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第4話 「見る」目
4-5(完)
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口にしてみると、なるほど、と雪樹は思った。
家族に「自分も父の力になりたい」と伝え、どれだけ手をつくして説得を試みても無駄だった。父や兄は、雪樹の能力を決して認めようとはしなかったのだ。彼らはまるで愛犬が粗相したときのような生暖かい眼差しで、「おまえの幸せのためなんだよ」と一様に唱えるだけだった。
父たちが見せたあれは、優しさなのだろうか?
少なくとも彼ら自身はそう信じて疑わないだろう。だが雪樹からすれば、気味の悪い押しつけでしかなかった。
――お父様たちの「愛情」は、私にとって檻のようなものだ……。
「子供は別に、親のために生きるわけじゃない。産んだのは親の勝手で、どう育つかは子供の勝手だ。親のもとでは自由に生きられないならば、羽村の名前など捨ててしまえばいい。俺が拾ってやる」
「あなただって、私を閉じ込めているじゃないですか!」
「ははは、そうだな。俺も人のことは言えない」
噛みつかれても、蓮は豪快に笑っている。やっぱり雪樹を監禁していること、家に帰さないことなど、ちっとも反省していないようだ。
「芭蕉の言うとおりに育ったならば、おまえはさぞつまらない女になっていたことだろう。俺は小生意気でやかましい、今のおまえのほうがいい」
「……!」
さして熱っぽいわけでもなく、ごく自然な囁きだった。だが雪樹はそれを聞いた途端、動けなくなった。
頭の芯がぼんやりと痺れて、目の奥が熱くなる。気づけば、涙が零れ落ちていた。
「お、おまえ……! なんで泣いて……!?」
雪樹の顔を凝視し、蓮は口をあんぐりと開ける。
「俺はひどいことを言ったか?」
「うっ、うーっ……」
慌てふためく蓮が滑稽で、笑いたいのにうまく笑えない。雪樹の口から漏れるのは、嗚咽ばかりだった。
みっともないから早く泣き止まねばと思うのだが、後から後から両目から落ちる涙は、深い傷口から滲む血液のようで、自分では止められない。
――あんなに素晴らしい父や母、兄たちの期待に添えない自分は、親不孝な裏切り者だとずっと思ってた……。
それでも、どうしても従えない。彼らを正しいとは思えない。
――本当は誰かに、『おまえは間違っていない。そのままでいいんだ』と言って欲しかったの。
たった一度でもいいから、甘やかして欲しかった。
「ああ、もう、おまえは怒ったり泣いたり、忙しいやつだな」
蓮は椅子から立ち上がり、身を乗り出した。袖を引き伸ばし、正面でわんわん泣いている雪樹の瞼をゴシゴシ拭う。
雪樹はされるがままになりながら、ぼんやりと「皮肉なことだ」と思った。
自由を奪った張本人こそが、自分を真に理解しているなんて。
――散々傷つけられた男に、助けられるなんて。
「雪……」
戸惑いがちに名を呼ぶと、蓮は雪樹と唇を重ねた。机を挟んだ無理な体勢での口づけだったから、触れ合ったのは一瞬で、蓮はバランスを崩し、倒れかけた。
「わ……っ!」
「!」
びっくりして、雪樹の涙は止まった。
キスをされたのは、これが初めてだ。驚いたが、嫌な気持ちはしなかった。
「蓮様……」
「もう泣くな。おまえを散々泣かした俺が言うのも変だが、おまえの涙は……胸にくる」
今度は机に両手をつき、万全の構えで、蓮は雪樹に口づけた。ちゃんと回り込んですればいいのに、その時間すら惜しい。それは二人とも同じだった。
雪樹の心臓は恐ろしいほど鳴って、だが体はふわふわと今にも浮かび上がりそうだった。
息が当たる距離で、蓮は言った。
「雪。おまえは俺のところへ来い」
「え? どういう意味ですか?」
「俺が寝起きしているここ、柘榴御所に、一室用意してやる」
「で、でも、そういうのは許されてないんじゃ……?」
皇帝と寵姫がひとつ屋根の下で暮らすなど、聞いたことがない。まだ子供を産んでいないし、産む気もないのに、蓮と夫婦同然になってしまう。
