583 / 624
第二十七章 サンダーブレード作戦
第五百六十九話 開けるか壊すか
しおりを挟む
「アンタ、最近見かける連中とは違うみたいだね」
「帝国の人間では無いな。此処には偶然立ち寄ったのさ」
イズミは人魚に簡単ながら自己紹介をすると、人魚側も警戒しつつ名を名乗った。
「アタシはホリー、マーメイド族よ」
「ではホリーさん。私に声をかけた理由をお聞かせ願いたい」
ホリーは水門の方を見ると、自分達の現状を説明してくれた。
「アタシの娘がね、この水門の向こうに居るのさ。少し前に娘が『上流に生えている薬草を探しに行く』と言ったっきり帰って来なくてね、心配になって夫と此処まで来たのさ。そしたら、こんな壁が出来てて」
「娘さんが上流に向かったのは、何時くらいです?」
「一月も行かない位だね」
「では、タイミングが悪かったようですね。向こう側の娘さんとは会話出来てます?」
「…出来てないね。何かあったら深く潜って静かにしておく事って教えてるから、無事だとは思うけど。親としては心配なのよ」
「魔法通信は繋がらない?」
「原因は分からないけど、繋がらないね」
ここまで聞くとホリーさんの娘さんが心配である。
帝国兵に酷い目に遭わされてないと思いたいが、そんな言葉は口には出さない。
下手に不安になり兼ねない発言は避けるのが吉である。
「私が向こうに戻って娘さんに声をかけたとしても、返事はしてくれないですよね」
「知らない人からの声に返事はしないように教えてるから、まず返って来ないね」
「だったら、ホリーさんを向こう側にお連れするのが手っ取り早いですね」
それを聞いたホリーの後ろから男性の人魚が姿を見せ、イズミに向かい戦闘体勢を取ってきた。
「アンタ!まだ会話の途中よ、邪魔はしないで頂戴」
「でもホリー、初対面の人間族相手に」
「今は緊急事態よ!この前姿を見せた男なんて、私達を見たらいきなり弓を射って来たのよ!それと比べてこのイズミって人間はまだ会話が出来てるじゃない」
「分かってる!だが人間族は危険で信用ならない存在なのは、ホリーも知ってるだろう」
「ちょっとアンタ…」
夫婦で言い争っているうちに、マーメイド族における人間族に対する価値観が見えて来た。
少し気まずそうな表情のホリーが、イズミに向けて謝罪をした。
「済まないね。マーメイド族は過去に人間族と争いがあって、そこからは関係をほとんど絶っているのさ」
「それで良いと思いますよ」
「え?」
「過去に起きた事実からの教訓として人間族との関係を絶っていたなら、危険で信用ならないと言う当時の評価のままの判断が妥当でしょう。時が流れて世代が変わったとて、人間族が何か大きく変わっている訳では無いですから、寧ろしっかりと警戒しておくのが正解です。例え自分達は違うとか言う連中が居たとしても、種族単位で括ってしまえば国が違っても同じ人間族…過去から引き継がれている評価を覆す事は困難を極めます」
イズミは岩場にて座り込むと、軽く息を吐いた。
「とは言え今はホリーさん達の緊急事態、これも何かの縁ですからね…お手伝いしますよ?」
イズミの言葉を聞いたホリーは、一度夫の方へと顔を向けて相談を始めた。
その結果、ホリーを貯水池まで運ぶ事になった。
「イズミとやら。ホリーと娘に何かあったら、その身を海の生物達の餌にしてやるからな」
「そうならないように、尽力しますよ」
イズミはホリーを抱きかかえると、重い足取りで来た道を戻りだした。
やはりマスタングと一緒に来るべきだったと、強く後悔をしながら。
明日は全身筋肉痛に襲われる事が確定した所で、どうにかホリーを貯水池まで運び出せた。
道中に魔獣の姿をチラホラと見かけたが、ホリーが睨みつけると逃げるようにして去っていったのだ。
お陰で戦闘をせずに水門の所まで無事に戻って来れたのである。
「…ありがとうね。重かっただろうに」
「お気になさらず。早く娘さんを探しに行って下さい」
「分かったよ」
ホリーが貯水池に潜って行くのを見送ったイズミは、念の為にマスタングに連絡を取った。
「マスタング、偵察部隊だろう連中の様子は?」
「間違い無く、今のやり取りを観測されてます」
「やれやれ…参ったねぇ。でだ、ホリーさんの娘さんが無事だったとして、どうやって下流へ帰すのか」
もう一度下流まで運ぶのは肉体的にも体力的にも厳しいので、別の手段が欲しい所だ。
「水門を開けるのが良いかもしれませんが、マスター単身では厳しいかと」
「だろうな。この大きさの水門を操作するのに、只の人間1人は現実的じゃない。ベリアと一緒でも厳しいよな」
「ほぼ不可能です。かなりの重量物ですので」
とは言え水門を派手に破壊するのも危険となれば、現時点では打つ手無しと言う事になる。
雨も弱まり真っ黒だった雲も一部が灰色に変わっている空を見ていると、ホリーが娘と一緒に水面に姿を現した。
「無事…みたいですね」
「ここ何日もまともな食事を取れてないから体力は減ってるけど、ちゃんと無事だったよ」
「それは何よりです」
「でも、このままではこの貯水池も駄目だね」
「それはどうして?」
ホリーは娘さんを優しく抱きしめながら、水面を指さして話を続ける。
