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第十九章 暴力の嵐
第二百七十九話 マスタングの更なる強化
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腕時計を確認すると時刻は夜の10時20分、猛スピードで駆け抜けるマスタングに減速する気配は無い。
後部座席にはまだ魔族が居るが、気にする事無くマスタングに声をかける。
「マスタング、さっき言っていた武装の追加ってのは何だ?」
「モニターに表示します」
最初にモニターに映し出されたのは、前方発射式の小型ミサイルだった。
ガトリングはヘッドライトから出て来たが、小型ミサイルはフォグランプから出て来る仕組みのようだ。
ガトリングと同時使用が可能な装備と書かれている。
本当に仕組みが分からない。
次に表示されたのは、後方発射式の多連装ミサイルだった。
これはテールランプ部から発射される仕組みで、同時に6発まで発射が可能らしい。
ちなみにだが、どちらのミサイルもマスタングに魔力残量がある限り持続攻撃が可能で、再装填から次弾発射までの時間は異次元の3~5秒だと言う。
挙げ句の果てに1発当たりの魔力消費は0.1%にも満たないと表示されていた。
ますます意味が分からない。
取り敢えずマスタングが凄いとだけしか言いようが無かった。
「…ま、俺の武装では無いし良いか!」
自分が扱うならば到底扱いきれない化物装備だが、マスタングなら円滑にかつ効率的に運用出来る確信があったので実体化を許可した。
「どのくらい魔力を使うんだ?」
「現在のマスターの魔力残量ですと…6割程頂ければ」
「その程度だったか?以前はもう少し必要だったような」
「実は前々から段取りはしていました。ブロズムナード辺境伯領でエレナ様にお会いした辺りから」
イズミはマスタングの用意周到さに言葉が出て来なかった。
運転席にしっかりと座り直すと、魔力をマスタングへ流す準備を済ませた。
「よしマスタング、実体化を頼む」
「かしこまりました」
減速する事無く夜の漆黒を駆け抜けるマスタングの車体が、ほんの一瞬だけ淡く光り装備の追加が完了する。
イズミの身体から一気に魔力が抜けて、マスタングへと瞬時に吸収されてゆく。
「…実体化、完了しました」
「この感覚は慣れないな」
魔力を抜かれる瞬間は、何時になっても慣れそうにない。
モニターが現在地の表示に戻り、目的地へ確実に近付いているのが分かる。
「マスター。今回の戦闘は危険ですので、コチラを装着して下さい」
マスタングはグローブボックスから腕時計を実体化させる。
どうも着ける気にならなかった誰かの思い出、その忠実なる姿をした異世界の素材を多用した自動巻腕時計だ。
「機能は過去の試作品と同等で、追加変更等はありません。戦闘終了後に返却であれば、マスターもご納得頂けるかと」
「…分かった」
お気に入りの軽量な腕時計を外しグローブボックスに仕舞うと、マスタングが実体化した腕時計を左手に着けた。
目的地はもうすぐ、戦闘を始めるのもすぐなのだ。
備えは多いに越した事は無いと、自分の心を切り替える。
「イズミとやら、敵陣に居る者達の数が分かったぞ」
ノルトが左手を伸ばしカーナビのモニター画面に触れると、モニターに表示されていた敵地のレイアウトに敵の魔法反応がポイントされた。
その数およそ100人…かなり詳細なものだった。
「コレが酒とお菓子のセット分って事にしておくわね」
モニターで大まかな情報を見ていると、敵の反応の中で色が違う物があった。
ほとんどのポイントが緑なのに、3つだけ橙色なのだ。
「その魔法反応は、敵地の管理者…分かりやすく言うならばボスって感じかしら。今は眠ってるようね」
流石に敵も脅されてから日を跨がずに襲撃されるとは想定していなかったようだ。
もう少し自分達の事を調べていると思っていたが、思い違いのようだ。
「残すは敵地にある資料の確保ね…取り急ぎ全ての資料に破壊や焼却、隠滅廃棄不可の保護魔法を掛けたわ。回収も出来るけど、それをするなら別途対価を貰うわよ?」
「…相変わらず手早いわね」
「当然、いついかなる時でも情報は強力な武器になるの。それに」
ノルトはゾッとするような笑みを浮かべる。
「証拠を消そうと躍起になるのに、どんなに足掻いても抹消出来ない。そんな時の絶望と焦燥混じりの表情はたまらなく唆られるのよねぇ」
「…悪趣味」
「それほどでもありませんわ」
魔族同士の会話を耳にした2人は、思わず視線を後部座席から逸らして見つめ合った。
絶対に敵に回してはいけない相手だと、2人は瞬時に悟ったのだ。
「マスター。新装備の試験運用として戦闘開始時にミサイルの使用許可を」
「許可する。戦闘開始と共に全ての武装の使用制限を解除、マスタングの判断に委ねる」
「…ありがとう御座います」
