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第二十七章 サンダーブレード作戦
第五百六十八話 貯水池へ向かう
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帝国兵の拠点はそのほとんどが壊滅状態になり、大雨も少しづつ和らぎ始めている。
イズミはずぶ濡れになった衣服に不快感を持ちながら、拠点内にまだ証拠品になり得る物が無いかを確かめてゆく。
オブリビアの時みたいに、強制変化薬があるかもしれないのだ。
「イズミ、また頑丈そうな箱があるぞ」
「罠は?」
「仕掛けられては…いないみたいだ。どうする」
「一旦開けて中身を確認したら、箱ごとアイテムボックスに収納するか。取り出すのも面倒だし」
メガネでスキャンをするとショットガン2発で魔法鍵を破壊出来るとの事だったので、セミオート式ショットガンを取り出してサクッと2発撃って魔法鍵を破壊し、箱の中身を2人で確認する。
「…薬だな」
「こんなに用意するなんて、アホなのか?」
ベリアがそう言うのも無理は無い。
大人が横に寝そべっても余裕のある横幅、1mはあろう全高、奥行きも1m近くある箱一杯に、あの劇薬一式がギッシリと詰められているのだ。
「この箱が他に…5個もある。仕舞いきれるかな」
イズミとベリアは協力して箱をマスタングの元まで運ぶと、マスタングのアイテムボックスに収納をした。
さすがに手持ちのアイテムボックスに仕舞うと、容量がギリギリになってしまうのだ。
まだ戦場なのでアイテムボックスの容量には余裕があった方が良い。
「よし。これで終わりだな」
「イズミ、まだ貯水池の方を見てないだろ」
「…忘れてた」
「おいおい、勘弁してくれよ?」
ずぶ濡れの服のままでマスタングに乗り込むのは少々気が引けるが、これも戦闘中故に仕方の無い事と割り切って運転席のドアに手をかける。
「…ベリア、あんまり濡れてないな」
「色々あったのさ」
助手席に乗り込む前に軽くタオルで全身を拭いたベリアだったが、その体毛のほとんどが大雨の影響でジメついているように見えなかったのだ。
イズミはマスタングに乗り込むと、モニターに表示されている貯水池にポイントを置いて移動を開始した。
貯水池は帝国兵の拠点から少し離れた所にあり、貯水池は少数ながら拠点とは別の部隊が警備をしているようだった。
イズミはマスタングの存在が相手に悟られないように物陰に隠すようにして停車すると、狙撃用のボルトアクションライフルを取り出した。
貯水池が思っていたよりも広く、アサルトライフルで狙うには不安があるからだ。
自分は射撃の名手でも無ければ、超A級スナイパーでも無いのだから。
「マスター、貯水池の警備は20名です」
「この広さを20人で?少ないような」
「我々との戦闘支援にも人員を割かれているようです。それとですが、帝国兵以外の魔法反応が4つ程あります」
「何処かの国の偵察部隊って所か」
イズミは偵察部隊にベリアの姿を見られるのはマズイと判断し、マスタングの車内にて待機をしてもらう。
第三者に与える自分達に関する情報は、少なければ少ない程良い。
ボルトを操作して初弾を装填し狙撃に適した場所を探すと、スコープ越しに警備兵へと狙いを定める。
一度大きく深呼吸をすると、イズミは警備兵の掃除を開始した。
「…慣れないな、狙撃ってのは」
イズミは10分程で警備兵を全員片付けると、ライフルをマスタングに収納してから貯水池へ姿を見せた。
「…イズミ、貯水池の様子はどうだ?」
「大分形になってるな。水もそれなりに貯まってるように見える」
マスタングが融通を利かせてベリアの声をイズミに伝えてくれたので、メガネから確認出来る情報をマスタングのモニターに表示させる。
「地面をお椀みたいに凹ませるような感じで掘って、遠くにあるのが…水門ってやつか?」
「恐らくな。警備兵も始末した事だし、ちょっくら見てくるか…マスタング、メガネの映像はこのままリアルタイムでモニターに表示させて、ベリアと連携が取れるようにしておいてくれ」
「かしこまりました。それとですが、偵察部隊がイズミ様を視認したようです」
