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百魔獣使ホドロフスキー
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物資は陸路だけではなく海路も使ってロッシーナ軍の陣営に送られてくる。
戦地より遠く離れた場所から木材や食糧を満載した船団はしかし、目的地にたどり着くことができなかった。
「出航した船がことごとく戻ってくるとはなにごとだ。しかも中には積み荷をなくしたものまであるというではないか!?」
対ロッシーナ連合軍を見限り、ロッシーナ側に協力して身の保身に走った港湾都市国家アンシムの政商ホジュは地団太を踏み、紫檀の机に拳を叩きつけた。
百年間に三センチしか成長しない紫檀はその美しさや珍しさから金と同じように高額で取り引きされていた。このホジュという人物の財力のほどが知れる。
このままでは徹底抗戦を主張していたアンシムの王族を殺害してまでして手に入れた地位と信頼を失いかねない。
「乗船していた者が言うには、ワッシャー島の近くまで来るとどこからともなく妖しい歌のような声が聞こえてきて、それに聞き惚れているうちに気づけば帰路についているとか……」
そばにひかえていた側近のひとりがそう答える。
「歌で人を惑わすとは、セイレーンではないか! そうだ、歌が耳に入らぬように綿でも詰めて栓をしてしまえ」
「はい、それはすでにこころみました。そうすると一〇隻中に一、二隻は妖しき歌の影響を受けずに進めるのですが、そのような船はやがて大量の鳥や虫に襲われ、船員はついばまれるわ刺されるわ、積み荷のうち食糧はむさぼり喰われるわでさんざんな目に遭うそうです」
「むぅ……、【蟲魔召喚】か?」
「いや、違う」
「むむ、なにやつ!」
いつのまにか執務室の中に見知らぬ青年の姿があった。東方武僧のように頭を剃り上げた短身痩躯の青年、鬼一法眼だ。
「嘯、あるいは長嘯。歌声や旋律、楽曲に呪力を込めた呪術で鬼神や風雨や鳥獣を召喚して意のままにあやつるほかにも人の精神に働きかける効果もある。アリフレテラの吟遊詩人の使う呪歌のようなものだ」
話しながらゆったりとした所作で手にした杯をかたむけ唇を濡らす。鬼一法眼、こともあろうに主のことわりもなく秘蔵の酒に手を出していた。
「そのような不思議な術を使う異世界の呪術師がマカロン側に加勢しているから、ロッシーナ勢は早々に故郷に帰るように」
「……なにものかと問うておる!」
ホジュの手が腰に帯びた新月刀へとのびる。この男は商人であると同時に海賊であり武人でもあった。
ロッシーナに寝返るためアンシムの王族を殺害したさい、その報復に挙兵した反ロッシーナ派の攻撃をロッシーナの援軍到着までひと月以上も持ち堪えたいくさ人である。
弁舌だけの商人とは異なる迫力が、本物の殺気を漂わせていた。
「淡旨! この酒はなかなかの美味じゃないか」
「それはカルタノ湖の名水で醸した銘酒だからな」
「おおう、これがうわさのカルタノ酒かぁ。うんうん、甘露、甘露。銘酒出處、必有良水。銘酒あるところにかならず良水ありとはこのことだ」
グイグイグビグビとまるで水でも飲むようにすいすいと喉に流し込み、いっぱいに満ちていた酒壷の中身はすぐに半分ほどになってしまった。
「しかし酒は命を削る鉋という言葉もあるし、ほどほどにしておこう」
「酒で縮む命の心配よりも……」
「ん?」
「たったいま命の危機に直面しておるわ、たわけー!」
新月刀が鞘走り白刃が鬼一の首を断たんとうなりをあげる。
「हूं(ウーン)」
鬼一の口から出た金剛夜叉明王の種字真言が鋼の刀身に変化をおよぼす。刃が蛇身となりホジュの喉へと喰らいつかんとする。
ホジュはとっさに片手で蛇の首をにぎり、毒牙を制す。
「金生水。金気の塊である刃には水が生じやすい。蛇は水気の生き物ゆえ変化もたやすい」
「な、なんと面妖な妖術!? 先ほどの言葉、異世界の呪術師というのはきさまのことか」
「いかにも、たこにも」
「…………」
「…………いまのは『いかにも』の『いか』と『たこ』をかけた地口だ」
「そんなことはどうでもいい! 異世界の呪術者がどうしてここにいる、目的はなんだっ!」
「上等な美酒と美姫を求めるのならば、その土地で一番の悪党で一番の金持ちの所に限る。ここならば王の一族を弑逆し侵略者に寝返った忘恩負義の奸賊ホジュの邸だと思ったからだ」
「おのれ舐めた口を……む、美姫といったな。きさま酒だけではなく我が邸の女たちにも手を出したのか?」
「あら~ん、鬼一さまったらこんな場所にいたのね」
「んもう、だまっていなくなるなんて、いけず~」
ホジュの誰何は嬌声に掻き消された。かこっている妾たちが乱入してきて目の色を変えて闖入者にしなだれかかっているではないか!