「――後宮は潰す」
雪樹から離れると、蓮はきっぱり宣言した。
後宮とは、建国当初より続く、皇帝の血筋を守るための制度である。だがその甲斐も虚しく、今や始祖直系の血はほぼ途絶えてしまっており、残されたのは蓮一人だけ。そんな今、後宮を廃すなど、ただでさえか細く繋がっている帝政という糸を、裁ち切るようなものだ。
「ど、どうして……?」
「俺はおまえ以外と添い遂げるつもりはないし、ほかの女に自分の子を産ませようとは思わない」
「!」
雪樹の顔はカッと熱くなった。
これはつまり求婚されているわけか。蓮にとって自分は、たくさんいる寵姫の一人ではなかったということか。
「か、勝手なことを言わないでください! 私の気持ちも聞かないで!」
「おまえがどう思っていても関係ない。俺は皇帝で、臣民であるおまえは俺のものだ」
蓮は不敵に笑う。
あまりに上からの言いようが腹立たしくて、雪樹はぎりっと唇を噛んだ。が、本気で怒ることができない。
後宮がなくなれば、ますます逃げ場がなくなる。蓮の妻となり、彼の子を産まなければならない。
だが後宮がなくなれば、蓮をほかの女に取られることはなくなる。
彼を独り占めできる……。
嫌だと思う自分と、嬉しいと思う自分がいて、どうしていいか分からない。
雪樹は縋りつくように蓮を見た。その視線を真正面から受け止めて、蓮は咳払いをする。
「雪、その……。もう一回、口づけてもいいか?」
雪樹はがくっと脱力した。なぜそこは伺いを立てるのか。初めてセックスしたときも、先ほどの求婚のときも、こちらの意志なんてお構いなしだったくせに。
「勝手にすればいいでしょう! あなたは皇帝様で、なんでも好きにできるんだから!」
雪樹が頬を膨らませていると、蓮は苦笑しながら再び背を屈めた。
――本当は、私だって、もっともっとして欲しいけどね……。
きっと今自分は、アホ丸出しの顔をしているんだろうな……と思いながら、雪樹は瞼を閉じた。
「そういうことなら、あたしは出直そうかしらね」
「!」
嗄れた声に裂かれるようにして、二人はバッと離れた。振り向けば、図書室の入口に小柄な老女が立っている。
「真百合婆! なんでここに!」
「あなたが呼んだんでしょう。このババを追い抜いて、もうボケちゃったの? 蓮坊」
「わ、私は部屋に戻ります!」
雪樹はそう言うと、そこらの何もない床に何度も躓きながら、走り去った。
泡を食って逃げる少女の後ろ姿を見送って、清田 真百合は微笑んだ。
「可愛いわねえ」
バツが悪そうな顔をしていた蓮も、真百合がひょこひょこと室内を進み、自分の前に腰掛けると、表情を改めた。
「真百合婆、もうじきのようだ。以前相談したとおり、頼んだぞ」
「考えを変える気はないの? あたしが見たところ、あの子はあなたを好いているように思うけど」
「それは、俺が強いてしまった環境のせいだ。俺はあいつを傷つけたんだぞ? そんな俺を、どうして慕うものか。あいつには今、俺以外、頼る者がいないから。――愛だとか恋だとか、そういうものじゃない」
いつもはのんびりと穏やかな話し方をする真百合は、このときだけは厳しい教師のような口調で問うた。
「彼女の気持ちが錯覚だと思いたいのは、蓮坊、あなたのほうじゃないの?」
「…………………」
蓮は目を泳がせ、そして答えた。
「――頼む、真百合婆。もう、これ以上は……。頼むから……」
うなだれてしまった蓮を見て、真百合は諦めたようにため息をついた。
「分かった。任せておきなさい」
「ありがとう……」
先ほどまで皇帝だとふんぞり返っていた男とは思えぬほど弱々しく、蓮は礼を言った。
~ 終 ~
家族に「自分も父の力になりたい」と伝え、どれだけ手をつくして説得を試みても無駄だった。父や兄は、雪樹の能力を決して認めようとはしなかったのだ。彼らはまるで愛犬が粗相したときのような生暖かい眼差しで、「おまえの幸せのためなんだよ」と一様に唱えるだけだった。
父たちが見せたあれは、優しさなのだろうか?
