転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第6章 ガルアシラ・ヴォルフォンシアガルド編

228 ヴォルフォニア帝国第十五代皇帝フィルシオール十七世

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〈ぐぐぐぐ……〉

「うぁあっ……!」

〈ぬぬぬぬぬ……!〉

「くぅうっ……!」

 俺が拡散する魔力に当てられて、魔族たちはどんどん気を失っていく。
 その範囲は俺を中心に同心円状に広がっていく。

 すごく頑張っているように見えるだろうけど、実際にすごく頑張っている。
 魔力が出過ぎないようにね!

 なにしろ量も範囲もかなり絞らないといけない。
 量が多すぎると魔族たちが気絶じゃ済まなくなりそうだし。
 範囲が広すぎると関係ない魔物とか呼び集めちゃいそうだし。

 どんなに強い力があってもそうそう万能とはいかないようだ。

 で、魔力を放出しつつ俺は6000体のマジカルアーマーを操る。
 手が足りないところを手伝って気絶した魔族を拘束していく。
 あとまだ暴れている魔族を取り押さえたり。
 崩落した山の危険なところを修復したり。

 大騒ぎだ。
 おかげでエドと魔王を捜索する余裕なんかない。

 けど、そっちはしばらく放置しても大丈夫だろう。

 エドの目的を達成するためには俺が必要だ。
 俺を吸収しなければクーネアさんは魔王として完成しないわけだからな。

 と、そんな感じで魔族への対処を続けていると、動揺の声が聞こえた。

「まさか……」
「陛下……!」

 陛下?

 って魔王陛下?
 なわけはない。

 ここにいる人間が陛下と呼ぶ人間といえば一人しかいない。

 俺はロロコとクラクラと一緒にそちらへ向かった。

「そなたが噂のリビングアーマー……リビタンか」

 そこには一人の男が立っていた。
 元は豪奢だったのだろう、ボロボロの装束を身にまとっている。
 威光がなければごく普通の男にしか見えない。
 それでもそれが誰なのか、周りの人々の反応から知ることができた。

〈あなたは、ヴォルフォニア帝国の皇帝陛下ですね?〉

「まあ、まだ退位はさせられていないからな」

 フィルシオール十七世はそう言って、寂しそうに笑った。

◆◇◆◇◆

 俺たちは皇帝陛下を連れて元帝都に戻った。

 あ、元帝都っていっても廃都ダンジョンのことじゃないよ。
 俺たちが拠点にしてるガルアシラ・ヴォルフォンシアガルドのこと。
 廃都ダンジョン=ガルシラは旧帝都と呼ばれることが多いようだ。

 ……どっちにしろややこしいな。

 魔族の対処はマジカルアーマーたちに任せることにした。
 人員はほかにもたくさんいるので大丈夫だろう。

 で、元市庁舎の一室に集まった俺たち。
 特に誰もなにも言わなかったけど、自然と皇帝陛下を上座に座らせる。

 大勢に見られ、それでも臆することがないのはさすが統治者といったところか。
 敵陣だというのにこの落ち着きぶりもすごい。

 いや、違うかな。
 これはなんか色々諦めてる感じだ。
 自分がここで殺されても構わないと思ってる。
 そんなふうに見える。

〈……それで、皇帝陛下がなんの用でこんなところまで?〉

 俺の問いかけに小さく頷き、皇帝陛下は言ってくる。

「頼みがあって来た。ライレンシアを救ってほしい」
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