十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第六章 突然の別れ

百十六話

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 麗音。

 麗音と出会ったのは、俺がまだ小学校低学年の頃だった。


「……隣に越して来ました、有栖川です」


 母親に抱っこされながら、状況も分からず笑っていた子供が麗音だった。

-
 麗音の母親がパートに行く間、何故か俺の母親が麗音を預かると言い出した。


「お母さん、何で」

「だって小さい子供一人残すのは心配じゃない!有栖川さん、気にせずお仕事行ってきてくださいね」


 麗音の母親は小さな声でありがとうございます、と頭を下げた。


 最初麗音が家に来た時、俺はすごく嫌だった。


「俊太郎、弟ができたみたいね」


 今思えば、母親の愛情を麗音に取られると思ったのだろう。


「はいどうぞ、おやつ、麗音くんはたまごボーロね」


 麗音は無邪気にたまごボーロを口に運ぶ。

 俺の大好物のアップルパイより、麗音のたまごボーロがどうしても羨ましくて、俺は思わず皿をひったくった。


「えーん!」


 麗音の泣き声を聞いて母親が駆けつけてくる。


「俊太郎!お兄ちゃんなんだから優しくしなさい!」

「嫌だ!麗音は本当の弟じゃないじゃん!」

「それでも!小さい子には優しくするの!守ってあげるの!それがお兄ちゃんなの!」


 その時始めて、母親と真剣に喧嘩をした。
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