異世界無宿

ゆきねる

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第十九章 暴力の嵐

第二百七十六話 逆恐喝

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「マスタング、この敵の反応の中で指示役だと思われる反応はどれだ?」

「確認します…近くの建物の可能性が高いです」

マスタングがメガネに情報を転送すると、現在地と目的地までの位置関係が分かった。

「この建物って」

「冒険者ギルドです」

盾を構えて槍で武装した敵が4名、イズミを囲うように陣形を組んで現れたが、ショットガンは盾も防具も防御魔法も貫通しその命を奪ってしまう。

「ベリア聞こえるか?冒険者ギルドの建物内に襲撃者と繋がっている奴がいる」

「本当か?一旦援護に向かうと言って外に出るわ」

イズミはベリアに連絡すると、マスタングに乗り込んで冒険者ギルドまで急行した。

道中攻撃はあったが、マスタングの防御魔法で対応出来るレベルだった。
この走行中に軽く魔力をチャージさせ、マスタングの戦闘継続時間を延ばしておく。

冒険者ギルドの建物に到着すると、丁度ベリアが敵を6人程倒した所だった。

「っぶねぇ、本当に冒険者ギルドにも紛れてるのかよ」

「無事みたいだな」

「当然!って言いたいが、ナイフの魔法のお陰かな」

そう言って笑うベリアを見て安心したイズミだったが、直ぐに気を引き締める。

「マスタング、敵の詳細な位置を知りたい」

「かしこまりました」

冒険者ギルドのレイアウトが表示されると、魔法反応の場所がポイントされる。

「ベリア、この部屋は誰のか分かるか?」

「冒険者ギルド長の部屋だな」

「案内してくれないか?話をしたい」

ナイフを構えるベリアの案内で、静かに冒険者ギルド長の部屋の前にまで到着する。

ベリアの耳がピクピクと動き、内部の音や声を聞いてくれた。

「まだ捕らえられておりません…はい、仲間の獣人の足止めもしております…だってさ」

そこまで確認が済んだので、イズミは扉に罠が仕掛けられていないかを確かめる。
万能鍵セットを自分用に確保しておくべきだったと後悔したが、手元には物理的破壊で扉の解錠が出来るマスターキーがある。

持っていたショットガンを構えると、扉の固定部を撃って破壊し部屋へ突撃する。

「何だね君は!」

突然の来訪者に驚いたようだが、イズミは構う事無く室内のクリアリングを済ませる。

「突然の訪問で恐縮だが、先程まで魔法通信で話をしていた奴の事をお聞かせ願いたい」

「!?」

男は椅子から立ち上がろうとしたが、イズミが男の机に置かれていた像をショットガンで破壊すると直ぐに椅子に落ち着いた。

「下手な事をすると、その手足が吹き飛ぶぞ」

男はゆっくりと息を吐くと、イズミへ質問を投げる。

「私を誰だか知っていて、この非礼をしているのかね?」

「通信相手の『買い豚』だろ?お前」

「違う!」

自分が言われたセリフを使ってみると、男は激高すると同時に立ち上がり机を勢い良く叩く。

「私はこの町の冒険者ギルド長だぞ!」

「知らん」

イズミは男の左腕へ向けてショットガンを撃ち込んだ。
散弾は男の左腕をグシャグシャに蹂躙し肘から先が千切れ、叫び声を上げながら再度椅子へ倒れ込んだ。

「答えろ、誰と話をしていたんだ?」

「そんな事を言う義理は無いな」

「それなら、その相手に伝言を頼むとしよう。断るなら右腕が無くなるぞ」

ショットガンの銃口を男に向けた状態で、男に魔法通信を繋がせる。
ちゃんと繋がったらしく、男は報告をし始めた。

「…申し訳御座いません、駒は全滅です…それと、対象の男から伝言が」

そこまで言うと、男はイズミの方へ視線を向ける。

「こう伝えろ…『祭りへの招待感謝する。お礼にお前を探し出して生きたまま豚の餌にしてやるから、楽しみにしていろ』これで頼む」

「…本気か?」

「伝えろ、俺は何一つ困らない」

真っ青になった男が魔法通信で一言一句間違いなく伝えると、静かに項垂れて魔法通信を切った。

「恐れを知らぬ愚か者め」

「なんと言っていた?」

男はイズミを憐れむような目で見る。

「弱き犬程良く吠える」

「豚じゃなかったのか俺は?…まぁ、面白くなって来た」

イズミは必死で左腕の出血を抑えている男へ笑顔を見せると、部屋にベリアを呼び込んだ。

「!?ベリア…」

「他の職員を呼んでおいた。後は任せよう」

ベリアはナイフを仕舞いながら、呼んできた職員と共にギルド長だった男を縛り上げる。

「イズミ、これからどうするんだ?」

「勿論、さっきの伝言の送り先へ向かう…実は既にマスタングが居場所を特定してるんだ」

重要な点はベリアの耳元で囁いた。

「!」

「行こうかベリア。ちょっくら深夜のドライブだ」

イズミはショットガンをショルダーバッグへ収納すると、建物から出てマスタングへ乗り込んだ。
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