夢の続きを、あなたと

小田恒子

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第6章

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「それで、梶田さんはなんて返事したの……?」

 曾我さんの問いに、私はまだ話が終わっていないと言葉を続けた。

「返事はまだしていません。もし仮に、私が職人の道に戻れば、私がその廃材を使って理想とする雑貨を作ることができます。けれど……」

「けれど?」

「私をヘッドハンティングしたのは、こもれびではなく、同級生である彼個人です。彼は半年後、三十歳になるのを機に独立するそうでして」

 私の言葉を一言一句聞き逃さないよう、曽我さんは食い入るように私の言葉に耳を傾けている。

「独立するだけなら、私も『そうなんだ』で聞き流すところでしたが……、彼の地元である和歌山で起業するそうです」

「和歌山!?」

 曽我さんが驚くのも無理はない。
 和歌山だと、こもれびみたいに簡単に足を運べるような場所ではない。

「彼は独立起業するので、一人親方状態です。営業担当と、廃材を使った雑貨制作の部門でヘッドハンティングの話を持ち掛けられておりまして……」

 私の言葉を聞き終えた曽我さんは、腕組みをしたまま黙り込んだ。
 しばらく考え込んでいた曽我さんが、その重い口を開く。

「俺は梶田さんの技術がどの程度なのかを知らないから何とも言えないんだけど……。就職してからのブランクを加味しても、冗談なんかで梶田さんをスカウトしたりはしないよね……」

 曽我さんの言葉に、私は頷いた。

「職人は、基本一人で没頭する作業です。私は、昔からものづくりが大好きでした。将来、職人になる夢を抱いて専門学校に進学しましたが……、狭き門だと痛感せざるを得ませんでした」

 私の言葉を、曽我さんは静かに聞いている。

「もし、彼の提案を受けて職人の道に戻るとすれば、私が廃材を使った雑貨を作ることになるので、アルファクラフトに商品を卸すことは可能になります。本庄さん……、昨日話をした同級生も、リメイク雑貨の販売については乗り気で、口約束ではありますが契約を取り付けております。でも、そうなれば……、私は和歌山を拠点に活動をすることになります。副業禁止のこの会社を退職しなければなりません」

『退職』の言葉に、曽我さんはしばらく考え込む。

「それって、廃材を安く仕入れて、梶田さんがここで作品を作るってことはできないのか? 退職したら、梶田さんも経済面でいろいろと大変になるんじゃないか?」

 曽我さんの言うことはごもっともだ。
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