「目が良いんだな。行動には注意しておこう」
イズミは水門のある場所へと歩き始め、直ぐに後悔していた。
歩くと地味に距離があり、時間がかかるし体力も消耗するからだ。
マスタングで移動すれば10分もかからないだろう。
大して良くもない足元だが、イズミはジョギングでもするようなペースに切り替えて水門まで向かうのだった。
「運動不足が、このタイミングで響くとはな」
「日頃からちゃんと鍛えておけば」
「怠け癖があってね」
水門の近くまでやってくると、その大きさに暫し圧倒される。
水門自体の大きさは縦横で10mはあろうかと言うサイズ感だったのだ。
この手の知識は少ないが、まだ改良途中だったのかもしれない。
「イズミ、水門の向こうはどうなってるのか見てくれないか」
「分かった」
ベリアの指示で水門の向こう側、つまり下流側を確認すると、一応は川の流れが出来ていた。
貯水池の水門と下流迄には高低差があり、見ていると背筋がゾワッとして来たので直ぐに距離をとる。
水門はほんの僅かに開いているのか、下流へと流れ込んでいるのが視認出来た。
「どうしたもんかね?」
イズミは水門を破壊すべきか否か、判断に困ってしまった。
下手に破壊すると周辺に悪影響を及ぼしかねないし、破壊しなかったら水門の管理者が決まる迄は誰が管理をするのかと言う問題も発生するのだ。
そんな時である。
「…ねぇ、そこの人間さん!」
下流側から誰かが大声で此方に声を掛けて来たのだ。
イズミは一度周囲を確認するが、近くに自分以外の人間は見当たらない。
「俺の事か?」
「そう!」
イズミは再度下流へと身体を近付けると、此方へ向けて両手を振る何者かに対して、取り敢えずイズミも左手を振って返事をしてみる。
大声で会話をするのも疲れるので時間をかけて水門を迂回し、イズミは自分へ声を掛けて来た何者かと対面で会話を出来る距離にまで接近した。
「初めまして、ですよね?」
「当然だね。人間と話す事自体が稀だから」
相手は川から姿を現すと、近くの岩場に腰をかけた。
その姿は元いた世界の作品でも良く描写させる、代表的な人魚(マーメイド)の姿だった。
イズミはずぶ濡れになった衣服に不快感を持ちながら、拠点内にまだ証拠品になり得る物が無いかを確かめてゆく。
オブリビアの時みたいに、強制変化薬があるかもしれないのだ。
「イズミ、また頑丈そうな箱があるぞ」
「罠は?」
「仕掛けられては…いないみたいだ。どうする」
「一旦開けて中身を確認したら、箱ごとアイテムボックスに収納するか。取り出すのも面倒だし」
メガネでスキャンをするとショットガン2発で魔法鍵を破壊出来るとの事だったので、セミオート式ショットガンを取り出してサクッと2発撃って魔法鍵を破壊し、箱の中身を2人で確認する。
「…薬だな」
「こんなに用意するなんて、アホなのか?」
ベリアがそう言うのも無理は無い。
大人が横に寝そべっても余裕のある横幅、1mはあろう全高、奥行きも1m近くある箱一杯に、あの劇薬一式がギッシリと詰められているのだ。
「この箱が他に…5個もある。仕舞いきれるかな」
イズミとベリアは協力して箱をマスタングの元まで運ぶと、マスタングのアイテムボックスに収納をした。
さすがに手持ちのアイテムボックスに仕舞うと、容量がギリギリになってしまうのだ。
まだ戦場なのでアイテムボックスの容量には余裕があった方が良い。
「よし。これで終わりだな」
「イズミ、まだ貯水池の方を見てないだろ」
「…忘れてた」
「おいおい、勘弁してくれよ?」
ずぶ濡れの服のままでマスタングに乗り込むのは少々気が引けるが、これも戦闘中故に仕方の無い事と割り切って運転席のドアに手をかける。
「…ベリア、あんまり濡れてないな」
「色々あったのさ」
助手席に乗り込む前に軽くタオルで全身を拭いたベリアだったが、その体毛のほとんどが大雨の影響でジメついているように見えなかったのだ。
イズミはマスタングに乗り込むと、モニターに表示されている貯水池にポイントを置いて移動を開始した。
貯水池は帝国兵の拠点から少し離れた所にあり、貯水池は少数ながら拠点とは別の部隊が警備をしているようだった。
