陛下の溺愛するお嫁様

さらさ

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㊲久しぶりの目覚め

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目が覚めると、なんだかずっとうなされていた気がする。
所々ミカやシド様、ミーナがわたくしを心配そうに覗き込んでいたような記憶がある。
どれくらい眠っていたのかしら・・・
ハッキリしない頭で考えていると、目が辺りの景色を映し出す。

「目が覚めました?」

わたくしの傍に居たのはシド様でした。

「少しお水を飲んでください。」

そう言って、寝たままの私に差し出された水差しから水を口に流し込まれて、コクリと飲み込む。
その後、手をわたくしの額にあててわたくしの様子を見る。

「高熱は下がったみたいですね、でもまだ微熱があるから無理しないで下さい。」

「分かったわ。」

わたくしは辺りを見回す。
知らない部屋、傍にミーナも居る。
けど、ミカの姿が無い。

「ミカは?わたくしはどれくらい寝ていたのかしら?」

「お目覚めの時にそばに居るのが陛下じゃなくてごめんなさい、陛下は今公務で各国の王達と会議をしています。レイラ嬢は三日間高熱でうなされていらしたんです。今日はエレオルト城に着いてから三日目の夕方です。もう少ししたら陛下も戻ってきますよ。」

シド様がミカが居ない事を申し訳なさそうに話してくれる。

「わたくしそんなに寝ていたの?ひょっとして、シド様はずっとわたくしに付いていてくれたの?」

「ミーナと交代でね。」

わたくしはずっと寝ていたから分からないけど、夜中に誰かがずっと付いて居てくれたような気がする。
シド様とミーナはあまり寝ていないんじゃないのかしら。

「ありがとう。」

わたくしは二人に感謝の気持ちを込めてにっこり笑うと言葉を口にした。
そして、起き上がろうとするわたくしをシド様が支えて手伝ってくれて、上半身を起こして座ることが出来た。
まだフラフラするし、身体がダルい。

「なにか口に出来そうなら用意させますよ。」

シド様の言葉に、そういえば随分何も食べていない気がする。

「栄養剤は打ってるけど、食べれるなら何か食べた方が早く元気になれますよ。」

そう言われて食事を用意してもらうことになった。

食事と言っても、病み上がりなので、用意してもらったのはミルク粥とスープだった。
スープを少しづつ飲んでいると、ドアが鳴ってミカが入って来た。

「レイラ!」
 
わたくしが起き上がっているのを見て慌ててミカが駆け寄ってくる。

「目が覚めたのか?大丈夫?辛くないか?」

「ええ、まだ少しフラフラするので、栄養をしっかり取らないとね。」

そう言いながら微笑むと、ミカがわたくしをふわりと抱きしめた。

「良かった・・・」
 
「心配掛けてごめんなさい。」

三日も寝ていたなんて、みんなに心配をかけてしまったわね。
なんだかミカに会うのは久しぶりな気がして、ミカに抱きしめられると安心する。

「ミカ、わたくしミカの婚約者として来たのに何も役に立てなくてごめんなさい。」

「レイラ嬢は気にすることないよ。本番の王太子の結婚式は明日だ。病み上がりですまないが、一緒に参加してくれるか?」

まだ微熱があるらしいわたくしの額に手を当てながら、気遣うようにわたくしを見るミカ。

「ええ、もちろん。」

わたくしは心配させないように笑顔で返すと、ミカが頭を撫でてくれる。

「食事の邪魔をしたね、食べ終わったらまた横になっていた方がいい。」

「うん、そうするわ。」

わたくしの言葉を聞いてからミカはシド様を見る。

「シド、ミーナ、看病ありがとう。しばらく俺が一緒に居るから休んでくれ。」

「わかりました。では少し休ませてもらいます。」

シド様はそう言うと部屋を出て行った。

「私はお嬢様のお食事が終わるまでは付いています。」

ミーナは後片付けのことを考えたのか、わたくしが食べ終わるのを待ってくれ、食べ終わると食器を持って出ていった。

食べている間、ミカは「ゆっくりでいいよ。」とか、「無理して食べなくていいよ。」とか、言いながらわたくしのことを眺めていた。

「そんなに見られたら恥ずかしいじゃない。」

わたくしが照れていうと、ミカは「ごめん。」と言いながらも目を細めてわたくしを見つめる。

「食べたら横になった方がいい。」

そう言うと、わたくしが布団に入るのを手伝ってくれた。

「まだ辛いだろう?」

「うん、少し。」

「俺がついてるから少し休め。」

なんだかミカが甘々なんだけど・・・よく考えたらいつもの事かしら?
わたくしは横になるとまた眠りに落ちた。
今度はミカが手を繋いでくれているので、安心して眠ることが出来た。
ミカの手はわたくしの安定剤ね。







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