「こ、こらおまえたち。そんな得体の知れぬ妖術使いに色目を使うとはなにごとだ。おまえらの主人は私だぞ!」
「あは~ん」「うふ~ん」「ジュテーム」「アモーレ」
主人であるホジュの言葉などどこ吹くで鬼一に艶めかしくしなだれかかる。
あきらかに様子がおかしい、妖しげな術に囚われているようだ。
「きさま、わが妾どもになにをした!」
「なぁに、龍樹菩薩の真似をしてちょっとした悪戯をね」
龍樹、あるいは龍猛。龍樹菩薩、龍樹大士とも称される。
二世紀頃のインド仏教のバラモン(司祭)で、幼いころから天才的な学識をもっており、それを鼻にかけるところがあった。
龍樹は自分と同様に才能にあふれた三人の友を持っていたが、ある日のこと「学問の道は究めた。これからは快楽に尽くそう」と思い立ち。隠形の術をもちいて王宮に入り浸っては王の寵姫らに淫らなおこないをし、子を宿す者さえ出た。
これに驚き怒った王は龍樹らを捕らえようとするが隠形術の前に手出しができない。そこで一計を案じ、砂を門に撒いてその上にできた足跡を衛兵にたどらせて三人の友人を処断した。しかし王の影に身を潜めていた龍樹だけは発見されずに一命をとりとめた。
おのれの浅慮愚行に反省した龍樹はこれを機に仏教に帰依することになったという。
「この痴れ者めがっ!」
「オン・マリシ・エイ・ソワカ」
使い物にならなくなった新月刀を投げ捨てたホジュの手が壁にかけてあるマスケット銃へと伸びると同時に鬼一の口から呪が唱えられ、次の瞬間雷が落ちたかのような轟音が鳴り響き銃口から火箭が放たれた。
至近距離からの発砲。鬼一の身体に風穴が開いたかと思われたのだが、銃弾は鬼一の身体ではなく後ろの壁に穿たれた。
「なに!? よ、避けたというのか……」
「そいつは企業秘密だ」
鬼一法眼がもちいたのは実体のない陽炎が神格化した諸天の一柱、摩利支天の加護による隠形法。
しかし鬼一のそれは隠れるためにこの術を使ったわけではない。さらに高度な術式を組んで物理的な攻撃を無効化させたのだ。
「ロッシーナへの援助を続けるだけでもおまえは邪魔だ。ましてや王族を弑逆した不義理、没義道極まりない大逆人のおまえを殺さずにおく理由があるのなら説明してみろ」
壁に打ち込まれた鉛玉に手を伸ばしながら冷徹に言い放つ鬼一の姿を見るホジュの頬を冷や汗が滴り落ちた。
ロッシーナの陣に物資を届けるためにワッシャー島の近海を大量の輸送船団が走る。
内陸の広いナーロッパやロッシーナの地に住む多くの人々にとって、海というのはある種の異界だ。
海に馴れ親しんだ島国にすら「板子一枚下は地獄」という言葉がある。
まして海など見たこともないような遠い土地から連れて来られた兵士たちにはかすかな潮騒すら不安を掻き立てる不吉な騒音に聞こえ、兵士たちは不安と恐怖にさいなまれていた。
「……このいくさ」
「あ?」
立哨の番に立っているふたりの兵士のうちひとりが慣れない波音と心細さに耐えられず沈黙を破った。このふたりもまた海から遠く離れた土地の出身で泳ぎもろくにできない。
「このいくさは異世界の妖術使いや魔物が相手だって言うじゃないか」
「ああ、そのためにこっちも魔術師を多く募ったんだろ。この船にも乗ってるぜ」
「あてになるのかねぇ、なにせ相手はひと晩で山に城を築いたほどの神通力の持ち主だぞ」
「ひと晩ってのはガセだろ。三日はかかったそうじゃないか」
「なに言ってやがる、それでもじゅうぶんだ、人間業じゃねぇ」
「まあ、な」
「そんなバケモノがいる戦地に飛ばされるなんてついてねぇぜ、まったく」
ふたたび沈黙のとばりが落ちた、その時。
漆黒の夜景が一変し、あたりが明るく照らし出された。
甲板上に大きな光の球が浮いており、それが小さな太陽のように煌々と輝き、光を放っているではないか。
「なな、なんだ!?」
「ひえぇぇっ、敵襲か!?」
周章狼狽するふたりの前に光球を背にしてひとりの男が姿を見せる。浅黒く精悍な顔つきで全身に奇妙な文字や獣の刺青が掘られており、なんとも異様であった。
