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第4章 フィオンティアーナ編
135 港町ヴェティアン
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どうも、リビングアーマーの俺です。
ザブーン!
「リビタンさん! 右に移動してください!」
右? こっち!?
「今度は左」
左? こっち!?
「後ろじゃ後ろ!」
後ろ? こっちか!?
「前に来い! 船がひっくり返るぞ!」
前? うおおおおお!
移動距離が長い!
はい、お察しの通り、俺たちは今船に乗ってます。
フィオンティアーナ郊外から近くの波止場へ。
そこから船に乗って港町のヴェティアンに向かっているところ。
船といっても商人が七つの海を股にかけるような巨大なものじゃない。
公園の池のボートよりは大きいけど。
海岸沿いに数人の客を乗せて移動する程度のサイズだ。
なので、鎧でできてる俺がすごいネックになってた。
波の調子であっちへ行きこっちへ行き。
船が転覆しないように大忙しである。
「もう! お客さん、代金多めにくださいよ!」
船頭さんがプンスコお怒りだ。
申し訳ない。
もちろん多めに払います。
ちなみに俺に同行しているのは四人。
人犬族のロロコ。
エルフのクラクラ。
ドワーフ嬢のアルメル。
ドラゴン娘のドグラ。
ドグラにドラゴンになってもらって運んでもらおうかとも思ったんだけど。
そんな距離じゃないらしい。
「お、見えてきた」
それが証拠に、船に乗って一時間もしないうちに、ロロコがそう言った。
マジで?
俺も見たい見たい。
「リビタンは立ち止まるな!」
ドグラに叱られた。
はーい……。
俺が船の上を駆け回っている間に、船はヴェティアンに入っていく。
ん?
入っていく?
〈なんだなんだ、すごいな〉
海から船はそのまま水路に入っていった。
水路が町中に道の代わりに張り巡らされているようだ。
やがて、船は船着場に到着。
船を降りたら、俺たちはもう街の中にいた。
〈へー、すごいな。ここがヴェティアンか〉
「水の都。もともと湾になっていて波の少ないところの海底に杭を打って、その上に土台を設けて街を作って行ったんです」
アルメルが解説してくれる。
へー。
そういう街、こっちの世界にもあったよな。
なんかすごい観光したくなってくるけど、そういうわけにはいかない。
俺たちには忍者を探すっていう大事な使命がある。
なにこの光景に全くそぐわない単語……。
〈それで、忍が今どこにいるかわかるか〉
魔力を探知できるドグラに尋ねる。
「うーん、無理じゃな」
え、なんで!
「人間が多すぎるのじゃ。こんな狭いところに大勢で固まっておられては、識別できん」
あー、なるほど。
ドラゴンのスケール感覚じゃ、この街のどこにいても差なんてないってことか。
〈なんとなく、方向とかでもわからないか?〉
「むー……」
ドグラは目を閉じて眉間にシワを寄せる。
「そう遠くないところにはおるようじゃが……どっちと言われると」
そのときだった。
俺たちを乗せてくれた船が去っていった水面。
そこにぶくぶく泡が上がってきて。
ざばぁ、と人が姿を表した。
口に竹筒みたいのを咥えた、全身黒装束の少女。
…………。
……あ、いたな。
ザブーン!
「リビタンさん! 右に移動してください!」
右? こっち!?
「今度は左」
左? こっち!?
「後ろじゃ後ろ!」
後ろ? こっちか!?
「前に来い! 船がひっくり返るぞ!」
前? うおおおおお!
移動距離が長い!
はい、お察しの通り、俺たちは今船に乗ってます。
フィオンティアーナ郊外から近くの波止場へ。
そこから船に乗って港町のヴェティアンに向かっているところ。
船といっても商人が七つの海を股にかけるような巨大なものじゃない。
公園の池のボートよりは大きいけど。
海岸沿いに数人の客を乗せて移動する程度のサイズだ。
なので、鎧でできてる俺がすごいネックになってた。
波の調子であっちへ行きこっちへ行き。
船が転覆しないように大忙しである。
「もう! お客さん、代金多めにくださいよ!」
船頭さんがプンスコお怒りだ。
申し訳ない。
もちろん多めに払います。
ちなみに俺に同行しているのは四人。
人犬族のロロコ。
エルフのクラクラ。
ドワーフ嬢のアルメル。
ドラゴン娘のドグラ。
ドグラにドラゴンになってもらって運んでもらおうかとも思ったんだけど。
そんな距離じゃないらしい。
「お、見えてきた」
それが証拠に、船に乗って一時間もしないうちに、ロロコがそう言った。
マジで?
俺も見たい見たい。
「リビタンは立ち止まるな!」
ドグラに叱られた。
はーい……。
俺が船の上を駆け回っている間に、船はヴェティアンに入っていく。
ん?
入っていく?
〈なんだなんだ、すごいな〉
海から船はそのまま水路に入っていった。
水路が町中に道の代わりに張り巡らされているようだ。
やがて、船は船着場に到着。
船を降りたら、俺たちはもう街の中にいた。
〈へー、すごいな。ここがヴェティアンか〉
「水の都。もともと湾になっていて波の少ないところの海底に杭を打って、その上に土台を設けて街を作って行ったんです」
アルメルが解説してくれる。
へー。
そういう街、こっちの世界にもあったよな。
なんかすごい観光したくなってくるけど、そういうわけにはいかない。
俺たちには忍者を探すっていう大事な使命がある。
なにこの光景に全くそぐわない単語……。
〈それで、忍が今どこにいるかわかるか〉
魔力を探知できるドグラに尋ねる。
「うーん、無理じゃな」
え、なんで!
「人間が多すぎるのじゃ。こんな狭いところに大勢で固まっておられては、識別できん」
あー、なるほど。
ドラゴンのスケール感覚じゃ、この街のどこにいても差なんてないってことか。
〈なんとなく、方向とかでもわからないか?〉
「むー……」
ドグラは目を閉じて眉間にシワを寄せる。
「そう遠くないところにはおるようじゃが……どっちと言われると」
そのときだった。
俺たちを乗せてくれた船が去っていった水面。
そこにぶくぶく泡が上がってきて。
ざばぁ、と人が姿を表した。
口に竹筒みたいのを咥えた、全身黒装束の少女。
…………。
……あ、いたな。
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