「あの水門はまともに動かないのさ。軽く見てきたけど、今以上には開きそうにないね」
「そうすると」
「もっと水が貯まったら、限界が来て水門が崩壊する」
「それは…よろしくないな」
貯まりに貯まった水が一気に下流へと流れれば、一体どうなってしまうのか。
下流にて生活する人々からすると正に、未曾有の危機に直面である。
「マスター。メガネをホリー様に渡して、水門の状態を確認してもらう事は出来ますか?」
「水門自体をスキャンするのか…聞いてみるよ」
イズミは水面まで近付いてホリーに相談をする。
「ホリーさん。コレを使って、水中から水門を見て欲しいのですが」
「なんだいコレは」
「人間族が使ったりする、メガネと言う道具です。このメガネは特別製でして、コレで水門を見れば状況を把握出来るようになるんです」
「不思議な魔道具だね…貸して、見てくるよ」
ホリーは娘と共に潜ると、10分程で戻って来た。
「はい、返すよ」
「ありがとうございます…マスタング、どうだ?」
メガネを受け取ったイズミがマスタングに確認すると、スキャンの結果報告が始まった。
「話になりません、水門とは名ばかりの放水口です。手動での調整機能は無く、必要に応じて土魔法で放水口の大きさをその都度調整する、極めてシンプルな構成です」
「なんだそりゃ?」
「いずれは作り直す計画だったのかもしれませんが、現状の我々の力では調整出来ません」
どうも現時点では単なる放水口でしか無く、何の機能も備わっていないらしい。
帝国兵の突貫工事では、そんな技術は積み込みきれなかったのだろう。
そうなると水門を開けると言う選択が消えてしまい、破壊以外の選択肢がイズミの頭から無くなってしまう。
「帝国の人間では無いな。此処には偶然立ち寄ったのさ」
イズミは人魚に簡単ながら自己紹介をすると、人魚側も警戒しつつ名を名乗った。
「アタシはホリー、マーメイド族よ」
「ではホリーさん。私に声をかけた理由をお聞かせ願いたい」
ホリーは水門の方を見ると、自分達の現状を説明してくれた。
「アタシの娘がね、この水門の向こうに居るのさ。少し前に娘が『上流に生えている薬草を探しに行く』と言ったっきり帰って来なくてね、心配になって夫と此処まで来たのさ。そしたら、こんな壁が出来てて」
「娘さんが上流に向かったのは、何時くらいです?」
「一月も行かない位だね」
「では、タイミングが悪かったようですね。向こう側の娘さんとは会話出来てます?」
「…出来てないね。何かあったら深く潜って静かにしておく事って教えてるから、無事だとは思うけど。親としては心配なのよ」
「魔法通信は繋がらない?」
「原因は分からないけど、繋がらないね」
ここまで聞くとホリーさんの娘さんが心配である。
帝国兵に酷い目に遭わされてないと思いたいが、そんな言葉は口には出さない。
下手に不安になり兼ねない発言は避けるのが吉である。
「私が向こうに戻って娘さんに声をかけたとしても、返事はしてくれないですよね」
「知らない人からの声に返事はしないように教えてるから、まず返って来ないね」
「だったら、ホリーさんを向こう側にお連れするのが手っ取り早いですね」
それを聞いたホリーの後ろから男性の人魚が姿を見せ、イズミに向かい戦闘体勢を取ってきた。
「アンタ!まだ会話の途中よ、邪魔はしないで頂戴」
「でもホリー、初対面の人間族相手に」
「今は緊急事態よ!この前姿を見せた男なんて、私達を見たらいきなり弓を射って来たのよ!それと比べてこのイズミって人間はまだ会話が出来てるじゃない」
「分かってる!だが人間族は危険で信用ならない存在なのは、ホリーも知ってるだろう」
「ちょっとアンタ…」
夫婦で言い争っているうちに、マーメイド族における人間族に対する価値観が見えて来た。
少し気まずそうな表情のホリーが、イズミに向けて謝罪をした。
「済まないね。マーメイド族は過去に人間族と争いがあって、そこからは関係をほとんど絶っているのさ」
「それで良いと思いますよ」
「え?」
「過去に起きた事実からの教訓として人間族との関係を絶っていたなら、危険で信用ならないと言う当時の評価のままの判断が妥当でしょう。時が流れて世代が変わったとて、人間族が何か大きく変わっている訳では無いですから、寧ろしっかりと警戒しておくのが正解です。例え自分達は違うとか言う連中が居たとしても、種族単位で括ってしまえば国が違っても同じ人間族…過去から引き継がれている評価を覆す事は困難を極めます」
イズミは岩場にて座り込むと、軽く息を吐いた。
「とは言え今はホリーさん達の緊急事態、これも何かの縁ですからね…お手伝いしますよ?」
イズミの言葉を聞いたホリーは、一度夫の方へと顔を向けて相談を始めた。
その結果、ホリーを貯水池まで運ぶ事になった。
「イズミとやら。ホリーと娘に何かあったら、その身を海の生物達の餌にしてやるからな」
「そうならないように、尽力しますよ」
イズミはホリーを抱きかかえると、重い足取りで来た道を戻りだした。
やはりマスタングと一緒に来るべきだったと、強く後悔をしながら。
明日は全身筋肉痛に襲われる事が確定した所で、どうにかホリーを貯水池まで運び出せた。
道中に魔獣の姿をチラホラと見かけたが、ホリーが睨みつけると逃げるようにして去っていったのだ。
