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8.二人の距離③
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教室へ戻ると青衣くんは既に待っていた。
茜くんも一緒みたい。
「待たせてごめんなさいっ!」
慌てて謝ったけどその顔は険しかった…。
「…何で倉橋と一緒なの?二人で何処に行ってたんだよ?」
青衣くんが気になったのは倉橋くんらしい。
「…あ…あのトイレ行ったら先生に呼ばれたのを呼びに来てくれて…」
「……俺を気にせず話せばいい。夏目もさっさと言っちまえばいい」
な…倉橋くんこの空気で話せると思ってるの!?
たまには空気読んでよぉ~!!
「なんでお前にそんな事いわれなきゃいけないんだよ。お前関係ねぇだろ!?」
「青衣ももうちょっと抑えて!!話せるもんも話せなくるだろが!!」
「…っ」
これ話出来る雰囲気じゃないんだけどどうしたらいいの…?
「話し合いは進んでるかーい?」
この空気をぶち壊したのは浅井さんだった…。
今は有り難いけどこれどうしたらいいの?
「青空くんは大丈夫だったかな?間に合った?」
これはあの呼び出しの事を知ってるのかな!?何で!?
「ちょっと見かけたから光輝に行ってもらったんだけど」
浅井さんの指示だったんだ…。お陰で特に何もなく帰ってこれたのは良かったけど…。
「あ…大丈夫でした」
「何で浅井先輩まで来てるんすか?俺達の事に関係ないでしょ?」
「それが関係あるんだよねぇ…相談されたのは僕だし、青空くんを守ってきたのは光輝だしね?」
あ…!!これ今までの言っちゃうやつ?知られたくないのに…。
「どういう事だよ?」
「周り見ろって言ったでしょ?」
「?」
「君たちはどうも周りからどう見られているかわかってて放置してるね?それで誰が被害被っているのかもわかってない」
青衣くんも茜くんも何言われてるかわからない顔しながら僕の顔を見る。
「青空何かあったのか?」
「青空くん…」
…正直に言うには色々ありすぎてどうしたらいいかわからない。
僕が言い淀んでいると倉橋くんが話始めてしまった。
「夏目はお前たちを好きな女どもに呼び出されて色んな事言われてんだぜ?たまに怪我もする事されたりな。それを俺はたまたま見かけちまったから助けるようになったお前たちの代わりにな」
「…は?青空なんでいわなかった?」
「そ…それは…青衣くんに迷惑かけたくなくて…」
「俺に言わずに倉橋に助けを求めることを選んだのか?」
「あ…ごめ…」
「君が青空くんを責めるの間違ってるのわかってないね?」
僕が謝るのを遮って浅井さんが青衣くんに返事をする。
「どういうことだ?」
「僕はこの教室にたまに来るけどたった数回で君たちがどんな風に見られているか、青空くんがどんな視線を向けられてるかもわかったよ。とても良くね」
「……」
「君たちの噂は知ってるかな?」
「俺達の噂?」
「実は二人は付き合っていてそこに入り込んだ地味男がいるってさ」
「「!?」」
「それでちょくちょく呼び出されては二人は本当に付き合ってるのか?やらお前は邪魔だ。なんて言われ続けてるってのに二人は一緒に居ることが常で?恋人同士のようにイチャイチャしてればそんなん自分に自信なくなっちゃうに決まってんじゃんね?青空くん」
全部浅井さんに言われてしまった…。
自分の言葉でも言わなくては何も伝わらないよね?
