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第二十七章 サンダーブレード作戦
第五百七十四話 戸惑うオリヴィア
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イズミの自宅である賃貸に到着したオリヴィアは、イズミの案内で家に入ったが直ぐに違和感を抱いた。
梅雨明け迄の仮住まいにしても、見た限り部屋内の家具に生活用品が少ないのだ。
少人数で旅をしているにしてはテーブルや椅子の数が以上に多く、各テーブルに魔石ランタンが置かれているのは接客向けにしか思えないのだ。
「お店でもやってるのかい?」
「色々あってね、俺の趣味だと思ってくれ」
幾つかの魔石ランタンに灯りを点し自分用のドワーフ酒を取り出すと、オリヴィアの分もグラスに注いで渡す。
「オリー、明日になったら俺の旅の相棒を紹介するよ」
「今日はこの家に帰って来ないのかい?」
「忙しいらしくてね。かなりの腕利きさ」
ベリアは今晩はグラテミアの屋敷にて休むと、マスタングにメッセージが来ていた。
こう言う時に魔法通信で連絡をしないのが、此方の状況を理解しているベリアらしい。
その分グラテミアの魔法特訓や、フラウリアの試作中である美容クリームのテスター対応に追われていそうたが。
「アンタ…イズミだったね。まだ呼び慣れてないから、暫くは呼び方が定まらないかもだけど、そこは勘弁して欲しい」
「勿論、時間はあるから大丈夫さ」
「明日の昼間に、私の家から荷物を取ってきても良いかい?旅に出るなら、色々とまとめておきたいし」
「そうだな。梅雨明けはもう少し先になるけど、段取りは早めにしておいた方が後々が楽だからな」
「イズミ、さん…かなり疲れてるみたいだけど」
「イズミで良いぞ。今日は色々とあってね、クタクタなのさ。今日こそ温泉に入るべきだったのかもしれない」
「ベッドは上の階に?あるなら身体を解してあげるよ」
ドワーフ酒を飲み終えた2人が二階へ上がると、イズミは椅子に荷物を置いてからジャケットを脱いだ。
「上着は全部脱いで。何処か痛んだりしないか確かめるから」
「本格的だな」
イズミが上半身裸になると、オリーが魔石ランタンで身体を照らした。
「イズミ、今日は何をしてたのかは敢えて聞かないけど、アチコチに打ち身が出来てるよ。それと身体のバランスも少し崩れてるね…左肩が下がってるし。ポーションや塗り薬はあるかい?」
「…いや、今は無い」
「なら、少し痛むかな」
オリヴィアは羽織っていた上着を脱ぐと、先ずはイズミの身体を伸ばしにかかった。
身体を伸ばさせるとポキポキと骨が鳴り、イズミの運動不足が早くも露呈してしまったが、これは不可抗力である。
「旅人だってのにこんなに身体が硬くなってたら、何かあった時に動けないんじゃないかい?」
「動けはするさ、後日全身が筋肉痛になるだけで」
「それは旅人にとって死活問題のような気がするけど」
「俺の旅路では徒歩移動が少なめでね。だから習慣として運動をしてないと、万年運動不足になる」
「運動不足の旅人って…これは私がちゃんと昼も夜も身体に喝を入れないと駄目かな」
オリヴィアはイズミの左腕をマッサージしようとして触れると、揉み解す前に軽く指でなぞる。
「…ここ、過去に怪我してる?」
「あぁ~、そうだな。幸いな事に治療の出来る人が近くにいたから、魔法で治してもらったんだ。傷跡でもあるのか」
「いや、少し強めに触った時の反応が、他の場所と違ったから」
「そうか、もう痛みは引いてるのだが」
全身のマッサージが終わる頃には、イズミは温泉に入った時のような脱力感に包まれていた。
「…良い心地だ、このまま寝れそう」
「イズミ、この家で猫を飼ってるのかい?」
オリヴィアの質問を聞いたイズミは、あの野良猫が来たのだと思いベッドから起き上がる。