お陰で戦闘をせずに水門の所まで無事に戻って来れたのである。
「…ありがとうね。重かっただろうに」
「お気になさらず。早く娘さんを探しに行って下さい」
「分かったよ」
ホリーが貯水池に潜って行くのを見送ったイズミは、念の為にマスタングに連絡を取った。
「マスタング、偵察部隊だろう連中の様子は?」
「間違い無く、今のやり取りを観測されてます」
「やれやれ…参ったねぇ。でだ、ホリーさんの娘さんが無事だったとして、どうやって下流へ帰すのか」
もう一度下流まで運ぶのは肉体的にも体力的にも厳しいので、別の手段が欲しい所だ。
「水門を開けるのが良いかもしれませんが、マスター単身では厳しいかと」
「だろうな。この大きさの水門を操作するのに、只の人間1人は現実的じゃない。ベリアと一緒でも厳しいよな」
「ほぼ不可能です。かなりの重量物ですので」
とは言え水門を派手に破壊するのも危険となれば、現時点では打つ手無しと言う事になる。
雨も弱まり真っ黒だった雲も一部が灰色に変わっている空を見ていると、ホリーが娘と一緒に水面に姿を現した。
「無事…みたいですね」
「ここ何日もまともな食事を取れてないから体力は減ってるけど、ちゃんと無事だったよ」
「それは何よりです」
「でも、このままではこの貯水池も駄目だね」
「それはどうして?」
ホリーは娘さんを優しく抱きしめながら、水面を指さして話を続ける。
「あの水門はまともに動かないのさ。軽く見てきたけど、今以上には開きそうにないね」
「そうすると」
「もっと水が貯まったら、限界が来て水門が崩壊する」
「それは…よろしくないな」
貯まりに貯まった水が一気に下流へと流れれば、一体どうなってしまうのか。
下流にて生活する人々からすると正に、未曾有の危機に直面である。
「マスター。メガネをホリー様に渡して、水門の状態を確認してもらう事は出来ますか?」
「水門自体をスキャンするのか…聞いてみるよ」
イズミは水面まで近付いてホリーに相談をする。
「ホリーさん。コレを使って、水中から水門を見て欲しいのですが」
「なんだいコレは」
「人間族が使ったりする、メガネと言う道具です。このメガネは特別製でして、コレで水門を見れば状況を把握出来るようになるんです」
「不思議な魔道具だね…貸して、見てくるよ」
ホリーは娘と共に潜ると、10分程で戻って来た。
「はい、返すよ」
「ありがとうございます…マスタング、どうだ?」
メガネを受け取ったイズミがマスタングに確認すると、スキャンの結果報告が始まった。
「話になりません、水門とは名ばかりの放水口です。手動での調整機能は無く、必要に応じて土魔法で放水口の大きさをその都度調整する、極めてシンプルな構成です」
「なんだそりゃ?」
「いずれは作り直す計画だったのかもしれませんが、現状の我々の力では調整出来ません」
どうも現時点では単なる放水口でしか無く、何の機能も備わっていないらしい。
帝国兵の突貫工事では、そんな技術は積み込みきれなかったのだろう。
そうなると水門を開けると言う選択が消えてしまい、破壊以外の選択肢がイズミの頭から無くなってしまう。
31
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~
めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。
しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。
そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。
その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。
(スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)
不死身のボッカ
暁丸
ファンタジー
逓信(ていしん)ギルドに所属する甲殻人ボッカ。歩荷(ぼっか=運搬人)だからボッカと素性を隠す特急便の運搬人。
小柄な身体に見合わぬ怪力、疾風のスピードと疲れ知らずのスタミナで、野を越え山越え荷物を運ぶ。
逓信ギルドの運搬人になったのは、危険な迷宮には入りたく無いから。面倒と危険を避けてすんなり仕事を終わらせたいのに、時にギルド支部長に命じられ行きたくも無い魔獣狩りの運搬人として駆り出される。
割とチートな身体能力を持ちながら、戦闘能力はからっきしで過剰な期待はされたく無い。こんな殺伐とした異世界生活なんかとっとと終わらせて眠るように死にたいと願う、そんな<不死身の歩荷>のお話。
※種族名とか用語は前作と共通にしてますが、別の世界の物語です。世界観も若干違います。
※「歩荷」とは一般的にいう「ポーター」のことですが、長距離運送も兼任しています。
※作者が設定厨なので、時々本筋に関係ない解説回が入ります。
※第16回ファンタジー小説大賞にエントリーしてみました。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる