彼氏の優先順位[本編完結]

セイ

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6.二人の距離

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倉橋くんと浅井さんに話を聞いて貰って家に帰るとスマホの着信が凄いことになっていた事を知った。

「うあぁ~……着信凄いことになってる~青衣くんごめんなさい~泣」

着信34件
LIME25件

"青空今何処にいる?"
"マンションの下に居るけど顔見て話したい"
"家にちゃんと着いてる?"
"何で電話出てくれないの?"
"俺の事嫌いになった?"
"着信に気付いたら連絡ください"

とても心配させてしまった…。
僕も顔見て話したい。けどまだ頭の中整理できてないから話しても支離滅裂な感じになっちゃうかも。
それに今電話して青衣くんの声聞いたらまた泣いちゃいそう…。
それこそ青衣くんに心配させて困らせちゃう…かも?
なんて理由をつけて話をするのを先延ばしにしてる…。
情けない。

「ちゃんと話さなきゃいけないのは分かってるけど…面倒くさい奴って思われるのはヤダ…うぅ…」

またウジウジ考え始めたら止まらなくなって気がついたらいつの間にか朝になってた。

「はぁ…どんな顔して会えばいいんだろ…」

急いで制服に着替えて家を出る。
マンションの入口で青衣くんが待ってるのが見えた。
あれ?今日は茜くんが居ない…。

青衣くんの顔…ちょっと怒ってる?
あ、結局連絡してなかった!!そりゃ誰でも怒るよね…!
うぅ~…僕の馬鹿!!

「あ…おはよう…昨日は連絡返せなくてごめんね?家帰って直ぐに寝ちゃったから……」

嘘ついちゃった…。
どうしよもないな僕…。

「…昨日…あの後ファミレスで倉橋と会ってたよな?」

え…何で知ってるの!?
嘘ついたのバレてるじゃん!!
きっと呆れてるよね。
これじゃあ嫌われる路線一択じゃん!!
自分で墓穴掘るとか何やってんの…。

「……っ」

何か言わないと…!!嫌われたくない!!

「俺に何かあるなら言って欲しい…」

そう言いながら僕の手を掴んた青衣くんの手は震えてた。
緊張で冷たくなった僕の手をしっかりと掴んでくれた手は温かくてまた泣きそうになった。青衣くんの言った言葉は僕を責める言葉ではなかったから…。

「あ…あのっ…その……倉橋くんはたまたま行ったファミレスでバイトしてて……その……」

そんな事言いたいんじゃなくて…これじゃあ浮気して問い詰められて言い訳してるみたいじゃん!!僕って馬鹿なの!?

誰か助けてぇ~!!泣

「…おい、道のど真ん中で何してる。遅刻すんぞ。」

倉橋くん!!救世主!!

「あ…倉橋くんおはよう……」

「倉橋には関係ねぇだろ。さっさと消えろ!」

え!?何でそんな喧嘩腰なの!?
二人って仲悪かった?

「……はぁ…めんどくせぇ…」
「うわぁ…光輝ってそんな嫌われてるの~?」

倉橋くんの後ろに居たのは浅井さんだった。
手を振りながら挨拶をする浅井さんは何か楽しげだ。

「青空くんおはよ!!」
「浅井さんおはようございます…」

「君たち早くしないと遅刻しちゃうよ~。一緒に行こっか?」

青衣くんとの話も中途半端に浅井さんの強制で4人で登校することになり、話が有耶無耶になってしまった…。
ちゃんと話したかったのに僕が馬鹿なせいで言いたいこと何も言えなかった…。
自己嫌悪で青衣くんの顔が見れない…。

4人もいるのに全員無言で登校とか空気が重すぎるっ!と思ってたら浅井さんが青衣くんに話しかけた。

「彼氏君さぁ……もうちょっと周りも見なきゃ駄目だよ?」
「?」
「青空くんが可哀想」
「!!」

浅井さんそれは違うんです。僕がちゃんとしてないのが悪いんですっ!!青衣くんが悪いわけじゃないんですっ!!
って言いたかったのに倉橋くんに目線で何も言うなって止められた気がした。

僕が我儘言わなければ…いつも通りの朝だったのかなぁ…。
茜くんと三人で登校して、笑い合ってたのかなぁ。

昨日から青衣くんの笑い声聞けてなくて淋しい…。
結局何も話せず気不味いまま学校に着いてしまった…。

「……青空放課後教室行くから話の続きをしよう?俺に何かあるなら正直に話して欲しい…。青空とずっと気不味いままなのは嫌だ。」

青衣くんも同じ事思っててくれた!!
ちゃんと話をしよう!自分の気持ちも全部!

「……わかった。ありがとう……」

青衣くんとはクラスが別だからここでお別れ。
倉橋くんと教室へ向かった。

よりによって大事な放課後にあんな事になるとは思ってもみなかった。

僕は本当に迷惑しかかけない面倒な奴だ…。










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