異世界無宿

ゆきねる

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第六章 ダンジョン発見

第六十九話 持久戦

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最初の襲撃を打ち負かしてからは、魔物もイズミ達の戦闘範囲を理解したのか姿は見せても攻撃はして来なかった。

まだ油断は禁物ではあるが、カレンに持って来たろうそくを燭台に設置するように頼んだ。
セミオート式のショットガンであれば、何とか魔物の攻撃も凌げると踏んだのである。

カレンがクロスボウのライトを消し、駆け足で燭台に向かうのとほぼ同じタイミングで、イズミの持つライトが照らす草木の間から魔物が頭を覗かせる。

「…魔物も狩りに関しては利口だな」

イズミは片膝を立ててスリングを左手に巻きつけ、ストックを右肩に押し付けるようにショットガンを構えた。
不格好ながらもライトを逆手で保持して夜のダンジョンを照らす。

この構えでは弾込めに難があるものの、敵はこのショットガンの装弾数を把握してはいない。
カレンが戻って来るまでならば問題ないはずだ。


「イズミさん、明かりを灯し終わりました。この広場だけですが」

カレンが戻って来てクロスボウの準備をする。
周囲を見渡すと確かに広場が明るくなったように感じる。
感謝の言葉を述べたイズミは、倒した魔物へと目をやる。

「カレン。この魔物のランクはどうなんだ?」

素朴な疑問である。
ここのダンジョンがどのランクの冒険者向けになるのか、それ次第で未来像が大きく変化するのだ。

それに、自分の使用している武器で対応出来る魔物のランクも分かる。

「CからDランクかと思いますが、群れを相手する場合は勝手が違うかと」

1体ならば余裕でも、複数体同時は別だ。
ゴブリンとゴブリンの巣では難易度が違うのと似たようなものだろう。

「調査隊が戻って来たら聞いてみるか」

イズミはライトの端から姿を見せた魔物へ向かって、ショットガンを1発撃ち込もうと狙いをつける。


ガサガサ…


魔物が草木へと隠れてしまった。
ライトが当たると、イズミ達を睨みつつも後ろへ下がってしまうのだ。

攻撃して来ないならば、こちらから攻撃する必要も無いと判断したイズミは、布袋の上にライトを置いて身体を伸ばした。

「少し後ろに下がる。足が痺れてきた」

イズミは慣れない体勢だったからか足痺れて来ており、カレンにダンジョン入口を見てもらう事にした。

「冒険者ってのは、ダンジョンの夜でも移動するのか?」

「ほとんどの場合、夜は動きません。視界も確保し難いですし、何より危険ですので」

イズミがショットガンを近くに置いて、足の柔軟をしながら考える。

「では調査隊が戻って来るのは、最短でも明日になる可能性が高いって事になるのか」

この世界の1日がダンジョンの日中帯、つまり半日と仮定した場合の話ではあるが、そうなるともう1日はこのダンジョン入口を見張る必要がある。

普通に考えてイズミとカレンの2人では荷が重い。
主に休憩時間の話にはなるが。

「そうですね。ガルシアは接近戦特化ですし、他の方は皆一線を退いてますし」

カレンが階段の方を一度見てから答えた。
イズミはショットガンを持ち直すと、小さく気合を入れる。
ここが踏ん張りどころと言う事だろう。

「じゃ、ダンジョンの夜が明けるまで…頑張るとしますか」
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