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第十五章 ハルハンディア共和国
第二百五話 ドワーフ酒の1級品?
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ドワーフは酒のつまみを口に運ぶと、少し考え込む。
その間に、イズミは酒を飲んで喉を潤した。
酒臭さを薄くする為に、この店では果物の汁を多めに入れたのだろう。
しっかりと果物の味が分かりはしたが、提供前に混ぜて撹拌はいないのかもしれない。
イズミはジャーキーを食べつつ、空いている指でグラス内の氷を抑え2周程回した。
「やはり飲み慣れた者の手つきだ」
「折角氷が入っているのですから、回した方が冷たくなって美味しく飲めそうかと」
「手際の良さは隠せておらんぞ」
ドワーフとエルフがイズミを見つめる。
気にせずに酒を飲むが、どうも落ち着かない。
「…1級品もピンキリだ。強いが優しい口当たりで、匂いも落ち着いたものになっているのが多い。単により強くなっただけの酒もある。基本的には2級品の上位グレードだな」
ドワーフが簡単に説明をしてくれた。
高級な分、製造工程にこだわりが詰まっているのだろう。
ドワーフは大きく息を吐くと、イズミの目を見て言った。
「イズミ。儂はアンタがアレンジレシピを作った、あるいはレシピが生まれた場に居合わせたと推察する。どうだ?」
ドワーフの男が自力で導き出した答えは、イズミがアレンジレシピに関係があると言う結論だった。
エルフのカップルも面白い結論を聞き、イズミの回答に注目する。
「当たらずとも遠からず、ですね」
「つまり?」
「私が作った訳ではありません。作ってもらいはしましたが」
自分で作り方を説明し、作ってもらったとは言わないでおいた。
それにしても、情報の伝播は恐ろしく早いものである。
「やはりか!」
それでもドワーフの男は、自分の考えが正しかったと嬉しそうにしつつ、腰に下げた袋から酒瓶を取り出してテーブルに置いた。
「店主は居るか?」
ドワーフは店員を呼び止めると、店主を出すように頼んだ。
「おやダンデリフさん、どうしました?」
店主がやって来ると、ドワーフの男の名を呼んで話を聞く。
「試作品を此処に出しても良いか?」
ぶっきらぼうに言っているつもりらしいが、声からは嬉しさがにじみ出ている。
そして、出会ってから初めて聞く真剣な声もある。
「ダンデリフさんの頼みなら、断れないな」
状況を飲み込めていないイズミに対して、ダンデリフはテーブルに置いた酒瓶をイズミの目の前へ移動させる。
「急な頼みで悪いが、この酒を飲んでみてくれ」
目の前に置かれた酒瓶を手に取り、蓋を外して香りを確かめる。
アルコール臭はかなり抑えられている。
エルフのカップルにも瓶を渡すと、その香りを確かめる。
「儂の居る酒蔵で作っている1級品…予定の試作だ」
瓶の口に手の甲を押し当て逆さまにしてもとに戻す。
手の甲に残った酒を口に含む。
「強さの割に大人しい感じですね」
「そうだろう。薬師に貰った薬を飲むのに適した酒をと思ってな」
薬を酒で飲むとは、元いた世界なら怒られるだろうが、ここは別の世界である。
気にせずに話を聞く。
「試しに作ったまでは良かったのだが、どうもしっくり来ない」
これの製造工程がウォッカのそれと同じならば、基本的には無味無臭無色である。
2級品にあった独特のアルコール臭が影に潜めば潜むほど、目の前にある酒は『無味無臭無色で酒精が強いだけの酒』となり、人によっては魅力薄なのかもしれない。
人は酒という嗜好品に香りや味わいを求める。
時に色合いが大切になったりもする。
それが高級品となれば、どのような物なのか気になるものだ。
イズミ自身もそうなのだから。
「果物や香草の香りを酒に移すだけでも良さそうだが…」
酒自体に特徴や癖が無いので、フレーバーのベース酒には最適な気がした。
「作った酒に果物や香草を浸け置くのか?」
「1級品の酒の使い方としては惜しいかもしれないが」
「いや、試してみる価値はありそうだな」
ドワーフはブツブツと呟きつつ、仕事モードに入ったようだ。
その後、飲んでいた酒やつまみを楽しんだイズミは店を出ると、マスタングの元へ向かった。
「マスタング。この世界には炭酸水やトニックウォーターは無いのか?」
「炭酸水はあっても飲料として使われている可能性は低いです。トニックウォーターはまずキナの利用がされているかの確認が必要です」
聞いているだけでも、希望は無さそうである。
「リキュール、キュラソー、ベルモットも期待しない方が良いです」
