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第一章 異世界転移
第十二話 出発
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魂の契約でかなり身体を消耗したのか、全身がダルい。
そこで長老にお願いをして、今日は長老が手配した部屋で休める事になった。
俺は明日、村を出発する事を長老に伝えた。
「この世界で生きていく覚悟が決まったのかのぅ。顔付きが違っておるわぃ」
自分にはよく分からないが、そうするしか道がないのだから、グダグダしているよりはマシだろう。
お菓子は昨日渡したエルフ達にプレゼントした。
ラムネは2本、俺が確保したが。
エルフ達は大喜びで何処かへ行ってしまった。
部屋でラムネを飲みつつ、外にいるマスタングを見る。
…俺が自宅でビールを片手にやりたかった事だ。
俺の腕時計では12時を指し示している。
太陽は真上を少し過ぎた位だろうか。
時間の感覚は元いた世界と近しいのかもしれない。
よく分からないが。
そんな時、扉付近に魔法陣が現れた。
そこからアーリアで出てきた。
「待たせたわね」
そう言ってブレスレットを取り出した。
アーリアはそのブレスレットをテーブルの上にそっと置いた。
かなり凝っているデザインだ。
短時間で作ったとは思えない代物だが、そこはアーリア達の知識や技術の賜物なのだろう。
俺はテーブルへと向かい、ポケットに仕舞っていた懐中時計をそっと置いた。
「交渉成立だな?」
「…交渉成立ね」
アーリアへ懐中時計を渡し、俺は受け取ったブレスレットを左手首に着けた。
身に着けるだけで機能するらしい。
アーリアにも俺が明日村を出発する事を伝える。
「1人旅にはキツい所もあるとは思うけど、何かあれば連絡を頂戴」
そう言ってカーキ色みたいなローブを渡された。
「貴方の服はどうしても目立つから、このローブで隠すか旅先で買いなさい」
アーリアはそう言って未開封のラムネをお代と言わんばかりに手に取り、魔法陣へと消えていった。
夕ご飯を長老達と食べて、明日の出発に備えて早めに眠る事にした。
明日からは色々と大変になるからな。
翌朝、俺はお菓子のお礼にと水や食料をエルフ達から頂いた。
それを手に長老達に挨拶を済ませて車へ向かった。
長老には提供した武器の事は内密に、と念を押しておいた。
「勿論だとも。あの武器を元に、儂らエルフ族に適した改良を施した物を作らせてもらうわぃ」
そう豪快に笑いながら言われてしまった。
そんな強かさが、この世界を生き抜くには必要なのだろう。
「マスタング、この村を出発する。足元が悪いから浮遊して行こう」
そう指示すると音声が流れ、車が浮き上がった。
俺はハンドルを握り締め、アクセルを踏んだ。
燃料が俺の魔力になっても、力強いエンジン音は昔のままだ。
これは嬉しい誤算だ。
森を抜けて草原に出てきた。
来た道を戻るのは得策ではないと判断し、マスタングに聞いてみる。
「この前通った道以外で、近くに村や町はあるか?」
少しの間を置いて反応が返ってきた。
「10時方向に40km程進むとベベロと言う町があります」
ベベロ…マスタングの説明では余り良い所とは言えないらしい。
近くに着いたらアーリアにも聞いてみるとしよう。
俺はアーリアから貰ったイヤリングを右耳に着け、アクセルを踏んだ。
異世界を本格的に走り回る。
そんな漠然とした目的しか頭に無い…と言うと嘘になるが、まずはこの世界の町がどんなものなのか見たくなったのだ。
長老達からは水と食料を頂いてはいるが、様々な町で売っている物に舌鼓を打つ。
これは旅の醍醐味と言っても過言ではない。
昨日丸一日を休息に使ったとはいえ、まだマスタングの調子を私が分かっていないし自分の体調も鑑みて、ゆっくりまったりドライブをする事に決めた。
しばらく走らせると、マスタングからのアナウンスが入る。
「警告、半径3km圏内に犯罪歴のある魔力を検知しました」
周囲を確認してみるが、俺の肉眼では確認出来ない。
「何処に向かっているか分かるか?」
「確認しました。ベベロから帝国首都方面へ向かうルートを走行しています」
ベベロから帝国首都…
ベベロという町はマスタングの報告では、良くない町らしい。
俺のいた世界だとスラム街に近いのだろうか?