「くっくっく、おまえらが夜闇に怯えているようだったので、明るくしてやったのよ」
「そ、その光の球はあんたの魔術によるものなのか?」
「そうだ。――灯りて踊れ・明るく輝く・光の子らよ」
刺青の魔術師が呪文を唱えるとともに手を前につき出すと、掌の先に小さな魔法陣が生まれてそこから光球が浮かび上がり、煌々と行く手を照らす。
さらに一隻、二隻、三隻……。
もはや夜とは思えぬ、真昼の明るさにおどろいた乗船者たちが甲板に姿を見せ、喧騒につつまれた。
「聞けい、兵士たち。俺の名は百魔獣使のホドロフスキー。俺の魔術をもってすれば太陽を生み出し、闇を切り裂くこともたやすい。俺がいれば敵の妖術使いなぞ恐れるにたりない!」
味方の魔術師による思いがけない表演に兵士たちはやんや、やんやと拍手喝采。手を叩きながら、大声で褒め称え、つい先ほどまで不安にさいなまれていた兵士たちのあいだに安堵が広がる。
(魔法後進国のいなか者どもはちょろいものだな、光精程度でこんなに喜びやがる)
ホドロフスキーがほくそ笑み、満悦する。するとどこからともかく歌声が聞こえてきた。
比爱深的感情 海中産生
全部结束时也 我不输
在小星上 照射道
遥远的旅途 不迷道
比爱强的感情 调动我
空的话海的青 成为一个
请返回故乡 回来了 回来了 回来了……
聞いていると胸が熱く、せつなくなってくる。
帰りたい。
一刻も早く故郷に帰り、家族の顔や生まれ育った山河の姿を目にしたい。
「これは、呪歌か!? おまえら耳をふさげ!」
言葉のひとことひとことに呪力の込められた呪歌は聞く者の胸に望郷の念を起こさせ、故郷に帰りたいという衝動によってその場を立ち去らせようとした。
ワッシャー島の近くまで来るとどこからともなく妖しい歌声が聞こえてきて、それに聞き惚れているうちに気づけば帰路についている――。
うわさは本当だった。
兵士たちはあらかじめ指示されて持たされていた綿を耳に詰め呪歌に備える。
それでも呪歌の影響を受けた者たちがいて、船の針路が大いに乱れた。このままでは目的地であるロッシーナの陣にたどり着けないどころか浅瀬や岩礁に乗り上げて座礁しかねない。
「こしゃくな奴め、どこに隠れている! 忌まわしき魔眼の精・万里を見通す者よ・地の底より来たれ」
ホドロフスキーの呪文に応じて虚空に生じた魔法陣から一体の魔物が召喚された。ずんぐりとした肉の塊から短い四肢が伸び、直立したヒキガエルのような姿をしており、顔は一面剛毛に覆われていて表情が見えない。
「ヴィイよ、隠れる者を暴け!」
主の命令に従いヴィイが動く。顔を覆う剛毛が上下に開くとそこには巨大なひとつの目があった。この剛毛はまつ毛だったのだ。
剥き出しになったヴィイの単眼から一筋の金光が発せられ、あたりを透かし見る。すると舳先のあたりに光に照らされてなお黒くたたずむ霞のような人影があった。
「……そこか! 絶えることなき熾火・火中に棲むもの・群れなす火の粉となれ」
召喚された火蜥蜴の群れが光り輝く無数の火箭と化して舳先へと飛んだ。
「バン・ウン・タラク・キリク・アク!」
だが標的にあたる寸前、呪文と共に生じた結界にはばまれ火箭は雲散霧消する。
しかし隠形は解かれ、潜んでいた鬼一法眼の姿があらわになった。
「隠形している存在の正体を見抜く霊光天眼通の術! まさか異世界ファンタジー世界で食らうことになるとはな――」
天空朗月 不想同看
暗天吐闇 游蝠踏宙
夜魔招来 夜子来々
天鼠偏福 飛鼠偏福
鬼一の口からふたたび長嘯がつむぎ出されると、たちまち水平線上に巨大な黒雲がわき起こり、一瞬ごとに拡大していく。
「蝙蝠だ……!」
兵士のひとりがうめいた。数百数千匹の蝙蝠の群れが黒雲となって押しよせてきたのだ。
竜巻のような音をあげて黒々とした蚊柱ならぬ蝙蝠柱が船体をおおう。