マスタングの魔力残量を確認すると6割は残っていた。
イズミは自分の残りの魔力の半分程を補給させると、大きく深呼吸をして心を落ち着けるように集中する。
後部座席にはまだ魔族が居るが、気にする事無くマスタングに声をかける。
「マスタング、さっき言っていた武装の追加ってのは何だ?」
「モニターに表示します」
最初にモニターに映し出されたのは、前方発射式の小型ミサイルだった。
ガトリングはヘッドライトから出て来たが、小型ミサイルはフォグランプから出て来る仕組みのようだ。
ガトリングと同時使用が可能な装備と書かれている。
本当に仕組みが分からない。
次に表示されたのは、後方発射式の多連装ミサイルだった。
これはテールランプ部から発射される仕組みで、同時に6発まで発射が可能らしい。
ちなみにだが、どちらのミサイルもマスタングに魔力残量がある限り持続攻撃が可能で、再装填から次弾発射までの時間は異次元の3~5秒だと言う。
挙げ句の果てに1発当たりの魔力消費は0.1%にも満たないと表示されていた。
ますます意味が分からない。
取り敢えずマスタングが凄いとだけしか言いようが無かった。
「…ま、俺の武装では無いし良いか!」
自分が扱うならば到底扱いきれない化物装備だが、マスタングなら円滑にかつ効率的に運用出来る確信があったので実体化を許可した。
「どのくらい魔力を使うんだ?」
「現在のマスターの魔力残量ですと…6割程頂ければ」
「その程度だったか?以前はもう少し必要だったような」
「実は前々から段取りはしていました。ブロズムナード辺境伯領でエレナ様にお会いした辺りから」
イズミはマスタングの用意周到さに言葉が出て来なかった。
運転席にしっかりと座り直すと、魔力をマスタングへ流す準備を済ませた。
「よしマスタング、実体化を頼む」
「かしこまりました」
減速する事無く夜の漆黒を駆け抜けるマスタングの車体が、ほんの一瞬だけ淡く光り装備の追加が完了する。
イズミの身体から一気に魔力が抜けて、マスタングへと瞬時に吸収されてゆく。
「…実体化、完了しました」
「この感覚は慣れないな」
魔力を抜かれる瞬間は、何時になっても慣れそうにない。
モニターが現在地の表示に戻り、目的地へ確実に近付いているのが分かる。
「マスター。今回の戦闘は危険ですので、コチラを装着して下さい」
マスタングはグローブボックスから腕時計を実体化させる。
どうも着ける気にならなかった誰かの思い出、その忠実なる姿をした異世界の素材を多用した自動巻腕時計だ。
「機能は過去の試作品と同等で、追加変更等はありません。戦闘終了後に返却であれば、マスターもご納得頂けるかと」
「…分かった」
お気に入りの軽量な腕時計を外しグローブボックスに仕舞うと、マスタングが実体化した腕時計を左手に着けた。
目的地はもうすぐ、戦闘を始めるのもすぐなのだ。
備えは多いに越した事は無いと、自分の心を切り替える。
「イズミとやら、敵陣に居る者達の数が分かったぞ」
ノルトが左手を伸ばしカーナビのモニター画面に触れると、モニターに表示されていた敵地のレイアウトに敵の魔法反応がポイントされた。
その数およそ100人…かなり詳細なものだった。
「コレが酒とお菓子のセット分って事にしておくわね」
モニターで大まかな情報を見ていると、敵の反応の中で色が違う物があった。
ほとんどのポイントが緑なのに、3つだけ橙色なのだ。
「その魔法反応は、敵地の管理者…分かりやすく言うならばボスって感じかしら。今は眠ってるようね」
流石に敵も脅されてから日を跨がずに襲撃されるとは想定していなかったようだ。
もう少し自分達の事を調べていると思っていたが、思い違いのようだ。
「残すは敵地にある資料の確保ね…取り急ぎ全ての資料に破壊や焼却、隠滅廃棄不可の保護魔法を掛けたわ。回収も出来るけど、それをするなら別途対価を貰うわよ?」
「…相変わらず手早いわね」
「当然、いついかなる時でも情報は強力な武器になるの。それに」
ノルトはゾッとするような笑みを浮かべる。
「証拠を消そうと躍起になるのに、どんなに足掻いても抹消出来ない。そんな時の絶望と焦燥混じりの表情はたまらなく唆られるのよねぇ」
「…悪趣味」
「それほどでもありませんわ」
魔族同士の会話を耳にした2人は、思わず視線を後部座席から逸らして見つめ合った。
絶対に敵に回してはいけない相手だと、2人は瞬時に悟ったのだ。
「マスター。新装備の試験運用として戦闘開始時にミサイルの使用許可を」
「許可する。戦闘開始と共に全ての武装の使用制限を解除、マスタングの判断に委ねる」
「…ありがとう御座います」
マスタングの魔力残量を確認すると6割は残っていた。
イズミは自分の残りの魔力の半分程を補給させると、大きく深呼吸をして心を落ち着けるように集中する。
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