少なくとも彼ら自身はそう信じて疑わないだろう。だが雪樹からすれば、気味の悪い押しつけでしかなかった。
――お父様たちの「愛情」は、私にとって檻のようなものだ……。
「子供は別に、親のために生きるわけじゃない。産んだのは親の勝手で、どう育つかは子供の勝手だ。親のもとでは自由に生きられないならば、羽村の名前など捨ててしまえばいい。俺が拾ってやる」
「あなただって、私を閉じ込めているじゃないですか!」
「ははは、そうだな。俺も人のことは言えない」
噛みつかれても、蓮は豪快に笑っている。やっぱり雪樹を監禁していること、家に帰さないことなど、ちっとも反省していないようだ。
「芭蕉の言うとおりに育ったならば、おまえはさぞつまらない女になっていたことだろう。俺は小生意気でやかましい、今のおまえのほうがいい」
「……!」
さして熱っぽいわけでもなく、ごく自然な囁きだった。だが雪樹はそれを聞いた途端、動けなくなった。
頭の芯がぼんやりと痺れて、目の奥が熱くなる。気づけば、涙が零れ落ちていた。
「お、おまえ……! なんで泣いて……!?」
雪樹の顔を凝視し、蓮は口をあんぐりと開ける。
「俺はひどいことを言ったか?」
「うっ、うーっ……」
慌てふためく蓮が滑稽で、笑いたいのにうまく笑えない。雪樹の口から漏れるのは、嗚咽ばかりだった。
みっともないから早く泣き止まねばと思うのだが、後から後から両目から落ちる涙は、深い傷口から滲む血液のようで、自分では止められない。
――あんなに素晴らしい父や母、兄たちの期待に添えない自分は、親不孝な裏切り者だとずっと思ってた……。
それでも、どうしても従えない。彼らを正しいとは思えない。
――本当は誰かに、『おまえは間違っていない。そのままでいいんだ』と言って欲しかったの。
たった一度でもいいから、甘やかして欲しかった。
「ああ、もう、おまえは怒ったり泣いたり、忙しいやつだな」
蓮は椅子から立ち上がり、身を乗り出した。袖を引き伸ばし、正面でわんわん泣いている雪樹の瞼をゴシゴシ拭う。
雪樹はされるがままになりながら、ぼんやりと「皮肉なことだ」と思った。
自由を奪った張本人こそが、自分を真に理解しているなんて。
――散々傷つけられた男に、助けられるなんて。
「雪……」
戸惑いがちに名を呼ぶと、蓮は雪樹と唇を重ねた。机を挟んだ無理な体勢での口づけだったから、触れ合ったのは一瞬で、蓮はバランスを崩し、倒れかけた。
「わ……っ!」
「!」
びっくりして、雪樹の涙は止まった。
キスをされたのは、これが初めてだ。驚いたが、嫌な気持ちはしなかった。
「蓮様……」
「もう泣くな。おまえを散々泣かした俺が言うのも変だが、おまえの涙は……胸にくる」
今度は机に両手をつき、万全の構えで、蓮は雪樹に口づけた。ちゃんと回り込んですればいいのに、その時間すら惜しい。それは二人とも同じだった。
雪樹の心臓は恐ろしいほど鳴って、だが体はふわふわと今にも浮かび上がりそうだった。
息が当たる距離で、蓮は言った。
「雪。おまえは俺のところへ来い」
「え? どういう意味ですか?」
「俺が寝起きしているここ、柘榴御所に、一室用意してやる」
「で、でも、そういうのは許されてないんじゃ……?」
皇帝と寵姫がひとつ屋根の下で暮らすなど、聞いたことがない。まだ子供を産んでいないし、産む気もないのに、蓮と夫婦同然になってしまう。
「――後宮は潰す」
雪樹から離れると、蓮はきっぱり宣言した。