コテングコウモリ、ユビナガコウモリ、ヒナコウモリ、ヤマコウモリ、アブラコウモリ、ノレンコウモリ、カグヤコウモリ、ヒメホオヒゲコウモリ、クビワオオコウモリ――。
鬼一のいた世界ではそのように呼ばれる大小無数の蝙蝠の群体。
一匹一匹はたいした大きさでも脅威でもないが、集団で飛んでこられてはたまらない。
顔や手足をかじられ、むしられるだけにとどまらず、羽ばたきによって生じられた風圧に吹き飛ばされて海上に落ちそうになった兵士たちは船内へとわれ先に逃げ出した。
ただひとり残ったホドロフスキーは蝙蝠の嵐の中でも悠然としている。全身に彫られた刺青が燐光を放っており、そこに込められた呪的効果が鳥獣の害をふせいでいるのだ。
「奇怪な妖術で船を惑わし、魔獣を呼び積み荷を奪っているの間違いなくおまえの仕業だな! 清流に住まう乙女・冷たきその身をもって・死の抱擁を与えよ」
先手をとったのはホドロフスキー。
召喚された水乙女たちがその身を激流に変えて押し寄せる。その水圧による衝撃もさることながら、彼女たちは陸上生物の鼻や口に浸入し、肺を満たして水死させることができる。
「土剋水!」
奇しくもここ最近はナミ相手に水霊術の相手を飽きるほど繰り返してきた鬼一である。微塵も動じずに五行の理を以って相手の水霊術を相剋。
「……なんだぁ、その術は。解呪でも駆逐でもないのに俺の水乙女を打ち消しやがった」
「そいつは企業秘密だ」
「そうかい、なら秘密を抱いたまま死にな!」
ホドロフスキーが矢継ぎ早に呪文を唱えると身体中の刺青が光を放ち、虎、豹、狼、熊、猿、大蛇、牛、象、鷹――。数多の獣が具現化して牙を剥いた。
このホドロフスキーという召喚術士はおのれの全身に複数の魔獣・妖獣を封印していたのだ。それこそが『百魔獣使』という異名の由来であった。
「ほう、たいした呪力――いや、魔力か。式神使いには式神でもって返礼しよう」
鬼一は式符を放ち、こちらも獣を象った式神を召喚。それも一体や二体ではない、いったいどこにそれほどの量の式符を隠し持っていたのか、三〇を超える式神が妖獣の群れを迎え撃つ。
船上を桜吹雪のごとく魔力と呪力、霊気、霊力、霊風がうなる。
帆柱がきしみをあげてしなり、それに張られた帆がはち切れんばかりになびく。
一進一退、互角の勝負をしていた式神たちの動きに変化が生じた。徐々に鬼一側の式神が優勢になってゆく。
ホドロフスキーの妖虎を鬼一の白鷺がついばみ、妖蛇は黒猪に喰われ、妖猿は赤馬のひづめに蹴りつぶされ、妖狼は青兎に首をはねられた。
「なぜだ!? なぜ一方的に押される、蹂躙される! ありえねぇ!?」
ホドロフスキーが鬼一の式神に秘められた術式に気づくことはできなかった。
鬼一は式符に五行の術を合わせて相生したのだ。虎も蛇も猿も十二支にある獣であり虎(寅)は木行、蛇(巳)は火行、申(猿)は金行にそれぞれあてはまる。そして鷺(酉)は金行、猪(亥)は水行、馬(午)は火行。
式神作成に練り込む呪力に五行の気をふくませることで十二支の五行に見立て、相生させることで式神の基本性能を高めるとともに相剋関係にある相手にぶつけて、戦いを有利にみちびいたのだ。
「……一摘みの影に潜みし・由旬の大蛇・天地を呑み干し・喰らえ」
ホドロフスキーの足元から伸びた巨影が法眼の上半身をおおい、ぞぶり、と噛んだ。
蛇だ。
齢千年を経た大樹のように太い胴体をした漆黒の大蛇が鬼一の上半身に噛みつき、喰いちぎった。
戦地より遠く離れた場所から木材や食糧を満載した船団はしかし、目的地にたどり着くことができなかった。
「出航した船がことごとく戻ってくるとはなにごとだ。しかも中には積み荷をなくしたものまであるというではないか!?」
対ロッシーナ連合軍を見限り、ロッシーナ側に協力して身の保身に走った港湾都市国家アンシムの政商ホジュは地団太を踏み、紫檀の机に拳を叩きつけた。
百年間に三センチしか成長しない紫檀はその美しさや珍しさから金と同じように高額で取り引きされていた。このホジュという人物の財力のほどが知れる。
