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第十九章 暴力の嵐
第二百八十六話 また事後報告
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完全に意識を失っている男を引き摺りながら、イズミはマスタングの元まで戻る。
「マスター、その可燃物を車内に載せるのは拒否したく」
「可燃物って、コイツは腐っても貴族らしいