十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第五章 アイドルの企み

百二話

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「……月が、綺麗ですね」

「あら、嬉しいわ。それって『愛してる』って意味でしょう?」

「いえ、そのままの意味ですよ」


 俺は窓ガラスを指さした。

 桃澤は近寄り、やがて絶叫した。


「……おっ、お前、私を騙したなあああアーッ!!?」


-
 バキッという音がして何も聞こえなくなった後、俺は麗音にもらったメモを開いた。


『着替えて、渋谷のスクランブル交差点に行って』


 これだけしか書かれていなかった。

(麗音……どういうことなんだ?)

 訳が分からないまま、俺は着替えてこっそりホテルを出た。

 渋谷までは山手線で向かわなくてはならない。

(無事でいてくれ、麗音……!)

 電車に乗りながら、俺は一人祈った。

-
 渋谷のスクランブル交差点前。

 ざわざわと人のどよめきがいつもより大きい気がする。


「なにこれドッキリ?」

「何かの広告?」


 人々がそう呟くのが聞こえる。


「ていうかあれってさ、くるみ……」


 その時だった。


『……おっ、お前、私を騙したなあああアーッ!!?』


 声のしたほうを振り向くとそこには。


 ホテルのスイートルームで絶叫する桃澤がスクリーンに映っていた。


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