「イズミよ。疲れている所で悪いが、ご飯を出してはくれぬか。ケーキもあった方が良いな」
「どうしたんです?」
「黒いのが当初の想定より遥かに多い数の対応をして、ちと不機嫌なのだ」
「…あぁ、成る程」
突然現れた野良猫と普通に会話をするイズミに、まずオリヴィアは疑問を投げかけた。
「イズミ。猫がしゃべるのは、何かの魔道具とかの仕業?」
「女よ。イズミと共に生きるのであれば、色々と知っておかねばならんな…我は猫の姿をしているだけで、猫では無いのだ」
「えぇ…」
イズミが着替えてオリヴィアと共に馬車置き場へ向かうと、其処には見るからに不機嫌な狼の姿があった。
「イズミよ、我は当初の想定を超える仕事をする羽目になって不機嫌である」
「野良猫さんから聞きましたよ」
「後始末をつけてやったのだ、何か労いも兼ねて良い料理を出してくれたりはせぬのか?」
イズミはマスタングに頼んでボリューム満点の肉料理や、数種類のケーキを実体化して狼と野良猫の前に並べる。
「どうぞ」
「すまぬな」
ガツガツと食べ始めた2匹を横目に、まだ理解に苦しんでいるオリヴィアに簡単な説明をしておく。
「オリー、今の内に説明しておくと…あちらの狼と野良猫さんは、とある神様の眷属です」
「…」
「オリー?」
「ゴメン、ちょっと理解が追いつかない」
「だろうな。だが早めに慣れておかないと、数日後にはもっと大変だぞ?」
そう、数日後には男神様向けのヒュミトールでは最後の酒盛りがある。
イズミと共にいるオリヴィアも当然、その場に居合わせる事が確定しているのだ。
「オリー、甘いお菓子は好きか?」
「突然だね。嫌いじゃ無いけど、私は肉の方が好きかな」
「そうか、なら今度用意するよ」
「角兎なら、飽きるほど食べてるけど」
「別の肉にするさ」
イズミは疲れきった身体を本格的に休ませるべく、追加の料理を狼と野良猫さんに出した後で家に戻り、オリーと共に寝支度を整える。
「オリー、このベッドで寝て良いぞ。俺は床でも寝れるし」
「駄目だね。私と一緒に寝るんだ」
イズミはオリーに引っ張られるようにしてベッドへ倒されると、オリーに密着されるようにして眠る事になった。
梅雨明け迄の仮住まいにしても、見た限り部屋内の家具に生活用品が少ないのだ。
少人数で旅をしているにしてはテーブルや椅子の数が以上に多く、各テーブルに魔石ランタンが置かれているのは接客向けにしか思えないのだ。
「お店でもやってるのかい?」
「色々あってね、俺の趣味だと思ってくれ」
幾つかの魔石ランタンに灯りを点し自分用のドワーフ酒を取り出すと、オリヴィアの分もグラスに注いで渡す。
「オリー、明日になったら俺の旅の相棒を紹介するよ」
「今日はこの家に帰って来ないのかい?」
「忙しいらしくてね。かなりの腕利きさ」
ベリアは今晩はグラテミアの屋敷にて休むと、マスタングにメッセージが来ていた。
こう言う時に魔法通信で連絡をしないのが、此方の状況を理解しているベリアらしい。
その分グラテミアの魔法特訓や、フラウリアの試作中である美容クリームのテスター対応に追われていそうたが。
「アンタ…イズミだったね。まだ呼び慣れてないから、暫くは呼び方が定まらないかもだけど、そこは勘弁して欲しい」
「勿論、時間はあるから大丈夫さ」
「明日の昼間に、私の家から荷物を取ってきても良いかい?旅に出るなら、色々とまとめておきたいし」
「そうだな。梅雨明けはもう少し先になるけど、段取りは早めにしておいた方が後々が楽だからな」
「イズミ、さん…かなり疲れてるみたいだけど」
「イズミで良いぞ。今日は色々とあってね、クタクタなのさ。今日こそ温泉に入るべきだったのかもしれない」
「ベッドは上の階に?あるなら身体を解してあげるよ」
ドワーフ酒を飲み終えた2人が二階へ上がると、イズミは椅子に荷物を置いてからジャケットを脱いだ。
「上着は全部脱いで。何処か痛んだりしないか確かめるから」
「本格的だな」
イズミが上半身裸になると、オリーが魔石ランタンで身体を照らした。
