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第十章 気楽な一人旅
第百三十六話 ブロズムナード辺境伯領
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グリフォン騒ぎで思わぬ臨時報酬を手に入れたイズミは今、シュリンプ料理を目指してマスタングを走らせている。
宿屋を出発してから数時間、天気の良い海辺の道を進むマスタングの前方を何台かの馬車が走っていたが、その横を馬が驚かないように注意しながら通り過ぎた。
腕時計を確認すると、11時に差し掛かった所で町が見えて来た。
「マスター。目の前の町からブロズムナード辺境伯の領地となります」
「そうか…エレナ達は元気にしてるかな?とは言っても、そんなに日も経っていないが」
イズミはそんな事を考えながら、町の入口へと向かって行った。
国は一緒でも領地を跨ぐ事になるからか、町の入口では衛兵が通過する馬車や人の確認をしていた。
順番を守って馬車の後ろに並んだイズミは、少しだけ窓を開けて声を聞き取りやすくしておく。
「入ってよし…次!」
とうとうイズミの順番が回ってきた。
「この辺りでは見かけない風貌だな、冒険者か…名前は?」
「イズミだ。あちこちを旅している。この地方で美味しいシュリンプ料理を食べられる店があると、旅路で知り合った人から聞いたのでな」
確認をする衛兵に笑顔で答えた。
隠す必要も特に無いので、目的も伝えておいた。
「この町じゃないが、シュリンプ料理を出す店はあるな。入領には銀貨1枚だ…ここの領主様は良心的でな、他なら倍は取られるぞ」
そんな小話を聞きながら、イズミは銀貨1枚を衛兵に渡した。
「確かに。通ってよし」
あっさり入領を許可されたので、イズミはアクセルを少しだけ踏み込んでゆっくりと町へと進んで行く。
町中へと進むマスタングの背後では、衛兵達が次の入領者の確認を始める。
その内の1人が、衛兵隊の庁舎へと入っていく。
「隊長、報告します。イズミと名乗る男が入領しました。事前情報とも一致しています」
「そうか…では、急ぎ本隊へ連絡しなくてはな。ご苦労」
衛兵隊も衛兵隊で、与えられた任務を全うしていた。
それは数日前に本隊からの早馬で届いた伝令がきっかけだった。
【イズミと名乗る男が入領したら、速やかに本部へ報告を行う事。特徴は黒髪に黒い目。馬を使用しない馬車型の魔道具を所有。無用な手出しは禁ずるものとする。アレクセイ・ブロズムナード辺境伯】
最初は緊急の手配書かとも思ったが、指示には入領の報告と手出しをしない事の2つしか無かったので、特に負担にもならないものだった。
隊長は伝令と共に支給されていた魔法通信の魔道具を使い、本隊へ連絡を取り始める。
「南方第二衛兵隊です。たった今、イズミと名乗る男が入領しました。黒髪の黒目で、外見の特徴も一致しております…入領目的ですか?シュリンプ料理を食べる為との事です」
連絡を取り終えた衛兵は、静かに椅子へ寄り掛かった。
伝令にあった報告は完了し、無用な手出しもしていない。
こらで件の男が町で何か厄介事に巻き込まれたり、巻き起こしたりさえしなければ衛兵隊としても問題は無い。
「隊長。先ほどの男に監視を付けた方が良いのでは?」
部下がそう提案をして来たが、その提案は却下した。
「その必要は無い。無用な手出しは禁じられているからな。それに…」
隊長は部下の肩を優しく叩きながら続ける。
「私の見立てだが、件の男は監視など付けなくても目立つ。この町にいるならば、指示を受けた直後でもすぐに見つかるさ」
宿屋を出発してから数時間、天気の良い海辺の道を進むマスタングの前方を何台かの馬車が走っていたが、その横を馬が驚かないように注意しながら通り過ぎた。
腕時計を確認すると、11時に差し掛かった所で町が見えて来た。
「マスター。目の前の町からブロズムナード辺境伯の領地となります」
「そうか…エレナ達は元気にしてるかな?とは言っても、そんなに日も経っていないが」
イズミはそんな事を考えながら、町の入口へと向かって行った。
国は一緒でも領地を跨ぐ事になるからか、町の入口では衛兵が通過する馬車や人の確認をしていた。
順番を守って馬車の後ろに並んだイズミは、少しだけ窓を開けて声を聞き取りやすくしておく。
「入ってよし…次!」
とうとうイズミの順番が回ってきた。
「この辺りでは見かけない風貌だな、冒険者か…名前は?」
「イズミだ。あちこちを旅している。この地方で美味しいシュリンプ料理を食べられる店があると、旅路で知り合った人から聞いたのでな」
確認をする衛兵に笑顔で答えた。
隠す必要も特に無いので、目的も伝えておいた。
「この町じゃないが、シュリンプ料理を出す店はあるな。入領には銀貨1枚だ…ここの領主様は良心的でな、他なら倍は取られるぞ」
そんな小話を聞きながら、イズミは銀貨1枚を衛兵に渡した。
「確かに。通ってよし」
あっさり入領を許可されたので、イズミはアクセルを少しだけ踏み込んでゆっくりと町へと進んで行く。
町中へと進むマスタングの背後では、衛兵達が次の入領者の確認を始める。
その内の1人が、衛兵隊の庁舎へと入っていく。
「隊長、報告します。イズミと名乗る男が入領しました。事前情報とも一致しています」
「そうか…では、急ぎ本隊へ連絡しなくてはな。ご苦労」
衛兵隊も衛兵隊で、与えられた任務を全うしていた。
それは数日前に本隊からの早馬で届いた伝令がきっかけだった。
【イズミと名乗る男が入領したら、速やかに本部へ報告を行う事。特徴は黒髪に黒い目。馬を使用しない馬車型の魔道具を所有。無用な手出しは禁ずるものとする。アレクセイ・ブロズムナード辺境伯】
最初は緊急の手配書かとも思ったが、指示には入領の報告と手出しをしない事の2つしか無かったので、特に負担にもならないものだった。
隊長は伝令と共に支給されていた魔法通信の魔道具を使い、本隊へ連絡を取り始める。
「南方第二衛兵隊です。たった今、イズミと名乗る男が入領しました。黒髪の黒目で、外見の特徴も一致しております…入領目的ですか?シュリンプ料理を食べる為との事です」
連絡を取り終えた衛兵は、静かに椅子へ寄り掛かった。
伝令にあった報告は完了し、無用な手出しもしていない。
こらで件の男が町で何か厄介事に巻き込まれたり、巻き起こしたりさえしなければ衛兵隊としても問題は無い。
「隊長。先ほどの男に監視を付けた方が良いのでは?」
部下がそう提案をして来たが、その提案は却下した。
「その必要は無い。無用な手出しは禁じられているからな。それに…」
隊長は部下の肩を優しく叩きながら続ける。
「私の見立てだが、件の男は監視など付けなくても目立つ。この町にいるならば、指示を受けた直後でもすぐに見つかるさ」
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