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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百七十三話 怪物の痕跡
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昼になりダンジョン内で昼食を取っていると、森林地帯の調査をしていた冒険者の1人が戻って来て何か話をしているのが見えた。
「イズミ、アタイがちょいと聞いてくるよ」
「頼んだ」
ベリアは興味があるのかスープを飲み終えると、手早く片付けて話を聞きに向かった。
イズミは黒パンをスープに浸しながら、ゆっくりと食事を楽しむ事にして周囲の音に耳を澄ませる。
何も起きなければダンジョンとは思えない時間が流れており、気がつけば黒パンを食べ終えていた。
「イズミ、聞いてきたぞ」
ベリアが戻って来たので、スープを入れていた器を一度地面に置いて話の内容を聞く。
「先ずは第3階層への扉だけど、距離は上と殆ど変わらない。つまり第1階層の扉から第2階層の扉までの距離と同じ位と認識して大丈夫だ。これは魔道具で調べた結果とも合致する」
「魔道具の調査結果と実際との差異を確認してるのか?」
「そうなる。魔道具の精度も高いけど、現場調査無しでダンジョン管理は出来ないからな」
「そりゃそうか…他には?」
「森林地帯と言っても木々は密集まではしてなくてな、所々に大型の魔物の痕跡があるみたいだ。これはアタイも確認しに行こうと思ってる…地面にデカい足跡が残ってるんだとよ」
「第2階層の魔物でソレなら、結構危険なダンジョンじゃないか?」
「階層渡りだと思いたいけど、第3階層からは市街地系のダンジョンらしいし、第2階層の魔物の可能性が高い。それも含めての調査だから、気を引き締めないとな」
ベリアはイズミが冒険者や光の教会の簡易拠点に近い所にマスタングを停めて居るのを確認すると、他の冒険者達と一緒に魔物の足跡を見に移動を開始した。
単独行動を禁止する努力はするが、流石にずっと一緒に行動するのも難しいのだ。
「イズミは行かないのか?」
「俺は冒険者じゃないんでね、行っても足手まといさ」
休憩中のヴィラードがやって来て、イズミが座っている焚き火の近くに腰を降ろす。
甲冑は脱いでいるが武器は手放していないのは、此処がダンジョン内であると言う認識からだろう。
「第2階層は他のダンジョンとは違う系統の魔物が目立つ、警戒はしておいた方が良い」
「戦ったのか?」
「討伐の手伝いはした。思った以上に素早いし、あの牙や爪は脅威だな」
どうやらヴィラードは討伐したリザード…どう見ても恐竜系だが…との戦闘に参加していたらしい。
「並の剣や小型のクロスボウでは厳しいな。ロングボウと魔法で何とかしたが、接近戦になると危険だ」
「素早い魔物にロングボウを当てるのも腕が必要だな」
「そこは心配しなくて大丈夫だ、調査隊は皆腕利きだ」
「魔物が群れで襲って来たら?」
「その時は防御魔法を展開するさ」
「そうかい」
イズミは何の気なしに森林の方へ顔を向けると、周囲の動きとは違う揺れをしている場所を見つけた。
無言で立ち上がりマスタングのトランクを開けつつ、魔法通信でベリアに連絡を取る。
「ベリア、そっちの状況はどうだ?」
「魔物の足跡を確認してる最中だ。かなり大型だぞコリャ…地面へのめり込み具合が凄いから、重量級だと思う」
「他に気になる事はあるか?」
「そうだな…今の所は何も」
「分かった」
ベリアの嗅覚で察知出来ないと言う事は、ある程度の距離があるから分からないか、あるいはダンジョン内ではジャミング的な何かがあるのかもしれない。