このままでは徹底抗戦を主張していたアンシムの王族を殺害してまでして手に入れた地位と信頼を失いかねない。
「乗船していた者が言うには、ワッシャー島の近くまで来るとどこからともなく妖しい歌のような声が聞こえてきて、それに聞き惚れているうちに気づけば帰路についているとか……」
そばにひかえていた側近のひとりがそう答える。
「歌で人を惑わすとは、セイレーンではないか! そうだ、歌が耳に入らぬように綿でも詰めて栓をしてしまえ」
「はい、それはすでにこころみました。そうすると一〇隻中に一、二隻は妖しき歌の影響を受けずに進めるのですが、そのような船はやがて大量の鳥や虫に襲われ、船員はついばまれるわ刺されるわ、積み荷のうち食糧はむさぼり喰われるわでさんざんな目に遭うそうです」
「むぅ……、【蟲魔召喚】か?」
「いや、違う」
「むむ、なにやつ!」
いつのまにか執務室の中に見知らぬ青年の姿があった。東方武僧のように頭を剃り上げた短身痩躯の青年、鬼一法眼だ。
「嘯、あるいは長嘯。歌声や旋律、楽曲に呪力を込めた呪術で鬼神や風雨や鳥獣を召喚して意のままにあやつるほかにも人の精神に働きかける効果もある。アリフレテラの吟遊詩人の使う呪歌のようなものだ」
話しながらゆったりとした所作で手にした杯をかたむけ唇を濡らす。鬼一法眼、こともあろうに主のことわりもなく秘蔵の酒に手を出していた。
「そのような不思議な術を使う異世界の呪術師がマカロン側に加勢しているから、ロッシーナ勢は早々に故郷に帰るように」
「……なにものかと問うておる!」
ホジュの手が腰に帯びた新月刀へとのびる。この男は商人であると同時に海賊であり武人でもあった。
ロッシーナに寝返るためアンシムの王族を殺害したさい、その報復に挙兵した反ロッシーナ派の攻撃をロッシーナの援軍到着までひと月以上も持ち堪えたいくさ人である。
弁舌だけの商人とは異なる迫力が、本物の殺気を漂わせていた。
「淡旨! この酒はなかなかの美味じゃないか」
「それはカルタノ湖の名水で醸した銘酒だからな」
「おおう、これがうわさのカルタノ酒かぁ。うんうん、甘露、甘露。銘酒出處、必有良水。銘酒あるところにかならず良水ありとはこのことだ」
グイグイグビグビとまるで水でも飲むようにすいすいと喉に流し込み、いっぱいに満ちていた酒壷の中身はすぐに半分ほどになってしまった。
「しかし酒は命を削る鉋という言葉もあるし、ほどほどにしておこう」
「酒で縮む命の心配よりも……」
「ん?」
「たったいま命の危機に直面しておるわ、たわけー!」
新月刀が鞘走り白刃が鬼一の首を断たんとうなりをあげる。
「हूं(ウーン)」
鬼一の口から出た金剛夜叉明王の種字真言が鋼の刀身に変化をおよぼす。刃が蛇身となりホジュの喉へと喰らいつかんとする。
ホジュはとっさに片手で蛇の首をにぎり、毒牙を制す。
「金生水。金気の塊である刃には水が生じやすい。蛇は水気の生き物ゆえ変化もたやすい」
「な、なんと面妖な妖術!? 先ほどの言葉、異世界の呪術師というのはきさまのことか」
「いかにも、たこにも」
「…………」
「…………いまのは『いかにも』の『いか』と『たこ』をかけた地口だ」
「そんなことはどうでもいい! 異世界の呪術者がどうしてここにいる、目的はなんだっ!」
「上等な美酒と美姫を求めるのならば、その土地で一番の悪党で一番の金持ちの所に限る。ここならば王の一族を弑逆し侵略者に寝返った忘恩負義の奸賊ホジュの邸だと思ったからだ」
「おのれ舐めた口を……む、美姫といったな。きさま酒だけではなく我が邸の女たちにも手を出したのか?」
「あら~ん、鬼一さまったらこんな場所にいたのね」
「んもう、だまっていなくなるなんて、いけず~」
ホジュの誰何は嬌声に掻き消された。かこっている妾たちが乱入してきて目の色を変えて闖入者にしなだれかかっているではないか!
