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第二十七章 サンダーブレード作戦
第五百四十八話 霊剣の鞘の進捗確認
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3回目の酒盛りが終わった翌日。
朝早くからイズミとベリアはドワーフ工房に姿を混ぜていた。
目的は2つ、ベリアのナイフの点検と霊剣の鞘の進捗確認だ。
「…あんたらか。奥に来てくれ」
ボンネビルが弟子からの報告で工房の中庭からやってくると、直ぐに奥の部屋へと案内される。
「あの剣の鞘だな?」
「そうなのですが、先にベリアのナイフを見てもらっても良いですか?この後で冒険者ギルドからの仕事があるので」
「若手の訓練か…ベリア程の腕前なら余裕じゃないか?」
ベリアには次の予定があるので、先にナイフの点検を依頼する。
「そうでもないぞ?相手の癖や良し悪しを見極めて、訓練の後でそれを伝えないといけないんだ。これが難しくて」
「魔物相手ならある程度の悪癖があっても、パーティーで戦闘であれば補えるかもしれん。しかし対人相手では致命傷にもなりかねん…難点は悪癖ってのは本人は殆ど気付かない事だろうな」
「そう!戦闘に変な癖が付いてると、矯正するのがメッチャ大変なんだよな」
ベリアからナイフを受け取ったボンネビルが、ジックリとナイフの歪みや痛みが無いかを確かめる。
小さなトンカチで軽くナイフを叩くと、甲高い音が響いた。
何度も叩く度に心地良い綺麗な音が響く。
「…やはりアダマンタイトは素晴らしいな。歪みも痛みも無ければ、目に見えぬ小さな傷も無い。刃毀れ1つ無い、使っていて違和感はあるか?」
「いや、ようやく手に馴染んで来たって感じ」
「そうか。なら梅雨明けにヒュミトールを出発する前に、もう一度儂が直接確認をしよう。それで最終調整だ」
「分かった。梅雨が明けてからの、出発前だな」
ベリアはナイフを返して貰うと、挨拶をして冒険者ギルドへと出発した。
マスタングで送ろうかと言ったが、軽い運動がてら走って行くと言われ断られた。
自分が走って移動したら、直ぐに息切れしてしまうだろう。
「どれ…あの剣を見せてくれ」
「分かりました」
イズミは自分の本題である霊剣をショルダーバッグから取り出すと、丁寧な動作でボンネビルに手渡した。
「ふむん…嫌な擦れや干渉はしていなさそうだ。これならば鞘への塗りへ進めそうだ」
「塗り、ですか」
「そうだ。厳選した素材で色を作るのだが、お前さんは漆を知っているか?」
「えぇ、聞いたことはありますよ。素手で触れると被れるとか」
「そう、その漆で間違いない。一部の地域で採用されている漆塗りを、この鞘にも採用しようと思う。流石に最高級品の木材を白鞘で終わらせるのはどうかと思う訳だ…色は白を基調として、飾りに金を使う。派手にはせんよ」
この異世界での派手さや漆塗りの基準がよく分からないが、ボンネビルが責任を持って作るのであれば大丈夫だろう。
そう判断したイズミはそのまま続行で頼むと、ボンネビルから霊剣を返してもらった。
「漆塗りには細心の注意を払うが故に、少し時間が欲しい。終わったら使いをグラテミアの屋敷に送ろう」
「梅雨明け迄には終わりますよね?」
「勿論終わらせるし、調整だって終わらせるさ」
「そうですか、ならそれでお願いします…そうだ。ヒュミトールの近くで1人で特訓が出来そうな場所ってあります?」
「特訓だぁ?なら門を出て北東に少し進んだ所が良いかもな」
「門を出て北東…行ってみますね」
イズミはドワーフ工房から出ると、どんよりとした曇り空の下を歩き始める。
自分の新装備は試しておかないと不安なのだ、特に重量や制御問題が急浮上しているのだから。
マスタングに乗り込んでヒュミトールの出入口である門まで向かうと、衛兵に軽く話をして通してもらう。
何か言いたげではあったが、金貨を1枚握らせたら笑顔で通してくれた。
衛兵の仕事としてそれで本当に良いのかは疑問ではあるが、自分には好都合なので気にしない事にする。
