… リリアは概略をディルに聞く。
コドモ・ドラゴンで戦線に向けて空輸させた物資類が山岳に住むフライング・シャークに襲われて荷崩れしたらしく、その回収と可能な限りサメ退治との事。
「戦線の物資?軍の仕事っぽいけど…」リリアがディルに聞く。
「場所的にも政治的にも軍ではなく、勇者にお願いしたところなのです。軍が動かせれば、良いのですが、山岳は険しく行軍に相応しくありません。簡単に割ける戦力も無く、何しろ資金がかかります。リリア一人ならお手軽、お手頃です」ディルが淡々と言う。
「あんた以外に誰か担当者いないの!!」リリアが怒鳴る。失礼過ぎだ!!
しかし、勇者っぽくなってきて、リリアは嬉しくはあるのだが…
問題も山積み…
先ず、思ったより大所帯。リリアに付属品がいっぱい…
国の執行監査人、勇者管理室のディル、損害を調べる財務官、その三人を守る騎士二名、正副二名居る治癒係りのプリースト、これまた損害を調べる保険ギルドの人一名、それを守る騎士とプリースト一名づつ。馬車に乗る時はこれらに馬車手と護衛が顔を並べる。プラス、国から依頼される初勇者仕事としてピエンが独占取材で帯同する。
「なんなのこれ… こんなに人が必要?」リリアが呟く。
「作戦の管理、認定勇者の管理、財産の管理、保険の査定、全て政に重要です。それに労使規定により、屋外危険作業時には正規兵士と認定プリーストの帯同が決められております。規定に重大な違反して事故が起きた場合は………」
「あぁ… はいはい… 要は大勢で行くのね…」長いディルの説明にうんざりするリリア。
監査人、ディル、財務官で一馬車、保険ギルドで一馬車、リリアとピエンで一馬車に分乗。これも規定と保険の関係らしい。
ディルはリリアの馬車に一緒に乗りたいようだが…
「はん!保険と規定があるんでしょ!ディルは向こうの馬車だって!ピエン、二人でハチミツバターパン食べようねぇ!」
リリアは少し仕返し。
移動中
スプリングの効いた馬車、フカフカの椅子、リリアが車内でウトウト昼寝していると
「勇者様、魔物です、退治願います」
馬車の扉が開き、起こされた。窓から見ると、どこかの原っぱ。
準備して馬車を飛び出すリリア!
山岳到着の話しは少し先になりそう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』
segakiyui
ファンタジー
出戻り姫と噂に高いシャルンは、5回目の婚儀を迎える。
今度の相手はカースウェル王国のレダン王。剣技に優れ、温厚誠実な王は結婚相手としては申し分ないはず。けれど、この結婚には決して成立されてはならない理由があった……。
辛い過去を乗り越え、シャルンは新たな世界へ踏み出す。
世界を滅ぼす龍を右手に、愛しいレダンに守られながら。
『花咲』と龍を巡るラブストーリー、再開。毎月第2、4火曜日連載。8月は8/26に。
第1話 出戻り姫と腹黒王
第2話 砂糖菓子姫とケダモノ王
第3話 花咲姫と奔流王
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる