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茜の出会い編
10.大好きな距離
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投稿の予約を間違えてこの時間になってしまいました…。すみません。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
ちょっと想定外の問題があったが、玲央と会えたらそこからは癒しの時間で幸せすぎた。
玲央の可愛い顔も見れたし、触れ合いもしたし、抱きしめあったし…。もう幸せしかなかった…!!
教室へ戻ると青衣と青空くんに声をかけられた。
「…大丈夫だった?」
「青空くんマジサンキュ!!」
「ううん。別にいいけど。玲央くんに心配かけたくないでしょ?もっと気をつけないと!!僕たちも手伝うから!」
マジあれをどうにかしないと玲央と付き合えないな…。
玲央と会ってる時に突撃されたらたまったもんじゃない…。
考えとかないと。
そんな事を考えていたら玲央からのメッセージが届いた。
"また明日会えますか?お昼休み図書室で待ってます。"
また明日も会える!!もちろんOKの返事をした。
今日に続いて明日も学校に来ることは今までの事を考えると凄い事なのでは?不登校になる程学校に来るのを拒んでいた玲央にとって学校に来るということは…俺に会いに来てくれていると…自惚れてもいいのかな?
これはもう脈アリなのでは!?返事を聞ける日は近いかもしれない。
明日も慎重に会いに行かなくては…。二人の時間を邪魔されないように…。
「明日も玲央と会うからまた変なの動き出したら連絡くれない?」
一応青衣たちにお願いしておいた。
念の為。何があるかわからないしね。
青空くんは快くOKしてくれた。
次の日まさかあんな事になるとはこの時誰もが思ってもいなかった。
昼休みになると俺は弁当を持って駆け出した。
昨日は少し遅れて不安にさせてしまったから今日は早めに行って安心させてやりたかった。
走りながら後ろを確認しながら慎重に図書室まで行く。
図書室に入ると玲央が待っていた。
ふわりと微笑んだ玲央はやっぱり天使のようだ。
可愛すぎて思わず抱き込んでしまった。
「今日は…早…かったです…ね?」
「ん…昨日よりも長い時間を過ごしたかったから。」
更に強く抱きしめ頭にキスを落とす。
「あ…あの茜…くん…僕…昨日言い…忘れた…事があって…」
「うん…?」
「僕…」
ガラッ
「茜くん…何であたしじゃなくてそんな男抱きしめてんの?」
撒いたと思った女が図書室に入ってきた。
上手く隠れていやがったな…。
くそっ…玲央を知られてしまった…。
「茜くんにはそんな男似合わないよ…。あたしの方が茜くんに何でもしてあげられるよ?あたしと付き合おうよ!!ねえ!!」
玲央を背に庇いながら女に向き直ると俺の胸元に手をつきながら喚き始めた。
「お前には関係ねぇだろ!!俺はお前に何かして欲しいなんてこれっぽっちも思わねぇし、俺が玲央に何でもしてやりてぇって思ってんだよ。俺と玲央の間に入ってくんな!!」
「何それ!!ちょっとアンタ!!後ろで隠れてないで消えなさいよ!!邪魔よ!!」
「お前がどっかいけよ!!お前が邪魔だ!!俺が何処行くにもちょろちょろしやがって!!このストーカーが!!警察突き出すぞ!!」
「ストーカーじゃないもん!!彼女だもん!」
「お前と付き合ったことなんて一度もねぇよ!!キモい勘違いすんな!!」
くそっ何でこんな女と会話しなきゃなんねぇんだよ!!俺は玲央とひっそりと時間を過ごしたかっただけなのにっ!!