「ベベロと言う町にはその…真っ当なヤツはいるのか?」
マスタングは即答する。
あの魔術師の方が詳しい…と。
俺はイヤリングに意識を傾け、アーリアに連絡を取る。
「アーリア、聞こえるか?」
「…えぇ、聞こえてる」
アーリアにベベロ町の事を尋ねる。
「ベベロ?そこは犯罪歴のあるヤツくらいしか居ないわよ」
小悪党と悪党しか居ない。とまで言い切られた。
場末の町か?
そんな町から出て来た馬車か…
迂回するのが吉だな。
「報告。犯罪歴の魔力付近に捕縛魔法を検知しました」
マスタングの音声にアーリアが反応する。
「捕縛魔法?…それは問題ありね」
話を聞くには、捕縛魔法の対象は主に犯罪者に対してだ。
しかし、犯罪者…悪党が捕縛魔法を使う場合、そのほとんどが捕虜や奴隷なのだと言う。
「よくそんな魔法を探知出来たわね」
捕縛魔法は探知が難しい…だから捜索が困難との事だ。
「そりゃ…」
俺は一瞬、考え込んだ。
アーティファクトの能力だ、と話してしまうべきか否か。
「その馬車の近くに居るからな」
俺の肉眼でも、馬車を確認出来たので一旦車を止める。
相手の観察が必要だと思ったからだ。
「アーリア、こちらに転移は出来るか?」
どうなるかは分からないが、戦力は多い方が良い。
「ごめんなさい、直ぐには無理」
俺はアーリアとの再度連絡する約束をして魔法通信を切る。
目を細めて馬車を見つめた。
走っている馬車は合計で3台。
こちらの存在に気付いているかは不明だ。
「マスタング、馬車に居る人間の数は確認出来るか?」
返信は早かった。
「マスター。可能ではありますが、逆探知されるかと」
それはやむを得ない。
探知を依頼する。
その直後、馬車の動きが遅くなり…停止した。
そこで長老にお願いをして、今日は長老が手配した部屋で休める事になった。
俺は明日、村を出発する事を長老に伝えた。
「この世界で生きていく覚悟が決まったのかのぅ。顔付きが違っておるわぃ」
自分にはよく分からないが、そうするしか道がないのだから、グダグダしているよりはマシだろう。
お菓子は昨日渡したエルフ達にプレゼントした。
ラムネは2本、俺が確保したが。
エルフ達は大喜びで何処かへ行ってしまった。
部屋でラムネを飲みつつ、外にいるマスタングを見る。
…俺が自宅でビールを片手にやりたかった事だ。
俺の腕時計では12時を指し示している。
太陽は真上を少し過ぎた位だろうか。
時間の感覚は元いた世界と近しいのかもしれない。
よく分からないが。
そんな時、扉付近に魔法陣が現れた。
そこからアーリアで出てきた。
「待たせたわね」
そう言ってブレスレットを取り出した。
アーリアはそのブレスレットをテーブルの上にそっと置いた。
かなり凝っているデザインだ。
短時間で作ったとは思えない代物だが、そこはアーリア達の知識や技術の賜物なのだろう。
俺はテーブルへと向かい、ポケットに仕舞っていた懐中時計をそっと置いた。
「交渉成立だな?」
「…交渉成立ね」
アーリアへ懐中時計を渡し、俺は受け取ったブレスレットを左手首に着けた。
身に着けるだけで機能するらしい。
アーリアにも俺が明日村を出発する事を伝える。
「1人旅にはキツい所もあるとは思うけど、何かあれば連絡を頂戴」
そう言ってカーキ色みたいなローブを渡された。
「貴方の服はどうしても目立つから、このローブで隠すか旅先で買いなさい」
アーリアはそう言って未開封のラムネをお代と言わんばかりに手に取り、魔法陣へと消えていった。
夕ご飯を長老達と食べて、明日の出発に備えて早めに眠る事にした。
明日からは色々と大変になるからな。
翌朝、俺はお菓子のお礼にと水や食料をエルフ達から頂いた。
それを手に長老達に挨拶を済ませて車へ向かった。
長老には提供した武器の事は内密に、と念を押しておいた。
「勿論だとも。あの武器を元に、儂らエルフ族に適した改良を施した物を作らせてもらうわぃ」
そう豪快に笑いながら言われてしまった。
そんな強かさが、この世界を生き抜くには必要なのだろう。
「マスタング、この村を出発する。足元が悪いから浮遊して行こう」
そう指示すると音声が流れ、車が浮き上がった。
俺はハンドルを握り締め、アクセルを踏んだ。
燃料が俺の魔力になっても、力強いエンジン音は昔のままだ。
これは嬉しい誤算だ。
森を抜けて草原に出てきた。
来た道を戻るのは得策ではないと判断し、マスタングに聞いてみる。
「この前通った道以外で、近くに村や町はあるか?」
少しの間を置いて反応が返ってきた。
「10時方向に40km程進むとベベロと言う町があります」
ベベロ…マスタングの説明では余り良い所とは言えないらしい。
近くに着いたらアーリアにも聞いてみるとしよう。
俺はアーリアから貰ったイヤリングを右耳に着け、アクセルを踏んだ。
異世界を本格的に走り回る。
そんな漠然とした目的しか頭に無い…と言うと嘘になるが、まずはこの世界の町がどんなものなのか見たくなったのだ。
長老達からは水と食料を頂いてはいるが、様々な町で売っている物に舌鼓を打つ。
これは旅の醍醐味と言っても過言ではない。
昨日丸一日を休息に使ったとはいえ、まだマスタングの調子を私が分かっていないし自分の体調も鑑みて、ゆっくりまったりドライブをする事に決めた。
しばらく走らせると、マスタングからのアナウンスが入る。
「警告、半径3km圏内に犯罪歴のある魔力を検知しました」
周囲を確認してみるが、俺の肉眼では確認出来ない。
「何処に向かっているか分かるか?」
「確認しました。ベベロから帝国首都方面へ向かうルートを走行しています」
ベベロから帝国首都…
ベベロという町はマスタングの報告では、良くない町らしい。
俺のいた世界だとスラム街に近いのだろうか?
「ベベロと言う町にはその…真っ当なヤツはいるのか?」
マスタングは即答する。
あの魔術師の方が詳しい…と。
俺はイヤリングに意識を傾け、アーリアに連絡を取る。
「アーリア、聞こえるか?」
「…えぇ、聞こえてる」
アーリアにベベロ町の事を尋ねる。
「ベベロ?そこは犯罪歴のあるヤツくらいしか居ないわよ」
小悪党と悪党しか居ない。とまで言い切られた。
場末の町か?
そんな町から出て来た馬車か…
迂回するのが吉だな。
「報告。犯罪歴の魔力付近に捕縛魔法を検知しました」
マスタングの音声にアーリアが反応する。
「捕縛魔法?…それは問題ありね」
話を聞くには、捕縛魔法の対象は主に犯罪者に対してだ。
しかし、犯罪者…悪党が捕縛魔法を使う場合、そのほとんどが捕虜や奴隷なのだと言う。
「よくそんな魔法を探知出来たわね」
捕縛魔法は探知が難しい…だから捜索が困難との事だ。
「そりゃ…」
俺は一瞬、考え込んだ。
アーティファクトの能力だ、と話してしまうべきか否か。
「その馬車の近くに居るからな」
俺の肉眼でも、馬車を確認出来たので一旦車を止める。
相手の観察が必要だと思ったからだ。
「アーリア、こちらに転移は出来るか?」
どうなるかは分からないが、戦力は多い方が良い。
「ごめんなさい、直ぐには無理」
俺はアーリアとの再度連絡する約束をして魔法通信を切る。
目を細めて馬車を見つめた。
走っている馬車は合計で3台。
こちらの存在に気付いているかは不明だ。
「マスタング、馬車に居る人間の数は確認出来るか?」
返信は早かった。
「マスター。可能ではありますが、逆探知されるかと」
それはやむを得ない。
探知を依頼する。
その直後、馬車の動きが遅くなり…停止した。
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