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第四章 旅と戦闘
第四十八話 無茶振り
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森林地帯の奥から現れたのは、カレンが言っていたフォレストオーガだった。
見る限りオーガと熊を足して2で割ったような姿だった。
二足歩行の人型なのはオーガの特徴だが、その全身は熊のような毛皮で被われている。
全長は3メートルはあるだろう巨体が、木々の隙間から現れた。
思わず息を止めて固まってしまうイズミとカレンの前で、フォレストオーガはゴブリンの肉を喰らい始めた。
ゆっくりと後退りで移動を始める2人だったが、騎士の坊やはフォレストオーガと目が合ってしまったのだろうか…叫び声こそ上げなかったが、握っていた剣を捨てるや背を向けて走り出してしまった。
その姿を捉えたフォレストオーガはその巨大からは想像出来ない速さで、逃げる騎士に追いついて右腕で叩き飛ばした。
宙を舞い木に叩き付けられた騎士が倒れ込む。
ゆっくりと近付くフォレストオーガに対して、イズミは慌ててマグナムを連続で撃ち込んだ。
マグナムを撃ち込まれたフォレストオーガはよろけたものの、倒れはしなかった。
大型の魔物故に、致命傷にまではならなかったのかもしれない。
カレンがクロスボウを連射し、同時に爆発した事でやっと倒れ込んだ。
「…無事か?」
イズミはフォレストオーガの動向に注意しながら、倒れ込む騎士に近付いて容態を確認した。
甲冑はかなり凹んでいたが、身体には大きなダメージは見られなかった。
内臓系は今の衝撃で揺さぶられたかもしれないが…
上半身を起こした騎士はヘルメットを脱ぎ捨て嘔吐したものの、血は吐いていなかった。
「ふざけやがって…」
騎士はフラつきながらも立ち上がると、突然イズミの持っていたマグナムを奪い取りフォレストオーガにとどめを刺そうと近付いて行った。
興奮状態で痛みが遠のいているのか、止めようとしたイズミを突き飛ばし、フォレストオーガの目の前に立った騎士は、オーガの頭にマグナムの照準を合わせる。
「魔物如きが俺様に何してくれやがる!さっさと死ね!」
騎士はイズミの戦闘中の動きを観察していたのか、近付いて来た時のマグナムの構え方から推理したのかは不明だが、ぎこち無い動きでマグナムの引き金に指をかけた。
カキン。
騎士は確かにマグナムの引き金を引いた。
ハンマーも落ちた。
雷管を叩く音もした。
しかし、弾丸は発射されなかった。
騎士はもう一度引き金を引いたが、結果は変わらなかった。
「…弾切れだよ。坊や」
起き上がったイズミは、フォレストオーガの前に立つ騎士の背中に向かって小さな声で呟いた。
その直後にフォレストオーガは最後の力で騎士の腕に甲冑ごと噛み付いた。
騎士の叫び声が木霊する。
イズミはマスタングから急いでショットガンを取り出し、騎士の腕を吹き飛ばさないように注意してフォレストオーガの頭を撃ち抜いた。
フォレストオーガの口をイズミとカレン、2人がかりで開かせて騎士の右手を引っ張り出す。
上物の甲冑なのか、歯形に凹んではいるものの噛み千切られてはいなかった。
しかし、かなりめり込んでいたのか騎士はうめき声を上げ続けている。
イズミは地面に落ちていたマグナムを拾い上げると、銃口に土が詰まっていない事を確認してから弾込めをした。
帰ったらメンテナンスをしなければ。
そう考えていると、近くでゴソゴソと音がなっている事に気付いた。
耳を澄ましていると、木の枝を踏んで折ったような音がした。
「…誰かいるのか?」
イズミは音のした方向にマグナムを向ける。
じっとりと汗ばむのが分かる。
ゴブリンにフォレストオーガ、次は何なのだろうか?