「青衣くんが僕の事を好きって言ってくれるし、茜くんがただの幼馴染だって事は一緒に居て良くわかってるんだけど…それでも二人の仲の良さにどうしても嫉妬しちゃうの…僕が青衣くんと二人きりになるのも少ないし、いつも茜くんありきの行動ばかりで…だから茜くんちにご飯のお誘いしてもらってもなんか二人の仲が良いことを益々見せつけられてるようで…どうしても一緒に行けなかった…二人の都合も考えずにこんな事思ってごめんなさい…」
最後は涙が抑えきれなかった…。
こんな事で嫉妬して…自分の事すら一人で解決出来ずに周りに迷惑ばかりかけて…自己嫌悪でいっぱいになる…。
「あ…青空が謝ることじゃないだろ?これはどう見ても俺達が悪い…怪我って今は何ともないか…?」
「青空くん俺も…ごめんね?男同士で付き合うなら一緒に居る男も尚更気になっちゃうよね…」
二人に謝られてしまった…これは僕の覚悟が足りないだけなんだ…。
「夏目…お前また自分が悪いとか思ってんな?」
「…あ…でも…」
「お前が誰に嫉妬しようがそれは仕方ない感情かもしれないが、お前が女どもから何かされるのは別問題だからな?それがきっかけで自分の気持ちに自信持てなくなったのだってそうだ」
倉橋くんの話を聞いて青衣くんは僕を強く抱きしめてくれた。
「俺は青空が好きだ。茜は俺の兄弟みたいなもので…愛したいのは青空だけなんだ…誰にも取られたくないと手放したくないと思うのは青空だけだ。それだけは信じて欲しい。他の奴が
言う事なんて聞かなくていい。言い訳みたいだけど青空といるとどうしてもくっついていたくて襲っちゃいそうで…青空との約束があったし、茜が一緒にいれば青空襲う事はないかなってただ自分勝手な思いで青空を悲しませたら意味ないな…ホント…」
「うん。茜くんからも聞いた」
「…俺の知らない所で茜から何聞いたんだよ…恥ずかしいな…」
「あの…この事で茜くんと過ごさなくなるのは駄目だからね?茜くんは青衣くんの大事な友達でしょ?僕はちゃんと青衣くんのの気持ちも茜くんの気持ちもわかったからもう大丈夫だから!!ね?」
「…青空…ありがと…」
僕の気持ちも言えてスッキリしたし、青衣くんの気持ちも聞けてよかったし仲直りできたし良かった!!
って思ったら浅井さんからまだある問題を指摘された。
「取り敢えず話纏った?じゃあ次は嫉妬に燃える女子をどうにかしなよねいい加減光輝をボディガードに貸すの嫌なんだよね」
「え!!あ、ご…ごめんなさいっ!!」
「青空くんは謝らなくていいよ~。悪いのはそこの彼氏君なんだし」
「浅井先輩と倉橋はどういう関係なんてすか?」
「青衣くん。浅井さんと倉橋くんは恋人同士だよ?」
「え!?」
「だから光輝に嫉妬する必要全くないんだよね」
「……すんません…取り敢えず女子に関してはどうにかする算段つけてるんで大丈夫っす。青空も明日放課後教室で待っててな」
「え…うん」
放課後に何するつもりなんだろ…?
茜くんも一緒みたい。
「待たせてごめんなさいっ!」
慌てて謝ったけどその顔は険しかった…。
「…何で倉橋と一緒なの?二人で何処に行ってたんだよ?」
青衣くんが気になったのは倉橋くんらしい。
「…あ…あのトイレ行ったら先生に呼ばれたのを呼びに来てくれて…」
「……俺を気にせず話せばいい。夏目もさっさと言っちまえばいい」
な…倉橋くんこの空気で話せると思ってるの!?
たまには空気読んでよぉ~!!
「なんでお前にそんな事いわれなきゃいけないんだよ。お前関係ねぇだろ!?」
「青衣ももうちょっと抑えて!!話せるもんも話せなくるだろが!!」
「…っ」
これ話出来る雰囲気じゃないんだけどどうしたらいいの…?
「話し合いは進んでるかーい?」
この空気をぶち壊したのは浅井さんだった…。
今は有り難いけどこれどうしたらいいの?
「青空くんは大丈夫だったかな?間に合った?」
これはあの呼び出しの事を知ってるのかな!?何で!?
