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第二十六章 梅雨の季節
第五百八話 忙しくなる事が決まった
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「イズミさん、女神様達に尋ねてみるのが良いかもしれません」
「女神様とて暇ではないでしょう。突然呼び出して『ハイエルフ族に会いたい』と言っても、迷惑なだけでは?」
「教会の部屋をお借りして、会食形式で女神様をお呼びしましたよね。オブリビアでの件もありますので感謝の意を込めて、改めて祈りを捧げるのですよ」
「…今度は光の教会としても、自分達のみでは場所を貸してくれないと思いますが」
「その時は巻き込めば良いのです」
フラウリアの提案を聞いたイズミは椅子に座り直すと、一度断りを入れてマスタングに魔法通信を繋ぐ。
「イズミ様、通信内容を私達にも共有してくださいませんか?」
グラテミアの頼みを聞いたイズミは早速マスタングに確認をすると、メガネをテーブルに置くように告げる。
「マスタング、今の話を聞いてどう思う?」
「光の教会に頼んで部屋を借りるか、マスターが何処か接客が出来るような建物を借りて対応するか、どちらかが良いかと」
メガネがスピーカー代わりとなり、部屋内にマスタングの機械音声が響く。
「教会の人間を巻き込むとなると、お供え物はこの世界の物に限定しないとマズいかな」
「そこまで気にする必要は無いかと…メッセージを受信しました。『女神達は前回の様な会食形式にて料理や飲み物を、男神達は酒を女神や雑踏に邪魔されずに楽しめる場の提供を望む』だそうです」
「女神様と男神様でオーダーが違うじゃないか」
これは自分達に2回もイベントを開催するように指示を出しているようなものである。
「イズミさん、女神様を御迎えする会食については、我々ラミア族の料理班に一部を任せる事は出来ると思います。既にチーズケーキとショートケーキについては実績がありますので」
「他はマスタングで実体化するとして、その菓子のレシピ問題が残ります。前回もまだ世に出回っていない菓子を出してますし」
「レシピはラミア族が所有しているので、知りたければ正式な手続きを踏むようにと言えば良いのです」
「男神様の方は…何処か広くて、人けの少ない場所にある建物を借りるしかないか」
イズミは仕方なく女神達と男神達それぞれのオーダーをこなすべく、段取りを考え始める。
「マスタング、女神様達からは開催時期について何か言われているか?」
「女神様達は梅雨入り前に、男神様達は梅雨入り後の人の動きが少ない時が良いそうです」
「少しズレているなら、まだ準備はしやすいか…宴は何日後でしたっけ?」
イズミの質問にベリアが答える。
「確か24日後だった筈」
「なら20日後に女神様向けのお祈りパーティーを、その20日後に男神様向けの飲み会をする方向で動くか」
おおよその開催日を決めるとメニューを考える必要が出て来るが、今日はまだそこまで考える必要は無い。
場所の確保が先決である。
「イズミさん、今日中に場所を決めるのは難しいので、明日の日中に確認しておきます」
アヤがスペースを貸してくれる候補地を探してくれると言うので、イズミはお願いしてから小さくため息をついた。
「そう言えば、俺は男神様に会った事が無いな」
「確かに、アタイも無い」
「男神様も大変なのよ」
グラテミアは遠い目をしながら言うと、思い出したように3つ目の話を切り出した。
「女神様と男神様へのおもてなしの内容は、明日改めて考えましょう」
「分かりました」
「皆さんにも予定はありますから、3つ目の話しは私事なので手短に…妊娠しました。以上、解散」
あまりにもサラッと妊娠宣言をしたグラテミアに対して、誰も脳が理解しきれず反応が遅くなる。
「おめでとうございます」
イズミがそう言葉にすると、ベリア達が一斉に声を上げた。
テーブルに広げていたアイテムを回収したイズミは、質問攻めをしているフラウリア達を横目に部屋を出る準備をする。
「ビックリしたぜ!あんな大切な話を軽く伝えてハイ解散って」
「伝え方は人それぞれだからな」
「イズミはお祝いしないと」
「これからマスタングと一緒に考えるとしよう」
部屋には戻らずにマスタングの元へ向かったイズミはグラテミアの妊娠について報告をすると、無言で何かを実体化してトランクを開ける。
「マスター、お祝い事なので幾つかの品を実体化致しました。グラテミア様へお渡し下さい」
「中身は?」
マスタングに乗り込みモニターを確認すると、お菓子とそのレシピ、ティーセットに高級そうな紅茶の茶葉が数種類だった。
お菓子はカステラだ。
「カステラとティーセットは分かるが、紅茶って妊娠中でも大丈夫なのか?」
「茶葉はカフェインレスで御用意しましたので、問題はありません」
「分かった、渡しておくよ」
「マスターからも何か別のプレゼントを用意しても良いかと」
「そうだな…」
マスタングの提案はごもっともだが、活動拠点の町で探しても微妙な気がしたので一旦保留にする。
ちゃんとした贈り物を見繕わなければなるまい。
その後グラテミアに妊娠祝いとしてカステラとティーセットを渡した結果、イズミは自身に与えられた部屋へ朝帰りする事になったのだが、それを知る者はごく一部の側近とグラテミアを見守る女神だけであった。
「女神様とて暇ではないでしょう。突然呼び出して『ハイエルフ族に会いたい』と言っても、迷惑なだけでは?」
「教会の部屋をお借りして、会食形式で女神様をお呼びしましたよね。オブリビアでの件もありますので感謝の意を込めて、改めて祈りを捧げるのですよ」
「…今度は光の教会としても、自分達のみでは場所を貸してくれないと思いますが」
「その時は巻き込めば良いのです」
フラウリアの提案を聞いたイズミは椅子に座り直すと、一度断りを入れてマスタングに魔法通信を繋ぐ。
「イズミ様、通信内容を私達にも共有してくださいませんか?」
グラテミアの頼みを聞いたイズミは早速マスタングに確認をすると、メガネをテーブルに置くように告げる。
「マスタング、今の話を聞いてどう思う?」
「光の教会に頼んで部屋を借りるか、マスターが何処か接客が出来るような建物を借りて対応するか、どちらかが良いかと」
メガネがスピーカー代わりとなり、部屋内にマスタングの機械音声が響く。
「教会の人間を巻き込むとなると、お供え物はこの世界の物に限定しないとマズいかな」
「そこまで気にする必要は無いかと…メッセージを受信しました。『女神達は前回の様な会食形式にて料理や飲み物を、男神達は酒を女神や雑踏に邪魔されずに楽しめる場の提供を望む』だそうです」
「女神様と男神様でオーダーが違うじゃないか」
これは自分達に2回もイベントを開催するように指示を出しているようなものである。
「イズミさん、女神様を御迎えする会食については、我々ラミア族の料理班に一部を任せる事は出来ると思います。既にチーズケーキとショートケーキについては実績がありますので」
「他はマスタングで実体化するとして、その菓子のレシピ問題が残ります。前回もまだ世に出回っていない菓子を出してますし」
「レシピはラミア族が所有しているので、知りたければ正式な手続きを踏むようにと言えば良いのです」
「男神様の方は…何処か広くて、人けの少ない場所にある建物を借りるしかないか」
イズミは仕方なく女神達と男神達それぞれのオーダーをこなすべく、段取りを考え始める。
「マスタング、女神様達からは開催時期について何か言われているか?」
「女神様達は梅雨入り前に、男神様達は梅雨入り後の人の動きが少ない時が良いそうです」
「少しズレているなら、まだ準備はしやすいか…宴は何日後でしたっけ?」
イズミの質問にベリアが答える。
「確か24日後だった筈」
「なら20日後に女神様向けのお祈りパーティーを、その20日後に男神様向けの飲み会をする方向で動くか」
おおよその開催日を決めるとメニューを考える必要が出て来るが、今日はまだそこまで考える必要は無い。
場所の確保が先決である。
「イズミさん、今日中に場所を決めるのは難しいので、明日の日中に確認しておきます」
アヤがスペースを貸してくれる候補地を探してくれると言うので、イズミはお願いしてから小さくため息をついた。
「そう言えば、俺は男神様に会った事が無いな」
「確かに、アタイも無い」
「男神様も大変なのよ」
グラテミアは遠い目をしながら言うと、思い出したように3つ目の話を切り出した。
「女神様と男神様へのおもてなしの内容は、明日改めて考えましょう」
「分かりました」
「皆さんにも予定はありますから、3つ目の話しは私事なので手短に…妊娠しました。以上、解散」
あまりにもサラッと妊娠宣言をしたグラテミアに対して、誰も脳が理解しきれず反応が遅くなる。
「おめでとうございます」
イズミがそう言葉にすると、ベリア達が一斉に声を上げた。
テーブルに広げていたアイテムを回収したイズミは、質問攻めをしているフラウリア達を横目に部屋を出る準備をする。
「ビックリしたぜ!あんな大切な話を軽く伝えてハイ解散って」
「伝え方は人それぞれだからな」
「イズミはお祝いしないと」
「これからマスタングと一緒に考えるとしよう」
部屋には戻らずにマスタングの元へ向かったイズミはグラテミアの妊娠について報告をすると、無言で何かを実体化してトランクを開ける。
「マスター、お祝い事なので幾つかの品を実体化致しました。グラテミア様へお渡し下さい」
「中身は?」
マスタングに乗り込みモニターを確認すると、お菓子とそのレシピ、ティーセットに高級そうな紅茶の茶葉が数種類だった。
お菓子はカステラだ。
「カステラとティーセットは分かるが、紅茶って妊娠中でも大丈夫なのか?」
「茶葉はカフェインレスで御用意しましたので、問題はありません」
「分かった、渡しておくよ」
「マスターからも何か別のプレゼントを用意しても良いかと」
「そうだな…」
マスタングの提案はごもっともだが、活動拠点の町で探しても微妙な気がしたので一旦保留にする。
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その後グラテミアに妊娠祝いとしてカステラとティーセットを渡した結果、イズミは自身に与えられた部屋へ朝帰りする事になったのだが、それを知る者はごく一部の側近とグラテミアを見守る女神だけであった。
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