「こ、こらおまえたち。そんな得体の知れぬ妖術使いに色目を使うとはなにごとだ。おまえらの主人は私だぞ!」
「あは~ん」「うふ~ん」「ジュテーム」「アモーレ」
主人であるホジュの言葉などどこ吹くで鬼一に艶めかしくしなだれかかる。
あきらかに様子がおかしい、妖しげな術に囚われているようだ。
「きさま、わが妾どもになにをした!」
「なぁに、龍樹菩薩の真似をしてちょっとした悪戯をね」
龍樹、あるいは龍猛。龍樹菩薩、龍樹大士とも称される。
二世紀頃のインド仏教のバラモン(司祭)で、幼いころから天才的な学識をもっており、それを鼻にかけるところがあった。
龍樹は自分と同様に才能にあふれた三人の友を持っていたが、ある日のこと「学問の道は究めた。これからは快楽に尽くそう」と思い立ち。隠形の術をもちいて王宮に入り浸っては王の寵姫らに淫らなおこないをし、子を宿す者さえ出た。
これに驚き怒った王は龍樹らを捕らえようとするが隠形術の前に手出しができない。そこで一計を案じ、砂を門に撒いてその上にできた足跡を衛兵にたどらせて三人の友人を処断した。しかし王の影に身を潜めていた龍樹だけは発見されずに一命をとりとめた。
おのれの浅慮愚行に反省した龍樹はこれを機に仏教に帰依することになったという。
「この痴れ者めがっ!」
「オン・マリシ・エイ・ソワカ」
使い物にならなくなった新月刀を投げ捨てたホジュの手が壁にかけてあるマスケット銃へと伸びると同時に鬼一の口から呪が唱えられ、次の瞬間雷が落ちたかのような轟音が鳴り響き銃口から火箭が放たれた。
至近距離からの発砲。鬼一の身体に風穴が開いたかと思われたのだが、銃弾は鬼一の身体ではなく後ろの壁に穿たれた。
「なに!? よ、避けたというのか……」
「そいつは企業秘密だ」
鬼一法眼がもちいたのは実体のない陽炎が神格化した諸天の一柱、摩利支天の加護による隠形法。
しかし鬼一のそれは隠れるためにこの術を使ったわけではない。さらに高度な術式を組んで物理的な攻撃を無効化させたのだ。
「ロッシーナへの援助を続けるだけでもおまえは邪魔だ。ましてや王族を弑逆した不義理、没義道極まりない大逆人のおまえを殺さずにおく理由があるのなら説明してみろ」
壁に打ち込まれた鉛玉に手を伸ばしながら冷徹に言い放つ鬼一の姿を見るホジュの頬を冷や汗が滴り落ちた。
ロッシーナの陣に物資を届けるためにワッシャー島の近海を大量の輸送船団が走る。
内陸の広いナーロッパやロッシーナの地に住む多くの人々にとって、海というのはある種の異界だ。
海に馴れ親しんだ島国にすら「板子一枚下は地獄」という言葉がある。
まして海など見たこともないような遠い土地から連れて来られた兵士たちにはかすかな潮騒すら不安を掻き立てる不吉な騒音に聞こえ、兵士たちは不安と恐怖にさいなまれていた。
「……このいくさ」
「あ?」
立哨の番に立っているふたりの兵士のうちひとりが慣れない波音と心細さに耐えられず沈黙を破った。このふたりもまた海から遠く離れた土地の出身で泳ぎもろくにできない。
「このいくさは異世界の妖術使いや魔物が相手だって言うじゃないか」
「ああ、そのためにこっちも魔術師を多く募ったんだろ。この船にも乗ってるぜ」
「あてになるのかねぇ、なにせ相手はひと晩で山に城を築いたほどの神通力の持ち主だぞ」
「ひと晩ってのはガセだろ。三日はかかったそうじゃないか」
「なに言ってやがる、それでもじゅうぶんだ、人間業じゃねぇ」
「まあ、な」
「そんなバケモノがいる戦地に飛ばされるなんてついてねぇぜ、まったく」
ふたたび沈黙のとばりが落ちた、その時。
漆黒の夜景が一変し、あたりが明るく照らし出された。
甲板上に大きな光の球が浮いており、それが小さな太陽のように煌々と輝き、光を放っているではないか。
「なな、なんだ!?」
