十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第三章 同居開始で溺愛されてます

五十二話

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「俺、しゅん兄ちゃんと結婚するつもりだもん」

「……麗音、今なんて」

「しゅん兄ちゃんと結婚するつもり」

「……はああああ!?」


 俺は思わず立ち上がった。


「け、けけ、結婚って、その」

「うん」

「ふ……か、家族になるってことか?」

「うん!」


 麗音は満面の笑みで返してくる。


「お前、結婚ってただしたいからするもんじゃねえんだぞ!経済的にとか、世間の目とか」

「しゅん兄ちゃんは俺と結婚するの嫌?」


 麗音が潤んだ瞳でこてんと首を傾げる。

 麗音と結婚?

 幼馴染で結婚って、そりゃ男女なら美談だ。

 ただここにいるのは社長の息子と地味でダサい男。

 パートナーシップ制度があるとはいえ、絵になんてならないだろう。


「嫌とかじゃなくてな、その……俺達、そもそも男同士じゃねえか。そりゃ、今は多様性の時代だ。パートナーシップ制度もあるにはある。でもな、俺と結婚したって、お前にメリットが無いじゃないか」

「あるよ!まずしゅん兄ちゃんと一緒にいられることでしょ、あとしゅん兄ちゃんと暮らせることと、しゅん兄ちゃんと一緒に頑張れること!」

「全部同じじゃねえか!」

「しゅん兄ちゃんのメリットは?」

「へ?」

「さっき言ってたじゃん、俺にメリット無いって、じゃあしゅん兄ちゃんにはメリットがあるんだよね?」


 なんてことを言ってしまったんだ俺は。

 脳味噌をフル回転させて言葉を絞り出す。


「えーと、俺のメリットか……」


 麗音はわくわくとして俺を見つめていた。
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