背中にくっつて服を握りしめる玲央の手が震えている。
俺は女と対峙しながらゆっくり後退しながら準備室の前まで来ていた。
「玲央…ごめんな…準備室でちょっと待っててくれ…」
「あ…茜くん…」
「すぐ戻るから中で待ってて…な?」
心配そうな顔してる。玲央を片手で抱きしめながらおでこにキスを送って準備室へ入れる。
「やっとあたしと付き合う気になってくれたの?早速二人きりになってくれるなんて…」
マジキモい…。
さて…この勘違い女どうすっか…。職員室まで行くか…。
玲央を一人にするのもな…。
「やっ…何処連れてくの!?痛い!!もっと優しくしてよぉ!」
あぁ~キモい!!優しくする気も起きない俺は女の腕を掴んで職員室まで引き摺って行く。
その間に青衣にメッセージを送る。
"すまん青衣にお願いがある。今女に邪魔されて職員室まで引き摺ってる最中。図書室に玲央いるから青空くん連れて一緒に居てやって欲しい。俺は女片付けてから行く。"
"了解"
青衣と青空くんなら察して玲央に説明してくれるだろう…。
あーもう!なんでこうなるかなぁ…。俺日頃の行い悪かった?
玲央の話途中だったし、最悪!!
「先生!!この女の親呼んでくんない?ストーカーで訴える!!」
「え!?は!?急に何言ってんだ宮嶋…。」
職員室に入った俺は担任の先生を見つけ女を突き出す。
「だから!!ストーカー被害で訴えるって言ってんの!!この女何も聞きゃしねぇから親呼んでって言ってんの」
「あたしストーカーなんてやってない!!茜くんの害になるやつを…!!」
「お前…ふざけんなよ…。玲央は害じゃない…。大切な人を害呼ばわりすんなよ…。お前の方が俺にとって害だ」
「宮嶋…落ち着け…」
「落ち着いてられるかよ!!今だって大切な人との時間無駄にしてんだよ!!こいつのお陰で!!先生今はこいつ引き取って何処にも行けないようにしといてよ。俺大事な用事があるから。こいつに邪魔されたらたまったもんじゃない。親で足りないなら校長でも何でも呼んで停学処分にしてくれてもいいんだけど?」
「またアイツに会いに行くの!?あんな引きこもりのクソ野郎のどこがいいのよ!!」
俺は頭にカッと血が登り女の顎を掴んむ。
「テメェそれ以上その口開いてみろ…。ぶっ殺すぞ…」
思ってたよりも低い声が出てしまった。
余程怖かったのかガクガクと震え床に座り込んでしまった。
「学校でしかも先生の前で言う台詞じゃないなぁ」
「ふん!実際に殺るわけじゃねぇし。被害被ってんのこっちだし」
「こっちはどうにかしておく親の方には厳重注意しておくから…」
「改善されない場合こっちは弁護士立てて訴える旨もよろしく」
「…わかった伝えておく」
急いで図書室へと向かう。
あー…玲央大丈夫かなぁ…。
嫌われてないと…いいな…。
ガラッ
「玲央!!」
「!!」
玲央は俺の顔を見ると走って来てギュッと抱きついてきた。
少し目元が赤い…。
「…っ心配…しましたっ…」
「…ごめんね?」
準備室から青衣と青空くんが出てきた。
一緒に居てくれたようだ。
「…二人ともごめんね…ありがとう…」
「んーん…僕たちは全然ヘーキだけど…図書室きたら玲央くん泣いてるし…びっくりしちゃった…」
「…その女どうしたんだ?」
さっきまでの事を簡単に説明すると青空くんはプンプンと怒ってくれたし、青衣は拳握りしめて今にも殴りに行きそうな雰囲気だ。いい友達を持った。
青衣なんかは普段は文句を言うことが多いけど周りをよく見て手助けしてくれる事が多い。仲間思いのいい奴なんだ。
今回だってきっと青空くんとイチャイチャしたかっただろうけど文句も言わず助けてくれたし。
青空くんは言わずもがな。玲央のことも心配だったろうし、俺が青衣の親友ってだけで無条件で優しくしてくれる節がある…。
「僕たちはそろそろ戻るけど…二人はゆっくりしてて大丈夫だよ。司書さんにも言っておくからさ。」
「…ありがとう青空くん」
そう言って二人は教室へ戻って行った。
まだ俺の腕の中で泣き続ける玲央を膝の上乗せ椅子に座る。