「ひえぇぇっ、敵襲か!?」
周章狼狽するふたりの前に光球を背にしてひとりの男が姿を見せる。浅黒く精悍な顔つきで全身に奇妙な文字や獣の刺青が掘られており、なんとも異様であった。
「くっくっく、おまえらが夜闇に怯えているようだったので、明るくしてやったのよ」
「そ、その光の球はあんたの魔術によるものなのか?」
「そうだ。――灯りて踊れ・明るく輝く・光の子らよ」
刺青の魔術師が呪文を唱えるとともに手を前につき出すと、掌の先に小さな魔法陣が生まれてそこから光球が浮かび上がり、煌々と行く手を照らす。
さらに一隻、二隻、三隻……。
もはや夜とは思えぬ、真昼の明るさにおどろいた乗船者たちが甲板に姿を見せ、喧騒につつまれた。
「聞けい、兵士たち。俺の名は百魔獣使のホドロフスキー。俺の魔術をもってすれば太陽を生み出し、闇を切り裂くこともたやすい。俺がいれば敵の妖術使いなぞ恐れるにたりない!」
味方の魔術師による思いがけない表演に兵士たちはやんや、やんやと拍手喝采。手を叩きながら、大声で褒め称え、つい先ほどまで不安にさいなまれていた兵士たちのあいだに安堵が広がる。
(魔法後進国のいなか者どもはちょろいものだな、光精程度でこんなに喜びやがる)
ホドロフスキーがほくそ笑み、満悦する。するとどこからともかく歌声が聞こえてきた。
比爱深的感情 海中産生
全部结束时也 我不输
在小星上 照射道
遥远的旅途 不迷道
比爱强的感情 调动我
空的话海的青 成为一个
请返回故乡 回来了 回来了 回来了……
聞いていると胸が熱く、せつなくなってくる。
帰りたい。
一刻も早く故郷に帰り、家族の顔や生まれ育った山河の姿を目にしたい。
「これは、呪歌か!? おまえら耳をふさげ!」
言葉のひとことひとことに呪力の込められた呪歌は聞く者の胸に望郷の念を起こさせ、故郷に帰りたいという衝動によってその場を立ち去らせようとした。
ワッシャー島の近くまで来るとどこからともなく妖しい歌声が聞こえてきて、それに聞き惚れているうちに気づけば帰路についている――。
うわさは本当だった。
兵士たちはあらかじめ指示されて持たされていた綿を耳に詰め呪歌に備える。
それでも呪歌の影響を受けた者たちがいて、船の針路が大いに乱れた。このままでは目的地であるロッシーナの陣にたどり着けないどころか浅瀬や岩礁に乗り上げて座礁しかねない。
「こしゃくな奴め、どこに隠れている! 忌まわしき魔眼の精・万里を見通す者よ・地の底より来たれ」
ホドロフスキーの呪文に応じて虚空に生じた魔法陣から一体の魔物が召喚された。ずんぐりとした肉の塊から短い四肢が伸び、直立したヒキガエルのような姿をしており、顔は一面剛毛に覆われていて表情が見えない。
「ヴィイよ、隠れる者を暴け!」
主の命令に従いヴィイが動く。顔を覆う剛毛が上下に開くとそこには巨大なひとつの目があった。この剛毛はまつ毛だったのだ。
剥き出しになったヴィイの単眼から一筋の金光が発せられ、あたりを透かし見る。すると舳先のあたりに光に照らされてなお黒くたたずむ霞のような人影があった。
「……そこか! 絶えることなき熾火・火中に棲むもの・群れなす火の粉となれ」
召喚された火蜥蜴の群れが光り輝く無数の火箭と化して舳先へと飛んだ。
「バン・ウン・タラク・キリク・アク!」
だが標的にあたる寸前、呪文と共に生じた結界にはばまれ火箭は雲散霧消する。
しかし隠形は解かれ、潜んでいた鬼一法眼の姿があらわになった。
「隠形している存在の正体を見抜く霊光天眼通の術! まさか異世界ファンタジー世界で食らうことになるとはな――」
天空朗月 不想同看
暗天吐闇 游蝠踏宙
夜魔招来 夜子来々
天鼠偏福 飛鼠偏福
鬼一の口からふたたび長嘯がつむぎ出されると、たちまち水平線上に巨大な黒雲がわき起こり、一瞬ごとに拡大していく。