「ちょっと見かけたから光輝に行ってもらったんだけど」
浅井さんの指示だったんだ…。お陰で特に何もなく帰ってこれたのは良かったけど…。
「あ…大丈夫でした」
「何で浅井先輩まで来てるんすか?俺達の事に関係ないでしょ?」
「それが関係あるんだよねぇ…相談されたのは僕だし、青空くんを守ってきたのは光輝だしね?」
あ…!!これ今までの言っちゃうやつ?知られたくないのに…。
「どういう事だよ?」
「周り見ろって言ったでしょ?」
「?」
「君たちはどうも周りからどう見られているかわかってて放置してるね?それで誰が被害被っているのかもわかってない」
青衣くんも茜くんも何言われてるかわからない顔しながら僕の顔を見る。
「青空何かあったのか?」
「青空くん…」
…正直に言うには色々ありすぎてどうしたらいいかわからない。
僕が言い淀んでいると倉橋くんが話始めてしまった。
「夏目はお前たちを好きな女どもに呼び出されて色んな事言われてんだぜ?たまに怪我もする事されたりな。それを俺はたまたま見かけちまったから助けるようになったお前たちの代わりにな」
「…は?青空なんでいわなかった?」
「そ…それは…青衣くんに迷惑かけたくなくて…」
「俺に言わずに倉橋に助けを求めることを選んだのか?」
「あ…ごめ…」
「君が青空くんを責めるの間違ってるのわかってないね?」
僕が謝るのを遮って浅井さんが青衣くんに返事をする。
「どういうことだ?」
「僕はこの教室にたまに来るけどたった数回で君たちがどんな風に見られているか、青空くんがどんな視線を向けられてるかもわかったよ。とても良くね」
「……」
「君たちの噂は知ってるかな?」
「俺達の噂?」
「実は二人は付き合っていてそこに入り込んだ地味男がいるってさ」
「「!?」」
「それでちょくちょく呼び出されては二人は本当に付き合ってるのか?やらお前は邪魔だ。なんて言われ続けてるってのに二人は一緒に居ることが常で?恋人同士のようにイチャイチャしてればそんなん自分に自信なくなっちゃうに決まってんじゃんね?青空くん」
全部浅井さんに言われてしまった…。
自分の言葉でも言わなくては何も伝わらないよね?
「青衣くんが僕の事を好きって言ってくれるし、茜くんがただの幼馴染だって事は一緒に居て良くわかってるんだけど…それでも二人の仲の良さにどうしても嫉妬しちゃうの…僕が青衣くんと二人きりになるのも少ないし、いつも茜くんありきの行動ばかりで…だから茜くんちにご飯のお誘いしてもらってもなんか二人の仲が良いことを益々見せつけられてるようで…どうしても一緒に行けなかった…二人の都合も考えずにこんな事思ってごめんなさい…」
最後は涙が抑えきれなかった…。
こんな事で嫉妬して…自分の事すら一人で解決出来ずに周りに迷惑ばかりかけて…自己嫌悪でいっぱいになる…。
「あ…青空が謝ることじゃないだろ?これはどう見ても俺達が悪い…怪我って今は何ともないか…?」
「青空くん俺も…ごめんね?男同士で付き合うなら一緒に居る男も尚更気になっちゃうよね…」
二人に謝られてしまった…これは僕の覚悟が足りないだけなんだ…。
「夏目…お前また自分が悪いとか思ってんな?」
「…あ…でも…」
「お前が誰に嫉妬しようがそれは仕方ない感情かもしれないが、お前が女どもから何かされるのは別問題だからな?それがきっかけで自分の気持ちに自信持てなくなったのだってそうだ」
倉橋くんの話を聞いて青衣くんは僕を強く抱きしめてくれた。
「俺は青空が好きだ。茜は俺の兄弟みたいなもので…愛したいのは青空だけなんだ…誰にも取られたくないと手放したくないと思うのは青空だけだ。それだけは信じて欲しい。他の奴が
言う事なんて聞かなくていい。言い訳みたいだけど青空といるとどうしてもくっついていたくて襲っちゃいそうで…青空との約束があったし、茜が一緒にいれば青空襲う事はないかなってただ自分勝手な思いで青空を悲しませたら意味ないな…ホント…」
「うん。茜くんからも聞いた」
「…俺の知らない所で茜から何聞いたんだよ…恥ずかしいな…」
「あの…この事で茜くんと過ごさなくなるのは駄目だからね?茜くんは青衣くんの大事な友達でしょ?僕はちゃんと青衣くんのの気持ちも茜くんの気持ちもわかったからもう大丈夫だから!!ね?」
「…青空…ありがと…」
僕の気持ちも言えてスッキリしたし、青衣くんの気持ちも聞けてよかったし仲直りできたし良かった!!
って思ったら浅井さんからまだある問題を指摘された。
「取り敢えず話纏った?じゃあ次は嫉妬に燃える女子をどうにかしなよねいい加減光輝をボディガードに貸すの嫌なんだよね」
「え!!あ、ご…ごめんなさいっ!!」
「青空くんは謝らなくていいよ~。悪いのはそこの彼氏君なんだし」
「浅井先輩と倉橋はどういう関係なんてすか?」
「青衣くん。浅井さんと倉橋くんは恋人同士だよ?」
「え!?」
「だから光輝に嫉妬する必要全くないんだよね」
「……すんません…取り敢えず女子に関してはどうにかする算段つけてるんで大丈夫っす。青空も明日放課後教室で待っててな」
「え…うん」
放課後に何するつもりなんだろ…?
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