後宮とは、建国当初より続く、皇帝の血筋を守るための制度である。だがその甲斐も虚しく、今や始祖直系の血はほぼ途絶えてしまっており、残されたのは蓮一人だけ。そんな今、後宮を廃すなど、ただでさえか細く繋がっている帝政という糸を、裁ち切るようなものだ。
「ど、どうして……?」
「俺はおまえ以外と添い遂げるつもりはないし、ほかの女に自分の子を産ませようとは思わない」
「!」
雪樹の顔はカッと熱くなった。
これはつまり求婚されているわけか。蓮にとって自分は、たくさんいる寵姫の一人ではなかったということか。
「か、勝手なことを言わないでください! 私の気持ちも聞かないで!」
「おまえがどう思っていても関係ない。俺は皇帝で、臣民であるおまえは俺のものだ」
蓮は不敵に笑う。
あまりに上からの言いようが腹立たしくて、雪樹はぎりっと唇を噛んだ。が、本気で怒ることができない。
後宮がなくなれば、ますます逃げ場がなくなる。蓮の妻となり、彼の子を産まなければならない。
だが後宮がなくなれば、蓮をほかの女に取られることはなくなる。
彼を独り占めできる……。
嫌だと思う自分と、嬉しいと思う自分がいて、どうしていいか分からない。
雪樹は縋りつくように蓮を見た。その視線を真正面から受け止めて、蓮は咳払いをする。
「雪、その……。もう一回、口づけてもいいか?」
雪樹はがくっと脱力した。なぜそこは伺いを立てるのか。初めてセックスしたときも、先ほどの求婚のときも、こちらの意志なんてお構いなしだったくせに。
「勝手にすればいいでしょう! あなたは皇帝様で、なんでも好きにできるんだから!」
雪樹が頬を膨らませていると、蓮は苦笑しながら再び背を屈めた。
――本当は、私だって、もっともっとして欲しいけどね……。
きっと今自分は、アホ丸出しの顔をしているんだろうな……と思いながら、雪樹は瞼を閉じた。
「そういうことなら、あたしは出直そうかしらね」
「!」
嗄れた声に裂かれるようにして、二人はバッと離れた。振り向けば、図書室の入口に小柄な老女が立っている。
「真百合婆! なんでここに!」
「あなたが呼んだんでしょう。このババを追い抜いて、もうボケちゃったの? 蓮坊」
「わ、私は部屋に戻ります!」
雪樹はそう言うと、そこらの何もない床に何度も躓きながら、走り去った。
泡を食って逃げる少女の後ろ姿を見送って、清田 真百合は微笑んだ。
「可愛いわねえ」
バツが悪そうな顔をしていた蓮も、真百合がひょこひょこと室内を進み、自分の前に腰掛けると、表情を改めた。
「真百合婆、もうじきのようだ。以前相談したとおり、頼んだぞ」
「考えを変える気はないの? あたしが見たところ、あの子はあなたを好いているように思うけど」
「それは、俺が強いてしまった環境のせいだ。俺はあいつを傷つけたんだぞ? そんな俺を、どうして慕うものか。あいつには今、俺以外、頼る者がいないから。――愛だとか恋だとか、そういうものじゃない」
いつもはのんびりと穏やかな話し方をする真百合は、このときだけは厳しい教師のような口調で問うた。
「彼女の気持ちが錯覚だと思いたいのは、蓮坊、あなたのほうじゃないの?」
「…………………」
蓮は目を泳がせ、そして答えた。
「――頼む、真百合婆。もう、これ以上は……。頼むから……」
うなだれてしまった蓮を見て、真百合は諦めたようにため息をついた。
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「ありがとう……」
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