マスタングでまったり走る事1時間、ボンネビルが言っていただろう場所に到着した。
今現在は誰も居ないが、特訓やら訓練でこの場を使ったのであろう痕跡が幾つも確認出来る。
イズミは近くに放置されていた木材を的として再活用すると、先ずはマスタングのトランクに2丁拳銃を収納した。
「少々気が重いが、カスタムを頼む」
「かしこまりました」
マスタングが2丁拳銃のカスタム作業に費やした時間は20秒程だった。
完成したカスタムを手に取ると、真っ先に口から出た言葉は「重い!」だった。
「…こんなの片手で構えて撃つのか?腕が震えてくるぞ」
「身体を鍛えてください」
「そんな直ぐに鍛えきれる訳がない」
「では慣れてください」
「無茶苦茶だぜ全く」
重量的には50AE弾をぶち込めるデザートイーグルとほぼ同じになってしまった45口径オートマチックのカスタムが2丁、10連マガジンを装着した状態でイズミの両手に収まっている。
イズミはマスタングに一度周囲の索敵を頼み、監視の者も居ない事を確認してから試し撃ちを始めた。
「重くなった分とコンペンセイターの効果も相まってか、超ジャジャ馬な反動では無いんだな」
試射を始めて約20分、そろそろ腕の筋肉が悲鳴を上げだしているので休憩を挟む。
「バランス調整はしておりますので、扱い難い事は無いと思います」
「重さは扱い難さに直結すると思うぞ?現に腕がプルプルいってる」
「鍛えて、慣れてください」
「結局そこに辿り着くのか…そもそも、2丁拳銃はロマンあるスタイルなのは理解出来るけど、実戦的には思えないのだが?」
「問題ありません、映画では大活躍してますので」
「そりゃ映画だもんな」
「時と場合に応じて使い分ければ良いのです。今回のような戦闘ではオートマチックの方が適切な武器ですが、基本装備は44マグナムなのですから」
「そのマグナムも重くなるんだろ?気も重くなるぜ」
「筋肉と体力を養えば解決します」
マスタングはパワーが正義なアメリカ生まれのマッスルカー、故に大半の物事をパワーで解決する傾向があるように感じるイズミだった。
それが魅力でもあるのだが。
朝早くからイズミとベリアはドワーフ工房に姿を混ぜていた。
目的は2つ、ベリアのナイフの点検と霊剣の鞘の進捗確認だ。
「…あんたらか。奥に来てくれ」
ボンネビルが弟子からの報告で工房の中庭からやってくると、直ぐに奥の部屋へと案内される。
「あの剣の鞘だな?」
「そうなのですが、先にベリアのナイフを見てもらっても良いですか?この後で冒険者ギルドからの仕事があるので」
「若手の訓練か…ベリア程の腕前なら余裕じゃないか?」
ベリアには次の予定があるので、先にナイフの点検を依頼する。
「そうでもないぞ?相手の癖や良し悪しを見極めて、訓練の後でそれを伝えないといけないんだ。これが難しくて」
「魔物相手ならある程度の悪癖があっても、パーティーで戦闘であれば補えるかもしれん。しかし対人相手では致命傷にもなりかねん…難点は悪癖ってのは本人は殆ど気付かない事だろうな」
「そう!戦闘に変な癖が付いてると、矯正するのがメッチャ大変なんだよな」
ベリアからナイフを受け取ったボンネビルが、ジックリとナイフの歪みや痛みが無いかを確かめる。
小さなトンカチで軽くナイフを叩くと、甲高い音が響いた。
何度も叩く度に心地良い綺麗な音が響く。
「…やはりアダマンタイトは素晴らしいな。歪みも痛みも無ければ、目に見えぬ小さな傷も無い。刃毀れ1つ無い、使っていて違和感はあるか?」
「いや、ようやく手に馴染んで来たって感じ」
「そうか。なら梅雨明けにヒュミトールを出発する前に、もう一度儂が直接確認をしよう。それで最終調整だ」
「分かった。梅雨が明けてからの、出発前だな」
ベリアはナイフを返して貰うと、挨拶をして冒険者ギルドへと出発した。
マスタングで送ろうかと言ったが、軽い運動がてら走って行くと言われ断られた。
自分が走って移動したら、直ぐに息切れしてしまうだろう。
「どれ…あの剣を見せてくれ」
「分かりました」