「蝙蝠だ……!」
兵士のひとりがうめいた。数百数千匹の蝙蝠の群れが黒雲となって押しよせてきたのだ。
竜巻のような音をあげて黒々とした蚊柱ならぬ蝙蝠柱が船体をおおう。
コテングコウモリ、ユビナガコウモリ、ヒナコウモリ、ヤマコウモリ、アブラコウモリ、ノレンコウモリ、カグヤコウモリ、ヒメホオヒゲコウモリ、クビワオオコウモリ――。
鬼一のいた世界ではそのように呼ばれる大小無数の蝙蝠の群体。
一匹一匹はたいした大きさでも脅威でもないが、集団で飛んでこられてはたまらない。
顔や手足をかじられ、むしられるだけにとどまらず、羽ばたきによって生じられた風圧に吹き飛ばされて海上に落ちそうになった兵士たちは船内へとわれ先に逃げ出した。
ただひとり残ったホドロフスキーは蝙蝠の嵐の中でも悠然としている。全身に彫られた刺青が燐光を放っており、そこに込められた呪的効果が鳥獣の害をふせいでいるのだ。
「奇怪な妖術で船を惑わし、魔獣を呼び積み荷を奪っているの間違いなくおまえの仕業だな! 清流に住まう乙女・冷たきその身をもって・死の抱擁を与えよ」
先手をとったのはホドロフスキー。
召喚された水乙女たちがその身を激流に変えて押し寄せる。その水圧による衝撃もさることながら、彼女たちは陸上生物の鼻や口に浸入し、肺を満たして水死させることができる。
「土剋水!」
奇しくもここ最近はナミ相手に水霊術の相手を飽きるほど繰り返してきた鬼一である。微塵も動じずに五行の理を以って相手の水霊術を相剋。
「……なんだぁ、その術は。解呪でも駆逐でもないのに俺の水乙女を打ち消しやがった」
「そいつは企業秘密だ」
「そうかい、なら秘密を抱いたまま死にな!」
ホドロフスキーが矢継ぎ早に呪文を唱えると身体中の刺青が光を放ち、虎、豹、狼、熊、猿、大蛇、牛、象、鷹――。数多の獣が具現化して牙を剥いた。
このホドロフスキーという召喚術士はおのれの全身に複数の魔獣・妖獣を封印していたのだ。それこそが『百魔獣使』という異名の由来であった。
「ほう、たいした呪力――いや、魔力か。式神使いには式神でもって返礼しよう」
鬼一は式符を放ち、こちらも獣を象った式神を召喚。それも一体や二体ではない、いったいどこにそれほどの量の式符を隠し持っていたのか、三〇を超える式神が妖獣の群れを迎え撃つ。
船上を桜吹雪のごとく魔力と呪力、霊気、霊力、霊風がうなる。
帆柱がきしみをあげてしなり、それに張られた帆がはち切れんばかりになびく。
一進一退、互角の勝負をしていた式神たちの動きに変化が生じた。徐々に鬼一側の式神が優勢になってゆく。
ホドロフスキーの妖虎を鬼一の白鷺がついばみ、妖蛇は黒猪に喰われ、妖猿は赤馬のひづめに蹴りつぶされ、妖狼は青兎に首をはねられた。
「なぜだ!? なぜ一方的に押される、蹂躙される! ありえねぇ!?」
ホドロフスキーが鬼一の式神に秘められた術式に気づくことはできなかった。
鬼一は式符に五行の術を合わせて相生したのだ。虎も蛇も猿も十二支にある獣であり虎(寅)は木行、蛇(巳)は火行、申(猿)は金行にそれぞれあてはまる。そして鷺(酉)は金行、猪(亥)は水行、馬(午)は火行。
式神作成に練り込む呪力に五行の気をふくませることで十二支の五行に見立て、相生させることで式神の基本性能を高めるとともに相剋関係にある相手にぶつけて、戦いを有利にみちびいたのだ。
「……一摘みの影に潜みし・由旬の大蛇・天地を呑み干し・喰らえ」
ホドロフスキーの足元から伸びた巨影が法眼の上半身をおおい、ぞぶり、と噛んだ。
蛇だ。
齢千年を経た大樹のように太い胴体をした漆黒の大蛇が鬼一の上半身に噛みつき、喰いちぎった。
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