この世界でカクテル作りは苦労しそうである。
イズミは苦笑いを浮かべていると、宿屋の従業員が準備してくれた食料を仕舞う。
酒に関しては後回しにして、イズミは部屋に戻る事にした。
その間に、イズミは酒を飲んで喉を潤した。
酒臭さを薄くする為に、この店では果物の汁を多めに入れたのだろう。
しっかりと果物の味が分かりはしたが、提供前に混ぜて撹拌はいないのかもしれない。
イズミはジャーキーを食べつつ、空いている指でグラス内の氷を抑え2周程回した。
「やはり飲み慣れた者の手つきだ」
「折角氷が入っているのですから、回した方が冷たくなって美味しく飲めそうかと」
「手際の良さは隠せておらんぞ」
ドワーフとエルフがイズミを見つめる。
気にせずに酒を飲むが、どうも落ち着かない。
「…1級品もピンキリだ。強いが優しい口当たりで、匂いも落ち着いたものになっているのが多い。単により強くなっただけの酒もある。基本的には2級品の上位グレードだな」
ドワーフが簡単に説明をしてくれた。
高級な分、製造工程にこだわりが詰まっているのだろう。
ドワーフは大きく息を吐くと、イズミの目を見て言った。
「イズミ。儂はアンタがアレンジレシピを作った、あるいはレシピが生まれた場に居合わせたと推察する。どうだ?」
ドワーフの男が自力で導き出した答えは、イズミがアレンジレシピに関係があると言う結論だった。
エルフのカップルも面白い結論を聞き、イズミの回答に注目する。
「当たらずとも遠からず、ですね」
「つまり?」
「私が作った訳ではありません。作ってもらいはしましたが」
自分で作り方を説明し、作ってもらったとは言わないでおいた。
それにしても、情報の伝播は恐ろしく早いものである。
「やはりか!」
それでもドワーフの男は、自分の考えが正しかったと嬉しそうにしつつ、腰に下げた袋から酒瓶を取り出してテーブルに置いた。
「店主は居るか?」
ドワーフは店員を呼び止めると、店主を出すように頼んだ。
「おやダンデリフさん、どうしました?」
店主がやって来ると、ドワーフの男の名を呼んで話を聞く。
「試作品を此処に出しても良いか?」
ぶっきらぼうに言っているつもりらしいが、声からは嬉しさがにじみ出ている。
そして、出会ってから初めて聞く真剣な声もある。
「ダンデリフさんの頼みなら、断れないな」
状況を飲み込めていないイズミに対して、ダンデリフはテーブルに置いた酒瓶をイズミの目の前へ移動させる。
「急な頼みで悪いが、この酒を飲んでみてくれ」
目の前に置かれた酒瓶を手に取り、蓋を外して香りを確かめる。
アルコール臭はかなり抑えられている。
エルフのカップルにも瓶を渡すと、その香りを確かめる。
「儂の居る酒蔵で作っている1級品…予定の試作だ」
瓶の口に手の甲を押し当て逆さまにしてもとに戻す。
手の甲に残った酒を口に含む。
「強さの割に大人しい感じですね」
「そうだろう。薬師に貰った薬を飲むのに適した酒をと思ってな」
薬を酒で飲むとは、元いた世界なら怒られるだろうが、ここは別の世界である。
気にせずに話を聞く。
「試しに作ったまでは良かったのだが、どうもしっくり来ない」
これの製造工程がウォッカのそれと同じならば、基本的には無味無臭無色である。
2級品にあった独特のアルコール臭が影に潜めば潜むほど、目の前にある酒は『無味無臭無色で酒精が強いだけの酒』となり、人によっては魅力薄なのかもしれない。
人は酒という嗜好品に香りや味わいを求める。
時に色合いが大切になったりもする。
それが高級品となれば、どのような物なのか気になるものだ。
イズミ自身もそうなのだから。
「果物や香草の香りを酒に移すだけでも良さそうだが…」
酒自体に特徴や癖が無いので、フレーバーのベース酒には最適な気がした。
「作った酒に果物や香草を浸け置くのか?」
「1級品の酒の使い方としては惜しいかもしれないが」
「いや、試してみる価値はありそうだな」
ドワーフはブツブツと呟きつつ、仕事モードに入ったようだ。
その後、飲んでいた酒やつまみを楽しんだイズミは店を出ると、マスタングの元へ向かった。
「マスタング。この世界には炭酸水やトニックウォーターは無いのか?」
「炭酸水はあっても飲料として使われている可能性は低いです。トニックウォーターはまずキナの利用がされているかの確認が必要です」
聞いているだけでも、希望は無さそうである。
「リキュール、キュラソー、ベルモットも期待しない方が良いです」
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