トランクから飲み物を取り出して口に含むと、ショルダーバッグからセミオート式ショットガンを取り出して何時でも撃てるようにセイフティを外す。
ガサゴソと動く森林の一部を睨んでいると、マスタングが沈黙を破った。
「マスター、魔物が3体戦闘態勢です」
「やはりな…ヴィラード、剣を抜け」
「何事だ?」
足ツボを押していたヴィラードが素早くブーツを履いて立ち上がり、言われた通りに剣を抜いた所で森林から魔物が姿を見せ、耐性を低くして素早く突進を仕掛けてしたのだ。
ショットガンを構えて4発撃ち込むと、1体は体勢を崩して地面へ倒れ込む。
油断せずに弾込めをしながら近付き、魔物の頭部を粉砕して無力化する。
「…この辺は安全エリアでは無いようだな」
「階層の門付近は他と比べると、比較的安全と判断出来るってだけさ」
襲い掛かって来た2体目には6発使ってしまったが、ヴィラードがトドメを刺しでくれている間に弾込めを済ませる。
3体目は姿を見せず、森の奥へと戻っていってしまった。
「マスター、恐竜型の魔物でしたね」
「映画ならアツいシチュエーションなのに、何故か今は気が重い」
「映画でも人間は襲われる側ですので、気が重くなるのも仕方の無い事かと」
「アレに喰われて死ぬのは御免だな」
周囲を確認してからショットガンのセイフティを掛け、拠点の警備をしている冒険者へ注意喚起をしておくようにヴィラードに頼んだ。
自分が言うよりは説得力があると判断したのだ。
「分かった、展開しておこう。倒した魔物は此方で調査解体しても?」
「必要なら、どうぞ」
「助かる」
剣を鞘に収めたヴィラードが冒険者を呼びに向かったので、イズミはメガネを掛けてマスタングからの送られる情報を表示させた。
「…この牙で噛まれたら、確実に腕は千切れそうだな」
「一瞬の判断ミスが命取りです、ご注意下さい」
「ここで死んだら俺達を転移させた女神も苦笑いするだろうから、気を付けるよ」
イズミは魔物の反応が近くに無いと分かったので、ショットガンをショルダーバッグに収納してベリアの帰りを待つ事にした。
「イズミ、アタイがちょいと聞いてくるよ」
「頼んだ」
ベリアは興味があるのかスープを飲み終えると、手早く片付けて話を聞きに向かった。
イズミは黒パンをスープに浸しながら、ゆっくりと食事を楽しむ事にして周囲の音に耳を澄ませる。
何も起きなければダンジョンとは思えない時間が流れており、気がつけば黒パンを食べ終えていた。
「イズミ、聞いてきたぞ」
ベリアが戻って来たので、スープを入れていた器を一度地面に置いて話の内容を聞く。
「先ずは第3階層への扉だけど、距離は上と殆ど変わらない。つまり第1階層の扉から第2階層の扉までの距離と同じ位と認識して大丈夫だ。これは魔道具で調べた結果とも合致する」
「魔道具の調査結果と実際との差異を確認してるのか?」
「そうなる。魔道具の精度も高いけど、現場調査無しでダンジョン管理は出来ないからな」
「そりゃそうか…他には?」
「森林地帯と言っても木々は密集まではしてなくてな、所々に大型の魔物の痕跡があるみたいだ。これはアタイも確認しに行こうと思ってる…地面にデカい足跡が残ってるんだとよ」
「第2階層の魔物でソレなら、結構危険なダンジョンじゃないか?」
「階層渡りだと思いたいけど、第3階層からは市街地系のダンジョンらしいし、第2階層の魔物の可能性が高い。それも含めての調査だから、気を引き締めないとな」
ベリアはイズミが冒険者や光の教会の簡易拠点に近い所にマスタングを停めて居るのを確認すると、他の冒険者達と一緒に魔物の足跡を見に移動を開始した。
単独行動を禁止する努力はするが、流石にずっと一緒に行動するのも難しいのだ。
「イズミは行かないのか?」