イズミは自分の本題である霊剣をショルダーバッグから取り出すと、丁寧な動作でボンネビルに手渡した。
「ふむん…嫌な擦れや干渉はしていなさそうだ。これならば鞘への塗りへ進めそうだ」
「塗り、ですか」
「そうだ。厳選した素材で色を作るのだが、お前さんは漆を知っているか?」
「えぇ、聞いたことはありますよ。素手で触れると被れるとか」
「そう、その漆で間違いない。一部の地域で採用されている漆塗りを、この鞘にも採用しようと思う。流石に最高級品の木材を白鞘で終わらせるのはどうかと思う訳だ…色は白を基調として、飾りに金を使う。派手にはせんよ」
この異世界での派手さや漆塗りの基準がよく分からないが、ボンネビルが責任を持って作るのであれば大丈夫だろう。
そう判断したイズミはそのまま続行で頼むと、ボンネビルから霊剣を返してもらった。
「漆塗りには細心の注意を払うが故に、少し時間が欲しい。終わったら使いをグラテミアの屋敷に送ろう」
「梅雨明け迄には終わりますよね?」
「勿論終わらせるし、調整だって終わらせるさ」
「そうですか、ならそれでお願いします…そうだ。ヒュミトールの近くで1人で特訓が出来そうな場所ってあります?」
「特訓だぁ?なら門を出て北東に少し進んだ所が良いかもな」
「門を出て北東…行ってみますね」
イズミはドワーフ工房から出ると、どんよりとした曇り空の下を歩き始める。
自分の新装備は試しておかないと不安なのだ、特に重量や制御問題が急浮上しているのだから。
マスタングに乗り込んでヒュミトールの出入口である門まで向かうと、衛兵に軽く話をして通してもらう。
何か言いたげではあったが、金貨を1枚握らせたら笑顔で通してくれた。
衛兵の仕事としてそれで本当に良いのかは疑問ではあるが、自分には好都合なので気にしない事にする。
マスタングでまったり走る事1時間、ボンネビルが言っていただろう場所に到着した。
今現在は誰も居ないが、特訓やら訓練でこの場を使ったのであろう痕跡が幾つも確認出来る。
イズミは近くに放置されていた木材を的として再活用すると、先ずはマスタングのトランクに2丁拳銃を収納した。
「少々気が重いが、カスタムを頼む」
「かしこまりました」
マスタングが2丁拳銃のカスタム作業に費やした時間は20秒程だった。
完成したカスタムを手に取ると、真っ先に口から出た言葉は「重い!」だった。
「…こんなの片手で構えて撃つのか?腕が震えてくるぞ」
「身体を鍛えてください」
「そんな直ぐに鍛えきれる訳がない」
「では慣れてください」
「無茶苦茶だぜ全く」
重量的には50AE弾をぶち込めるデザートイーグルとほぼ同じになってしまった45口径オートマチックのカスタムが2丁、10連マガジンを装着した状態でイズミの両手に収まっている。
イズミはマスタングに一度周囲の索敵を頼み、監視の者も居ない事を確認してから試し撃ちを始めた。
「重くなった分とコンペンセイターの効果も相まってか、超ジャジャ馬な反動では無いんだな」
試射を始めて約20分、そろそろ腕の筋肉が悲鳴を上げだしているので休憩を挟む。
「バランス調整はしておりますので、扱い難い事は無いと思います」
「重さは扱い難さに直結すると思うぞ?現に腕がプルプルいってる」
「鍛えて、慣れてください」
「結局そこに辿り着くのか…そもそも、2丁拳銃はロマンあるスタイルなのは理解出来るけど、実戦的には思えないのだが?」
「問題ありません、映画では大活躍してますので」
「そりゃ映画だもんな」
「時と場合に応じて使い分ければ良いのです。今回のような戦闘ではオートマチックの方が適切な武器ですが、基本装備は44マグナムなのですから」
「そのマグナムも重くなるんだろ?気も重くなるぜ」
「筋肉と体力を養えば解決します」
マスタングはパワーが正義なアメリカ生まれのマッスルカー、故に大半の物事をパワーで解決する傾向があるように感じるイズミだった。
それが魅力でもあるのだが。
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