十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第三章 同居開始で溺愛されてます

四十三話

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 麗音に聞かれてなくてよかった。

 雄介とのことは彼に知られたくない。

 何故って、幼馴染でかっこいいお兄ちゃんがゲイで、十二年もヒモを養ってただなんて、格好がつかなすぎる。

 失望だけはされたくない。

 俺はいつまでも、麗音の憧れる「しゅん兄ちゃん」でいたいんだ……


「しゅん兄ちゃん!ご飯できたよー」


 麗音の声で我に返る。

 俺は急いでベッドから起き上がり、ダイニングの方へ向かった。


 ちぎったレタスとプチトマト、こんがり焼かれたウインナーとスクランブルエッグにトースト。


「いただきます!」


 元気に朝食を食べる麗音とは裏腹に、俺はフォークでプチトマトをゆっくりと口に運んでいた。

 なんて夢を見てしまったんだ。

 いや、夢で良かったというべきか。

 目の前であんなことされたら、俺は正気を保ってなんていられない。


「しゅん兄ちゃん、どうしたのぼーっとして」


 ごくん、とトーストを飲み込んだ麗音が尋ねる。


「ん、いや悪い、今朝の夢見が悪くてな、ちょっと気分が」

「ええ!気分が悪い!?それは大変!」


 ガタッ、と立ち上がると、麗音は棚にしまってあった救急箱を持って来た。


「はい!お熱測って!あと今日のお仕事はお休みしよう!」

「え、いやちょっと」

「俺、会社に連絡するから!」


 俺の制止も聞かず、連絡はスマホを耳に当てた。


「全然出ない……どうしよう」

「麗音……まだ7時だ、誰も出勤してない」
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