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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百七十四話 牙か爪か
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昼前にはベリアが戻って来た。
後ろに連れた冒険者達は数人がかりで、色々な回収品を抱えながらテントへと入ってゆくのが見える。
「いや~、まさかレアな薬草とか大型魔物のだろう牙みたいなのを見つけちまってさ。つい張り切っちまった」
「良い事だ。此方は魔物を3体ばかし倒したぞ、冒険者のテントで解体して調査してる最中だ」
「マジか!アタイも見てくるわ、討伐の参考になる事があるかもだし」
ベリアは耳を立てて冒険者のテントへと向かうと、程なくして戻って来てイズミの右手を引っ張りテントへ連れ込む。
「イズミ、第2階層で発見した物と魔物を並べてみたのだが、どう見る?」
「どう見るってなぁ」
イズミはテント内に並べられた魔物と、ベリア達が回収して来た大型魔物のだろう牙らしき何かを見比べる。
桁違いなサイズ感で感覚がバグりそうだが、牙と説明を受けたソレに違和感があった。
「ベリア、コレは本当に牙かな?」
「この一本しか見つからなかったけど、牙っぽく見えるだろ」
「牙ならこんなに…この魔物の牙と比べてみてくれ」
「うーん…確かに、牙にしてはそこまでな感じがする」
「爪なんじゃないか、コレ」
元いた世界の恐竜展で見た化石のレプリカにソックリなソレを見ていると、思わず背筋に悪寒が走る。
棒に括り付けたらしっかりと武器になりそうなのである。
イズミの言葉を聞いたベリアや冒険者達は、牙改めて爪を手に取り調査用の魔道具で詳細な確認作業に入った。
「爪ねぇ、こんなデカい爪がそんな簡単に落ちてる事あるか?」
「グール化しているなら、可能性はあるだろ」
「確かに、それは有るな」
「それにだ。アレが牙だとしたら、俺は戦いたくないね」
恐ろしい曲線を持った20cm弱の爪、厚みは分厚いトーストよりもありそうで、こんなのに引っ掻かれたら文字通り一巻の終わりだろう。
「魔道具での結果が出ました、材質と形状からしてこれは大型の魔物の爪で間違いないようです。問題はどの魔物かの特定が出来ない点ですね」
「特定が出来ない?」
「資料不足と言いますか…この魔道具には冒険者ギルドの保有する魔物に関する資料やリストと、魔道具で調査する対象とを照らし合わせる能力があるのですが、完全に合致する魔物がリストに無いようでして」
冒険者の男が頭を掻きながら答えると、ベリアは腕を組んで質問をする。
「じゃあ、対象の魔物を討伐して解体や調査をすれば、リストに載る事になるのか?」
「そうなります。この魔道具の運用が始まったのが凡そ300年前と言い伝えられていますので、この爪の主は未登録の魔物と言う事になります」
「未知の魔物みたいなものか…何か討伐のヒントになりそうな物は無いのか」
「森系のダンジョンですので、恐らく火属性には弱いと予想出来ます。しかし、大型の魔物となると防御魔法を展開出来る可能性もあるので」
「単独戦闘は避けた方が良いって事か」
ベリアと冒険者の男のやりとりを聞いていたイズミは、ふと気になった事があったので確認する。
「1つ良いか…その大型の魔物が防御魔法を展開出来た場合、それを貫通して攻撃出来るのは何人居るんだ?」
イズミの質問に対して、暫しの沈黙がテント内を支配した。
「冒険者では…ベリアさん位ですかね」
「光の教会の人員を含めると?」
「4…いや合計で3人かもしれません」
男の予測だと、ベリアとヴィラードとオルドリンの3人が浮かんだのだろう。
しかし確定ではなく、あくまで予測である。
魔物のステータス次第では太刀打ち出来ない可能性もあるのだ。
「もし襲われたら、この拠点への退避は危険だな」
「防衛しきれない可能性がある、木々を上手く利用して撒くしか無いな」
聞きたいことを聞き終えたイズミとベリアはテントから出ると、マスタングまで戻り昼食の準備を始める。
「そう言えばベリア、鳥系の魔物は見たか?」
「鳥系か…まだ見てないな」
「現れたら風魔法で首をスパッと両断してくれ、ワイバーンを倒した時みたいに」
「簡単に言ってくれるぜ、あの時のワイバーンよりデカかったらどうするよ?」
「そりゃ力でゴリ押しだ…黒パンと干し肉とスープじゃ飽きるだろ、ベリーのジャムだ」
「やりぃ!ダンジョンで甘いジャムが食えるなんて、最高だな」
ショルダーバッグからジャムの瓶を取り出してベリアに渡すと、尻尾をブンブンと振って黒パンに塗り始めた。