イズミはマスタングの存在が相手に悟られないように物陰に隠すようにして停車すると、狙撃用のボルトアクションライフルを取り出した。
貯水池が思っていたよりも広く、アサルトライフルで狙うには不安があるからだ。
自分は射撃の名手でも無ければ、超A級スナイパーでも無いのだから。
「マスター、貯水池の警備は20名です」
「この広さを20人で?少ないような」
「我々との戦闘支援にも人員を割かれているようです。それとですが、帝国兵以外の魔法反応が4つ程あります」
「何処かの国の偵察部隊って所か」
イズミは偵察部隊にベリアの姿を見られるのはマズイと判断し、マスタングの車内にて待機をしてもらう。
第三者に与える自分達に関する情報は、少なければ少ない程良い。
ボルトを操作して初弾を装填し狙撃に適した場所を探すと、スコープ越しに警備兵へと狙いを定める。
一度大きく深呼吸をすると、イズミは警備兵の掃除を開始した。
「…慣れないな、狙撃ってのは」
イズミは10分程で警備兵を全員片付けると、ライフルをマスタングに収納してから貯水池へ姿を見せた。
「…イズミ、貯水池の様子はどうだ?」
「大分形になってるな。水もそれなりに貯まってるように見える」
マスタングが融通を利かせてベリアの声をイズミに伝えてくれたので、メガネから確認出来る情報をマスタングのモニターに表示させる。
「地面をお椀みたいに凹ませるような感じで掘って、遠くにあるのが…水門ってやつか?」
「恐らくな。警備兵も始末した事だし、ちょっくら見てくるか…マスタング、メガネの映像はこのままリアルタイムでモニターに表示させて、ベリアと連携が取れるようにしておいてくれ」
「かしこまりました。それとですが、偵察部隊がイズミ様を視認したようです」
「目が良いんだな。行動には注意しておこう」
イズミは水門のある場所へと歩き始め、直ぐに後悔していた。
歩くと地味に距離があり、時間がかかるし体力も消耗するからだ。
マスタングで移動すれば10分もかからないだろう。
大して良くもない足元だが、イズミはジョギングでもするようなペースに切り替えて水門まで向かうのだった。
「運動不足が、このタイミングで響くとはな」
「日頃からちゃんと鍛えておけば」
「怠け癖があってね」
水門の近くまでやってくると、その大きさに暫し圧倒される。
水門自体の大きさは縦横で10mはあろうかと言うサイズ感だったのだ。
この手の知識は少ないが、まだ改良途中だったのかもしれない。
「イズミ、水門の向こうはどうなってるのか見てくれないか」
「分かった」
ベリアの指示で水門の向こう側、つまり下流側を確認すると、一応は川の流れが出来ていた。
貯水池の水門と下流迄には高低差があり、見ていると背筋がゾワッとして来たので直ぐに距離をとる。
水門はほんの僅かに開いているのか、下流へと流れ込んでいるのが視認出来た。
「どうしたもんかね?」
イズミは水門を破壊すべきか否か、判断に困ってしまった。
下手に破壊すると周辺に悪影響を及ぼしかねないし、破壊しなかったら水門の管理者が決まる迄は誰が管理をするのかと言う問題も発生するのだ。
そんな時である。
「…ねぇ、そこの人間さん!」
下流側から誰かが大声で此方に声を掛けて来たのだ。
イズミは一度周囲を確認するが、近くに自分以外の人間は見当たらない。
「俺の事か?」
「そう!」
イズミは再度下流へと身体を近付けると、此方へ向けて両手を振る何者かに対して、取り敢えずイズミも左手を振って返事をしてみる。
大声で会話をするのも疲れるので時間をかけて水門を迂回し、イズミは自分へ声を掛けて来た何者かと対面で会話を出来る距離にまで接近した。
「初めまして、ですよね?」
「当然だね。人間と話す事自体が稀だから」
相手は川から姿を現すと、近くの岩場に腰をかけた。
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※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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