「俺は冒険者じゃないんでね、行っても足手まといさ」
休憩中のヴィラードがやって来て、イズミが座っている焚き火の近くに腰を降ろす。
甲冑は脱いでいるが武器は手放していないのは、此処がダンジョン内であると言う認識からだろう。
「第2階層は他のダンジョンとは違う系統の魔物が目立つ、警戒はしておいた方が良い」
「戦ったのか?」
「討伐の手伝いはした。思った以上に素早いし、あの牙や爪は脅威だな」
どうやらヴィラードは討伐したリザード…どう見ても恐竜系だが…との戦闘に参加していたらしい。
「並の剣や小型のクロスボウでは厳しいな。ロングボウと魔法で何とかしたが、接近戦になると危険だ」
「素早い魔物にロングボウを当てるのも腕が必要だな」
「そこは心配しなくて大丈夫だ、調査隊は皆腕利きだ」
「魔物が群れで襲って来たら?」
「その時は防御魔法を展開するさ」
「そうかい」
イズミは何の気なしに森林の方へ顔を向けると、周囲の動きとは違う揺れをしている場所を見つけた。
無言で立ち上がりマスタングのトランクを開けつつ、魔法通信でベリアに連絡を取る。
「ベリア、そっちの状況はどうだ?」
「魔物の足跡を確認してる最中だ。かなり大型だぞコリャ…地面へのめり込み具合が凄いから、重量級だと思う」
「他に気になる事はあるか?」
「そうだな…今の所は何も」
「分かった」
ベリアの嗅覚で察知出来ないと言う事は、ある程度の距離があるから分からないか、あるいはダンジョン内ではジャミング的な何かがあるのかもしれない。
トランクから飲み物を取り出して口に含むと、ショルダーバッグからセミオート式ショットガンを取り出して何時でも撃てるようにセイフティを外す。
ガサゴソと動く森林の一部を睨んでいると、マスタングが沈黙を破った。
「マスター、魔物が3体戦闘態勢です」
「やはりな…ヴィラード、剣を抜け」
「何事だ?」
足ツボを押していたヴィラードが素早くブーツを履いて立ち上がり、言われた通りに剣を抜いた所で森林から魔物が姿を見せ、耐性を低くして素早く突進を仕掛けてしたのだ。
ショットガンを構えて4発撃ち込むと、1体は体勢を崩して地面へ倒れ込む。
油断せずに弾込めをしながら近付き、魔物の頭部を粉砕して無力化する。
「…この辺は安全エリアでは無いようだな」
「階層の門付近は他と比べると、比較的安全と判断出来るってだけさ」
襲い掛かって来た2体目には6発使ってしまったが、ヴィラードがトドメを刺しでくれている間に弾込めを済ませる。
3体目は姿を見せず、森の奥へと戻っていってしまった。
「マスター、恐竜型の魔物でしたね」
「映画ならアツいシチュエーションなのに、何故か今は気が重い」
「映画でも人間は襲われる側ですので、気が重くなるのも仕方の無い事かと」
「アレに喰われて死ぬのは御免だな」
周囲を確認してからショットガンのセイフティを掛け、拠点の警備をしている冒険者へ注意喚起をしておくようにヴィラードに頼んだ。
自分が言うよりは説得力があると判断したのだ。
「分かった、展開しておこう。倒した魔物は此方で調査解体しても?」
「必要なら、どうぞ」
「助かる」
剣を鞘に収めたヴィラードが冒険者を呼びに向かったので、イズミはメガネを掛けてマスタングからの送られる情報を表示させた。
「…この牙で噛まれたら、確実に腕は千切れそうだな」
「一瞬の判断ミスが命取りです、ご注意下さい」
「ここで死んだら俺達を転移させた女神も苦笑いするだろうから、気を付けるよ」
イズミは魔物の反応が近くに無いと分かったので、ショットガンをショルダーバッグに収納してベリアの帰りを待つ事にした。
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