「すまない!今から姿を見せるから、攻撃しないでくれ!」
その言葉と共に、4人ほどが武器を構えずに姿を見せた。
「俺達は『焔と大洋』って冒険者パーティーだ。ギルドからの依頼で、ゴブリンの巣について調査していたんだ」
イズミとカレンは、現れた冒険者パーティーの話を聞く事にした。
イズミ達が到着する数刻前に到着して、ゴブリンの数や巣の規模を調査して帰る所だったらしい。
「で、破裂音やら爆発音がしたから、上級の魔物もいるのかと思って。距離を取って様子を見ていました」
パーティー編成を聞くと、斥候1人、剣士2人、魔術士1人だと言う。
イズミは緊張状態の影響か、相手の名前を聞き忘れてしまっていた。
その時ふと、この冒険者達に面倒くさいあれこれを押し付けてしまおうかと、悪い考えが浮かんだ。
ゴブリンの後処理とか、フォレストオーガの解体とか、その他諸々。
「なぁ、ここで会ったのも何かの縁だ。色々と押し付け…頼みたい話があるのだが」
冒険者パーティーは首を傾げつつ、イズミの言葉の続きを聞く事にした。
見る限りオーガと熊を足して2で割ったような姿だった。
二足歩行の人型なのはオーガの特徴だが、その全身は熊のような毛皮で被われている。
全長は3メートルはあるだろう巨体が、木々の隙間から現れた。
思わず息を止めて固まってしまうイズミとカレンの前で、フォレストオーガはゴブリンの肉を喰らい始めた。
ゆっくりと後退りで移動を始める2人だったが、騎士の坊やはフォレストオーガと目が合ってしまったのだろうか…叫び声こそ上げなかったが、握っていた剣を捨てるや背を向けて走り出してしまった。
その姿を捉えたフォレストオーガはその巨大からは想像出来ない速さで、逃げる騎士に追いついて右腕で叩き飛ばした。
宙を舞い木に叩き付けられた騎士が倒れ込む。
ゆっくりと近付くフォレストオーガに対して、イズミは慌ててマグナムを連続で撃ち込んだ。
マグナムを撃ち込まれたフォレストオーガはよろけたものの、倒れはしなかった。
大型の魔物故に、致命傷にまではならなかったのかもしれない。
カレンがクロスボウを連射し、同時に爆発した事でやっと倒れ込んだ。
「…無事か?」
イズミはフォレストオーガの動向に注意しながら、倒れ込む騎士に近付いて容態を確認した。
甲冑はかなり凹んでいたが、身体には大きなダメージは見られなかった。
内臓系は今の衝撃で揺さぶられたかもしれないが…
上半身を起こした騎士はヘルメットを脱ぎ捨て嘔吐したものの、血は吐いていなかった。
「ふざけやがって…」
騎士はフラつきながらも立ち上がると、突然イズミの持っていたマグナムを奪い取りフォレストオーガにとどめを刺そうと近付いて行った。
興奮状態で痛みが遠のいているのか、止めようとしたイズミを突き飛ばし、フォレストオーガの目の前に立った騎士は、オーガの頭にマグナムの照準を合わせる。
「魔物如きが俺様に何してくれやがる!さっさと死ね!」
騎士はイズミの戦闘中の動きを観察していたのか、近付いて来た時のマグナムの構え方から推理したのかは不明だが、ぎこち無い動きでマグナムの引き金に指をかけた。
カキン。
騎士は確かにマグナムの引き金を引いた。
ハンマーも落ちた。
雷管を叩く音もした。
しかし、弾丸は発射されなかった。
騎士はもう一度引き金を引いたが、結果は変わらなかった。
「…弾切れだよ。坊や」
起き上がったイズミは、フォレストオーガの前に立つ騎士の背中に向かって小さな声で呟いた。
その直後にフォレストオーガは最後の力で騎士の腕に甲冑ごと噛み付いた。
騎士の叫び声が木霊する。
イズミはマスタングから急いでショットガンを取り出し、騎士の腕を吹き飛ばさないように注意してフォレストオーガの頭を撃ち抜いた。
フォレストオーガの口をイズミとカレン、2人がかりで開かせて騎士の右手を引っ張り出す。
上物の甲冑なのか、歯形に凹んではいるものの噛み千切られてはいなかった。
しかし、かなりめり込んでいたのか騎士はうめき声を上げ続けている。
イズミは地面に落ちていたマグナムを拾い上げると、銃口に土が詰まっていない事を確認してから弾込めをした。
帰ったらメンテナンスをしなければ。
そう考えていると、近くでゴソゴソと音がなっている事に気付いた。
耳を澄ましていると、木の枝を踏んで折ったような音がした。
「…誰かいるのか?」
イズミは音のした方向にマグナムを向ける。
じっとりと汗ばむのが分かる。
ゴブリンにフォレストオーガ、次は何なのだろうか?
「すまない!今から姿を見せるから、攻撃しないでくれ!」
その言葉と共に、4人ほどが武器を構えずに姿を見せた。
「俺達は『焔と大洋』って冒険者パーティーだ。ギルドからの依頼で、ゴブリンの巣について調査していたんだ」
イズミとカレンは、現れた冒険者パーティーの話を聞く事にした。
イズミ達が到着する数刻前に到着して、ゴブリンの数や巣の規模を調査して帰る所だったらしい。
「で、破裂音やら爆発音がしたから、上級の魔物もいるのかと思って。距離を取って様子を見ていました」
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イズミは緊張状態の影響か、相手の名前を聞き忘れてしまっていた。
その時ふと、この冒険者達に面倒くさいあれこれを押し付けてしまおうかと、悪い考えが浮かんだ。
ゴブリンの後処理とか、フォレストオーガの解体とか、その他諸々。
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