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第6章
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会社員は仕事を休んでも有給休暇があるし、給料も保証されている。加えて社会保険もかけてもらっている。
それが個人事業所になれば、国民年金を自分で納めなければならないし、体調を崩して仕事を休んだ時の保障がない。
それに雄馬が独立起業したからと言って、リメイク雑貨の卸先としてアルファクラフトと契約しても、すぐに本業の仕事の依頼があるのか。そして、私に払う給料だって不安もある。
「廃材をここに仕入れるのは、きっと無理だと思います。本当に膨大な量になります。安く仕入れたとしても、リユースできない部分など、結局使えない部位はこちらで処分しなければなりません。その際、木材などは通常のごみ回収とは違って専門の業者回収となります。その分のコストを考えたら現実的ではありません。それに、仮に廃材を仕入れて私がここで作品を作るとなった場合、作業スペースのこともあります。木工関連の専用機材を置く場所も、作業スペースも足りませんし、第一に通常の業務をこなしながら作品を作ることはできません」
曽我さんの案を、会社側が全て通してくれるとなれば、私はバイヤーの仕事との両立は無理だ。
作業スペースなんて、それこそ中学校の技術室に置かれているような機材や木くずなどを集積する集塵設備など、設備が整っていないことには話にならないのだ。
私の言葉に、曽我さんは再び頭を悩ませている。
そして、私に核心を突く発言をする。
「で、結局のところ、梶田さんとしてはどうしたい?」
曽我さんの質問に、私は何も答えられない。
「わかりません……。職人にスカウトしてもらえたことは、素直に嬉しいです。自分が本当にやりたいことに対して、再びチャレンジできる機会を与えられるなんて思ってもみなかったことです。でも……」
「でも?」
「私に声を掛けてくれた本庄さんは、業界の中でも栄えあるコンテストで受賞した実績があります。彼は、コンテスト受賞の肩書きがあるから仕事も引く手あまただと思いますが……。私は一度、職人の道を諦めて、ここに就職しました。職人としての技術も就職してから全く携わることがなかった分のブランクがあります」
私はそこまで話すと口を噤んだ。
こうして思っていることを口にして、だれかに聞いてもらうことで、自分の抱えている不安について気持ちが少し整理できた。
曽我さんは、私が次に言葉を発するのを待っている。
けれど、私の将来について曽我さんに相談するのは違う。
もし仮に曽我さんに相談したとして、将来その選択が誤ったものだと後悔するとしたら、その責任を曽我さんのせいにしてしまいそうだ。
昨日、雄馬が私に言った言葉を思い出すと。私は深呼吸をひとつ吐いて、曽我さんに向かって言葉を発した。
「いえ、何でもありません」
私は決心した。
きっと私の表情を見て、曽我さんも何かを察したのだろう。
「何かあれば、何でもすぐに相談してくれよ? これでも俺、バイヤーのリーダーなんだからな」
「はい、その時はよろしくお願いします」
私は曽我さんに深く頭を下げた。
それが個人事業所になれば、国民年金を自分で納めなければならないし、体調を崩して仕事を休んだ時の保障がない。
それに雄馬が独立起業したからと言って、リメイク雑貨の卸先としてアルファクラフトと契約しても、すぐに本業の仕事の依頼があるのか。そして、私に払う給料だって不安もある。
「廃材をここに仕入れるのは、きっと無理だと思います。本当に膨大な量になります。安く仕入れたとしても、リユースできない部分など、結局使えない部位はこちらで処分しなければなりません。その際、木材などは通常のごみ回収とは違って専門の業者回収となります。その分のコストを考えたら現実的ではありません。それに、仮に廃材を仕入れて私がここで作品を作るとなった場合、作業スペースのこともあります。木工関連の専用機材を置く場所も、作業スペースも足りませんし、第一に通常の業務をこなしながら作品を作ることはできません」
曽我さんの案を、会社側が全て通してくれるとなれば、私はバイヤーの仕事との両立は無理だ。
作業スペースなんて、それこそ中学校の技術室に置かれているような機材や木くずなどを集積する集塵設備など、設備が整っていないことには話にならないのだ。
私の言葉に、曽我さんは再び頭を悩ませている。
そして、私に核心を突く発言をする。
「で、結局のところ、梶田さんとしてはどうしたい?」
曽我さんの質問に、私は何も答えられない。
「わかりません……。職人にスカウトしてもらえたことは、素直に嬉しいです。自分が本当にやりたいことに対して、再びチャレンジできる機会を与えられるなんて思ってもみなかったことです。でも……」
「でも?」
「私に声を掛けてくれた本庄さんは、業界の中でも栄えあるコンテストで受賞した実績があります。彼は、コンテスト受賞の肩書きがあるから仕事も引く手あまただと思いますが……。私は一度、職人の道を諦めて、ここに就職しました。職人としての技術も就職してから全く携わることがなかった分のブランクがあります」
私はそこまで話すと口を噤んだ。
こうして思っていることを口にして、だれかに聞いてもらうことで、自分の抱えている不安について気持ちが少し整理できた。
曽我さんは、私が次に言葉を発するのを待っている。
けれど、私の将来について曽我さんに相談するのは違う。
もし仮に曽我さんに相談したとして、将来その選択が誤ったものだと後悔するとしたら、その責任を曽我さんのせいにしてしまいそうだ。
昨日、雄馬が私に言った言葉を思い出すと。私は深呼吸をひとつ吐いて、曽我さんに向かって言葉を発した。
「いえ、何でもありません」
私は決心した。
きっと私の表情を見て、曽我さんも何かを察したのだろう。
「何かあれば、何でもすぐに相談してくれよ? これでも俺、バイヤーのリーダーなんだからな」
「はい、その時はよろしくお願いします」
私は曽我さんに深く頭を下げた。
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