ダンジョン内は独特の緊張感があり神経が擦り減ってしまうので、リラックスやリフレッシュをする術が必要なのだ。
甘い物は、こんな状況下においては有用過ぎる重要アイテムである。
後ろに連れた冒険者達は数人がかりで、色々な回収品を抱えながらテントへと入ってゆくのが見える。
「いや~、まさかレアな薬草とか大型魔物のだろう牙みたいなのを見つけちまってさ。つい張り切っちまった」
「良い事だ。此方は魔物を3体ばかし倒したぞ、冒険者のテントで解体して調査してる最中だ」
「マジか!アタイも見てくるわ、討伐の参考になる事があるかもだし」
ベリアは耳を立てて冒険者のテントへと向かうと、程なくして戻って来てイズミの右手を引っ張りテントへ連れ込む。
「イズミ、第2階層で発見した物と魔物を並べてみたのだが、どう見る?」
「どう見るってなぁ」
イズミはテント内に並べられた魔物と、ベリア達が回収して来た大型魔物のだろう牙らしき何かを見比べる。
桁違いなサイズ感で感覚がバグりそうだが、牙と説明を受けたソレに違和感があった。
「ベリア、コレは本当に牙かな?」
「この一本しか見つからなかったけど、牙っぽく見えるだろ」
「牙ならこんなに…この魔物の牙と比べてみてくれ」
「うーん…確かに、牙にしてはそこまでな感じがする」
「爪なんじゃないか、コレ」
元いた世界の恐竜展で見た化石のレプリカにソックリなソレを見ていると、思わず背筋に悪寒が走る。
棒に括り付けたらしっかりと武器になりそうなのである。
イズミの言葉を聞いたベリアや冒険者達は、牙改めて爪を手に取り調査用の魔道具で詳細な確認作業に入った。
「爪ねぇ、こんなデカい爪がそんな簡単に落ちてる事あるか?」
「グール化しているなら、可能性はあるだろ」
「確かに、それは有るな」
「それにだ。アレが牙だとしたら、俺は戦いたくないね」
恐ろしい曲線を持った20cm弱の爪、厚みは分厚いトーストよりもありそうで、こんなのに引っ掻かれたら文字通り一巻の終わりだろう。
「魔道具での結果が出ました、材質と形状からしてこれは大型の魔物の爪で間違いないようです。問題はどの魔物かの特定が出来ない点ですね」
「特定が出来ない?」
「資料不足と言いますか…この魔道具には冒険者ギルドの保有する魔物に関する資料やリストと、魔道具で調査する対象とを照らし合わせる能力があるのですが、完全に合致する魔物がリストに無いようでして」
冒険者の男が頭を掻きながら答えると、ベリアは腕を組んで質問をする。
「じゃあ、対象の魔物を討伐して解体や調査をすれば、リストに載る事になるのか?」
「そうなります。この魔道具の運用が始まったのが凡そ300年前と言い伝えられていますので、この爪の主は未登録の魔物と言う事になります」
「未知の魔物みたいなものか…何か討伐のヒントになりそうな物は無いのか」
「森系のダンジョンですので、恐らく火属性には弱いと予想出来ます。しかし、大型の魔物となると防御魔法を展開出来る可能性もあるので」
「単独戦闘は避けた方が良いって事か」
ベリアと冒険者の男のやりとりを聞いていたイズミは、ふと気になった事があったので確認する。
「1つ良いか…その大型の魔物が防御魔法を展開出来た場合、それを貫通して攻撃出来るのは何人居るんだ?」
イズミの質問に対して、暫しの沈黙がテント内を支配した。
「冒険者では…ベリアさん位ですかね」
「光の教会の人員を含めると?」
「4…いや合計で3人かもしれません」
男の予測だと、ベリアとヴィラードとオルドリンの3人が浮かんだのだろう。
しかし確定ではなく、あくまで予測である。
魔物のステータス次第では太刀打ち出来ない可能性もあるのだ。
「もし襲われたら、この拠点への退避は危険だな」
「防衛しきれない可能性がある、木々を上手く利用して撒くしか無いな」
聞きたいことを聞き終えたイズミとベリアはテントから出ると、マスタングまで戻り昼食の準備を始める。
「そう言えばベリア、鳥系の魔物は見たか?」
「鳥系か…まだ見てないな」
「現れたら風魔法で首をスパッと両断してくれ、ワイバーンを倒した時みたいに」
「簡単に言ってくれるぜ、あの時のワイバーンよりデカかったらどうするよ?」
「そりゃ力でゴリ押しだ…黒パンと干し肉とスープじゃ飽きるだろ、ベリーのジャムだ」
「やりぃ!ダンジョンで甘いジャムが食えるなんて、最高だな」
ショルダーバッグからジャムの瓶を取り出してベリアに渡すと、尻尾をブンブンと振って黒パンに塗り始めた。
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甘い物は、こんな状況下においては有用過ぎる重要アイテムである。
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