「イズミ、今日は何をしてたのかは敢えて聞かないけど、アチコチに打ち身が出来てるよ。それと身体のバランスも少し崩れてるね…左肩が下がってるし。ポーションや塗り薬はあるかい?」
「…いや、今は無い」
「なら、少し痛むかな」
オリヴィアは羽織っていた上着を脱ぐと、先ずはイズミの身体を伸ばしにかかった。
身体を伸ばさせるとポキポキと骨が鳴り、イズミの運動不足が早くも露呈してしまったが、これは不可抗力である。
「旅人だってのにこんなに身体が硬くなってたら、何かあった時に動けないんじゃないかい?」
「動けはするさ、後日全身が筋肉痛になるだけで」
「それは旅人にとって死活問題のような気がするけど」
「俺の旅路では徒歩移動が少なめでね。だから習慣として運動をしてないと、万年運動不足になる」
「運動不足の旅人って…これは私がちゃんと昼も夜も身体に喝を入れないと駄目かな」
オリヴィアはイズミの左腕をマッサージしようとして触れると、揉み解す前に軽く指でなぞる。
「…ここ、過去に怪我してる?」
「あぁ~、そうだな。幸いな事に治療の出来る人が近くにいたから、魔法で治してもらったんだ。傷跡でもあるのか」
「いや、少し強めに触った時の反応が、他の場所と違ったから」
「そうか、もう痛みは引いてるのだが」
全身のマッサージが終わる頃には、イズミは温泉に入った時のような脱力感に包まれていた。
「…良い心地だ、このまま寝れそう」
「イズミ、この家で猫を飼ってるのかい?」
オリヴィアの質問を聞いたイズミは、あの野良猫が来たのだと思いベッドから起き上がる。
「イズミよ。疲れている所で悪いが、ご飯を出してはくれぬか。ケーキもあった方が良いな」
「どうしたんです?」
「黒いのが当初の想定より遥かに多い数の対応をして、ちと不機嫌なのだ」
「…あぁ、成る程」
突然現れた野良猫と普通に会話をするイズミに、まずオリヴィアは疑問を投げかけた。
「イズミ。猫がしゃべるのは、何かの魔道具とかの仕業?」
「女よ。イズミと共に生きるのであれば、色々と知っておかねばならんな…我は猫の姿をしているだけで、猫では無いのだ」
「えぇ…」
イズミが着替えてオリヴィアと共に馬車置き場へ向かうと、其処には見るからに不機嫌な狼の姿があった。
「イズミよ、我は当初の想定を超える仕事をする羽目になって不機嫌である」
「野良猫さんから聞きましたよ」
「後始末をつけてやったのだ、何か労いも兼ねて良い料理を出してくれたりはせぬのか?」
イズミはマスタングに頼んでボリューム満点の肉料理や、数種類のケーキを実体化して狼と野良猫の前に並べる。
「どうぞ」
「すまぬな」
ガツガツと食べ始めた2匹を横目に、まだ理解に苦しんでいるオリヴィアに簡単な説明をしておく。
「オリー、今の内に説明しておくと…あちらの狼と野良猫さんは、とある神様の眷属です」
「…」
「オリー?」
「ゴメン、ちょっと理解が追いつかない」
「だろうな。だが早めに慣れておかないと、数日後にはもっと大変だぞ?」
そう、数日後には男神様向けのヒュミトールでは最後の酒盛りがある。
イズミと共にいるオリヴィアも当然、その場に居合わせる事が確定しているのだ。
「オリー、甘いお菓子は好きか?」
「突然だね。嫌いじゃ無いけど、私は肉の方が好きかな」
「そうか、なら今度用意するよ」
「角兎なら、飽きるほど食べてるけど」
「別の肉にするさ」
イズミは疲れきった身体を本格的に休ませるべく、追加の料理を狼と野良猫さんに出した後で家に戻り、オリーと共に寝支度を整える。
「オリー、このベッドで寝て良いぞ。俺は床でも寝れるし」
「駄目だね。私と一緒に寝るんだ」
イズミはオリーに引っ張られるようにしてベッドへ倒されると、オリーに密着されるようにして眠る事になった。
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