「玲央…もう何処にも行かないから泣き止んでくれ…お前が泣いてるとどうしたらいいかわからなくなる…」
「…ごめ…なさい…」
「さっきはごめんな…?昔から女とかに付き纏われる事とか多くて…玲央と会う時には気をつけてここまで来たつもりだったんだけど…。甘かった…」
「…さっき…女の…子と…言い争って…いた…けど…そのまま…帰って…こなかった…ら…どうしようかと…」
「ちゃんと帰ってきたろ?俺は玲央と一緒に居たいから…あのまま出てきちゃって玲央が泣いてないか凄く心配したし…実際泣いてるし…俺…玲央を悲しませないって思ってたけど結局泣かせたし…嫌われちゃった?」
「き…嫌いに…なりません…。守って…もらった…し…僕の事…好き…なの…伝わって…きて…嬉し…かったです…」
「ホッ…良かった。さっきも言ったけど俺が何かしてあげたいって思うのも、大事に守りたいのも全部玲央だけだ。好きなのは玲央だけなんだよ…」
ギュッと抱きしめながら玲央の耳元で囁くと玲央はビクリと身体が跳ねたが、俺の腕の中で大人しくしている。
「…僕も茜くんが大好きです。こんな情けない僕を好きでいてくれてありがとう…」
泣きながら俺の目をしっかりと見ながら…いつもと違って言葉も吶ることも無くしっかりと言い切ってくれた玲央。
おまけに俺の顔を小さな両手で包むとそのままキスをくれた…。
玲央からの告白とキスに少し思考停止してた…。
「え…ホントに…?俺も大好きだ!!恋人になってくれますか!?」
少し食い気味になってしまったが返事が欲しくて凄い勢いで聞いてしまった…。
「はい…僕でよければ…」
「ぃやったー!!」
俺は嬉しすぎて玲央抱きしめながら立つとその場でぐるぐると回ってしまった。
「ひっ…あ…茜くん!!」
「嬉しい~!!めっちゃ嬉しい…!!玲央ありがとう!!俺を好きになってくれて…」
「そ…れは…僕…の台詞…だよ。僕…なんか…を好き…になって…くれ…てありがと…」
嬉しすぎて顔中にキスの雨を降らした。
沢山のキスに顔を赤くする玲央も可愛くて益々止まらなくて
最後に唇に深いキスを送る。
「…っふ…っあ…んぅ…」
息が続かないのか息を求めて口を開けるがそれを更に塞ぐ。
漏れる声が可愛くて…エロくて…身体が熱くなるのを感じた。
キスが終わるとクタりと力が抜けて俺にもたれ掛かる。
はふはふと息を頑張ってする玲央が可愛くて…これ以上は…と自分の欲望を止めるのに苦労した。
晴れてお付き合いする事になったわけだが、暫く会うのは喫茶店で…ということになった。今回みたいにはなりたくなかったし、二人でゆっくりしたかったから。
青衣たちには喫茶店に呼んで玲央と二人で報告した。
告白された時は普通に話してたけど、完全に治ったわけではないらしい…。普段は元の吃音症に戻ってしまった。徐々に治れば良い。そんなのは些細な事だ。喋れないわけではないのだから。俺は気にしないし、それも玲央の可愛さだと思っている。
たまに青衣たちとWデートするのもいいな。
可愛い子たちの戯れを見るのも楽しい。
そうしてちょっとずつ玲央が外に出ることに楽しみが増えるといいと思う。
あの女は停学処分になった。
先生はキチンとあの女の親に連絡を取り俺の意思をハッキリ伝えてくれたらしい。うちの子はそんな事しませんって抵抗したらしいが、弁護士の話になると大人しくなったみたい。
これで大人しくなってくれたらいいけどな。
今日も喫茶店へ向かって、可愛い恋人に会いに行く。
俺の初恋は無事に成就したが、この先も玲央に嫌われない様に頑張っていこう。
茜編も完結しました。この後は倉橋カップルの話にするか、番外編で2カップルのその後にするか…悩んでおります…。番外ストーリーは書きたいものはたくさんありますが…。そのうち少しずつ書いていければいいなと思ってます。
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ちょっと想定外の問題があったが、玲央と会えたらそこからは癒しの時間で幸せすぎた。
玲央の可愛い顔も見れたし、触れ合いもしたし、抱きしめあったし…。もう幸せしかなかった…!!
教室へ戻ると青衣と青空くんに声をかけられた。
「…大丈夫だった?」
「青空くんマジサンキュ!!」
「ううん。別にいいけど。玲央くんに心配かけたくないでしょ?もっと気をつけないと!!僕たちも手伝うから!」
マジあれをどうにかしないと玲央と付き合えないな…。
玲央と会ってる時に突撃されたらたまったもんじゃない…。
考えとかないと。
そんな事を考えていたら玲央からのメッセージが届いた。
"また明日会えますか?お昼休み図書室で待ってます。"
また明日も会える!!もちろんOKの返事をした。
今日に続いて明日も学校に来ることは今までの事を考えると凄い事なのでは?不登校になる程学校に来るのを拒んでいた玲央にとって学校に来るということは…俺に会いに来てくれていると…自惚れてもいいのかな?
これはもう脈アリなのでは!?返事を聞ける日は近いかもしれない。
明日も慎重に会いに行かなくては…。二人の時間を邪魔されないように…。
「明日も玲央と会うからまた変なの動き出したら連絡くれない?」
一応青衣たちにお願いしておいた。
念の為。何があるかわからないしね。
青空くんは快くOKしてくれた。
次の日まさかあんな事になるとはこの時誰もが思ってもいなかった。
昼休みになると俺は弁当を持って駆け出した。
昨日は少し遅れて不安にさせてしまったから今日は早めに行って安心させてやりたかった。
走りながら後ろを確認しながら慎重に図書室まで行く。
図書室に入ると玲央が待っていた。
ふわりと微笑んだ玲央はやっぱり天使のようだ。
可愛すぎて思わず抱き込んでしまった。
「今日は…早…かったです…ね?」
「ん…昨日よりも長い時間を過ごしたかったから。」
更に強く抱きしめ頭にキスを落とす。
「あ…あの茜…くん…僕…昨日言い…忘れた…事があって…」
「うん…?」
「僕…」
ガラッ
「茜くん…何であたしじゃなくてそんな男抱きしめてんの?」
撒いたと思った女が図書室に入ってきた。
上手く隠れていやがったな…。
くそっ…玲央を知られてしまった…。
「茜くんにはそんな男似合わないよ…。あたしの方が茜くんに何でもしてあげられるよ?あたしと付き合おうよ!!ねえ!!」
玲央を背に庇いながら女に向き直ると俺の胸元に手をつきながら喚き始めた。
「お前には関係ねぇだろ!!俺はお前に何かして欲しいなんてこれっぽっちも思わねぇし、俺が玲央に何でもしてやりてぇって思ってんだよ。俺と玲央の間に入ってくんな!!」
「何それ!!ちょっとアンタ!!後ろで隠れてないで消えなさいよ!!邪魔よ!!」
「お前がどっかいけよ!!お前が邪魔だ!!俺が何処行くにもちょろちょろしやがって!!このストーカーが!!警察突き出すぞ!!」
「ストーカーじゃないもん!!彼女だもん!」
「お前と付き合ったことなんて一度もねぇよ!!キモい勘違いすんな!!」
くそっ何でこんな女と会話しなきゃなんねぇんだよ!!俺は玲央とひっそりと時間を過ごしたかっただけなのにっ!!
