異世界無宿

ゆきねる

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第十七章 臨時の同盟

第二百四十四話 ひとまず今日は解散

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協力関係を結んだものの、基本的な捜査はソフィア側が行う事に変わりはない。
イズミは入手した証拠等をソフィアに流し、ソフィアはイズミが必要な行動を取る際にギルド等からの妨害を阻止出来うる免状を発行する。

「コレは私達との魔法通信を行えるペンダントよ、無くさないでね」

「分かった、大事に仕舞っておこう」

ペンダントを受け取ったイズミは、ショルダーバッグに入れて席を立つ。

「貴族特権の免状は明日までに用意するわね」

「明日か。受け取りや詳細は誰かにリークするのか?」

「そうね、ごく少数にだけ」

「そうか…俺の知っている物語ではな」

ベリアとフラウリアと共に部屋を出る際に、元いた世界で良く見ていた物語の事を思い出し、つい口に出してしまった。
ソフィアは気になったのか聞き返して来た。

「物語では?」

「最大の敵は身内に居たりする。ま、物語の読み過ぎなら良いのだが」

「…子供達は私達が保護しますので、そう引継ぎをお願いします」

ソフィアに睨まれながら部屋を後にする


扉を閉めた直後に、ベリアが背伸びをしながらイズミへ確認をする。

「…良かったのか?」

「ああ、成り行きに身を任せるしか無い。それに、何度も襲って来る連中にガツンと一撃を食らわせてやりたいしな」

イズミは冒険者ギルドを出てから通りを睨む。

「相手が既に俺達を監視している可能性はあるか?」

イズミが呟くと、ベリアとフラウリアが辺りを見渡す。

「今は大丈夫そうだぞ」

ベリアの答えを聞いたフラウリアも頷いた。
現時点では大丈夫なようなので、今後の予定を簡単に説明する。

「なら今のうちに。明日ソフィアから物を受け取ったら、その足で火山地帯へ向けて移動を始める。何処か大きめな町で少し様子見をしよう」

「子供達の保護はソフィア達がするって言うなら、次に取るべき行動は火山地帯への移動になるのか」

「そういう事。俺達が油断してると判断して、尻尾を出してくれれば捕まえられるし」

かなり大雑把なイメージを伝えると、今日は解散して自由行動とする。
イズミは宿屋に戻るとマスタングに乗り込む。

「マスター。腕時計の修復が完了しました」

「ありがとう」

グローブボックスに入っている腕時計を取り出すと、時間を確認して左手に着ける。
やはり無いよりはあった方が落ち着くのだ。

「今後はどうなさるのですか?」

「とりあえず火山地帯への移動に戻る。敵を待ち構えるにしても、いつ来るか分からない以上どうしようもないからな」

モニターで近くの町を探してみるがイズミには町の特色や特産品が分からないので、明日改めて行き先を相談する事にして部屋に戻る。

部屋に入ったら、マグナムのメンテナンスを始める。
大事な武器なので、定期的なメンテナンスは欠かせない。

「よし、何か食べたら寝るか」

イズミは明日以降の移動に備え、早めの食事と睡眠を取るべく行動に移した。


場所は変わって。
ベリアとフラウリアは、子供達に挨拶をしてから共に食事を取っていた。

「ベリアさんは、イズミさんと何処まで旅をご一緒するのですか?」

「うーん、特に決めてないな。フラウリアは?」

「私は火山地帯、故郷まではご一緒しますわ。流石に普段は分身を置くに留まりますが」

フラウリアの左手から白い蛇が現れると、ベリアの足元へと移動し右足首に巻き付くと消えてしまった。

「何かありましたら、呼んで下さいね。その蛇が魔法通信や転移魔法のポイントになりますので」

「分かった。そういえば、証拠集めの対価って何にするんだ?」

ベリアがジッとフラウリアを見つめる。

「貴族相手なら色々とありますが、イズミさんに関しては…難しいですね」

左手に着けた腕時計を撫で、目を細めるフラウリアが考え込む。

「後でゆっくりと考えますわ」

「…アタイはこれ以上は聞かない事にしておくよ」

魔族の考える事は分からない。
ベリアはそんな事を思いながら、イズミの無事を祈るのであった。
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