背中にくっつて服を握りしめる玲央の手が震えている。
俺は女と対峙しながらゆっくり後退しながら準備室の前まで来ていた。
「玲央…ごめんな…準備室でちょっと待っててくれ…」
「あ…茜くん…」
「すぐ戻るから中で待ってて…な?」
心配そうな顔してる。玲央を片手で抱きしめながらおでこにキスを送って準備室へ入れる。
「やっとあたしと付き合う気になってくれたの?早速二人きりになってくれるなんて…」
マジキモい…。
さて…この勘違い女どうすっか…。職員室まで行くか…。
玲央を一人にするのもな…。
「やっ…何処連れてくの!?痛い!!もっと優しくしてよぉ!」
あぁ~キモい!!優しくする気も起きない俺は女の腕を掴んで職員室まで引き摺って行く。
その間に青衣にメッセージを送る。
"すまん青衣にお願いがある。今女に邪魔されて職員室まで引き摺ってる最中。図書室に玲央いるから青空くん連れて一緒に居てやって欲しい。俺は女片付けてから行く。"
"了解"
青衣と青空くんなら察して玲央に説明してくれるだろう…。
あーもう!なんでこうなるかなぁ…。俺日頃の行い悪かった?
玲央の話途中だったし、最悪!!
「先生!!この女の親呼んでくんない?ストーカーで訴える!!」
「え!?は!?急に何言ってんだ宮嶋…。」
職員室に入った俺は担任の先生を見つけ女を突き出す。
「だから!!ストーカー被害で訴えるって言ってんの!!この女何も聞きゃしねぇから親呼んでって言ってんの」
「あたしストーカーなんてやってない!!茜くんの害になるやつを…!!」
「お前…ふざけんなよ…。玲央は害じゃない…。大切な人を害呼ばわりすんなよ…。お前の方が俺にとって害だ」
「宮嶋…落ち着け…」
「落ち着いてられるかよ!!今だって大切な人との時間無駄にしてんだよ!!こいつのお陰で!!先生今はこいつ引き取って何処にも行けないようにしといてよ。俺大事な用事があるから。こいつに邪魔されたらたまったもんじゃない。親で足りないなら校長でも何でも呼んで停学処分にしてくれてもいいんだけど?」
「またアイツに会いに行くの!?あんな引きこもりのクソ野郎のどこがいいのよ!!」
俺は頭にカッと血が登り女の顎を掴んむ。
「テメェそれ以上その口開いてみろ…。ぶっ殺すぞ…」
思ってたよりも低い声が出てしまった。
余程怖かったのかガクガクと震え床に座り込んでしまった。
「学校でしかも先生の前で言う台詞じゃないなぁ」
「ふん!実際に殺るわけじゃねぇし。被害被ってんのこっちだし」
「こっちはどうにかしておく親の方には厳重注意しておくから…」
「改善されない場合こっちは弁護士立てて訴える旨もよろしく」
「…わかった伝えておく」
急いで図書室へと向かう。
あー…玲央大丈夫かなぁ…。
嫌われてないと…いいな…。
ガラッ
「玲央!!」
「!!」
玲央は俺の顔を見ると走って来てギュッと抱きついてきた。
少し目元が赤い…。
「…っ心配…しましたっ…」
「…ごめんね?」
準備室から青衣と青空くんが出てきた。
一緒に居てくれたようだ。
「…二人ともごめんね…ありがとう…」
「んーん…僕たちは全然ヘーキだけど…図書室きたら玲央くん泣いてるし…びっくりしちゃった…」
「…その女どうしたんだ?」
さっきまでの事を簡単に説明すると青空くんはプンプンと怒ってくれたし、青衣は拳握りしめて今にも殴りに行きそうな雰囲気だ。いい友達を持った。
青衣なんかは普段は文句を言うことが多いけど周りをよく見て手助けしてくれる事が多い。仲間思いのいい奴なんだ。
今回だってきっと青空くんとイチャイチャしたかっただろうけど文句も言わず助けてくれたし。
青空くんは言わずもがな。玲央のことも心配だったろうし、俺が青衣の親友ってだけで無条件で優しくしてくれる節がある…。
「僕たちはそろそろ戻るけど…二人はゆっくりしてて大丈夫だよ。司書さんにも言っておくからさ。」
「…ありがとう青空くん」
そう言って二人は教室へ戻って行った。
まだ俺の腕の中で泣き続ける玲央を膝の上乗せ椅子に座る。
「玲央…もう何処にも行かないから泣き止んでくれ…お前が泣いてるとどうしたらいいかわからなくなる…」
「…ごめ…なさい…」
「さっきはごめんな…?昔から女とかに付き纏われる事とか多くて…玲央と会う時には気をつけてここまで来たつもりだったんだけど…。甘かった…」
「…さっき…女の…子と…言い争って…いた…けど…そのまま…帰って…こなかった…ら…どうしようかと…」
「ちゃんと帰ってきたろ?俺は玲央と一緒に居たいから…あのまま出てきちゃって玲央が泣いてないか凄く心配したし…実際泣いてるし…俺…玲央を悲しませないって思ってたけど結局泣かせたし…嫌われちゃった?」
「き…嫌いに…なりません…。守って…もらった…し…僕の事…好き…なの…伝わって…きて…嬉し…かったです…」
「ホッ…良かった。さっきも言ったけど俺が何かしてあげたいって思うのも、大事に守りたいのも全部玲央だけだ。好きなのは玲央だけなんだよ…」
ギュッと抱きしめながら玲央の耳元で囁くと玲央はビクリと身体が跳ねたが、俺の腕の中で大人しくしている。
「…僕も茜くんが大好きです。こんな情けない僕を好きでいてくれてありがとう…」
泣きながら俺の目をしっかりと見ながら…いつもと違って言葉も吶ることも無くしっかりと言い切ってくれた玲央。
おまけに俺の顔を小さな両手で包むとそのままキスをくれた…。
玲央からの告白とキスに少し思考停止してた…。
「え…ホントに…?俺も大好きだ!!恋人になってくれますか!?」
少し食い気味になってしまったが返事が欲しくて凄い勢いで聞いてしまった…。
「はい…僕でよければ…」
「ぃやったー!!」
俺は嬉しすぎて玲央抱きしめながら立つとその場でぐるぐると回ってしまった。
「ひっ…あ…茜くん!!」
「嬉しい~!!めっちゃ嬉しい…!!玲央ありがとう!!俺を好きになってくれて…」
「そ…れは…僕…の台詞…だよ。僕…なんか…を好き…になって…くれ…てありがと…」
嬉しすぎて顔中にキスの雨を降らした。
沢山のキスに顔を赤くする玲央も可愛くて益々止まらなくて
最後に唇に深いキスを送る。
「…っふ…っあ…んぅ…」
息が続かないのか息を求めて口を開けるがそれを更に塞ぐ。
漏れる声が可愛くて…エロくて…身体が熱くなるのを感じた。
キスが終わるとクタりと力が抜けて俺にもたれ掛かる。
はふはふと息を頑張ってする玲央が可愛くて…これ以上は…と自分の欲望を止めるのに苦労した。
晴れてお付き合いする事になったわけだが、暫く会うのは喫茶店で…ということになった。今回みたいにはなりたくなかったし、二人でゆっくりしたかったから。
青衣たちには喫茶店に呼んで玲央と二人で報告した。
告白された時は普通に話してたけど、完全に治ったわけではないらしい…。普段は元の吃音症に戻ってしまった。徐々に治れば良い。そんなのは些細な事だ。喋れないわけではないのだから。俺は気にしないし、それも玲央の可愛さだと思っている。
たまに青衣たちとWデートするのもいいな。
可愛い子たちの戯れを見るのも楽しい。
そうしてちょっとずつ玲央が外に出ることに楽しみが増えるといいと思う。
あの女は停学処分になった。
先生はキチンとあの女の親に連絡を取り俺の意思をハッキリ伝えてくれたらしい。うちの子はそんな事しませんって抵抗したらしいが、弁護士の話になると大人しくなったみたい。
これで大人しくなってくれたらいいけどな。
今日も喫茶店へ向かって、可愛い恋人に会いに行く。
俺の初恋は無事に成就したが、この先も玲央に嫌われない様に頑張っていこう。
茜編も完結しました。この後は倉橋カップルの話にするか、番外編で2カップルのその後にするか…悩んでおります…。番外ストーリーは書きたいものはたくさんありますが…。そのうち少しずつ書いていければいいなと思ってます。
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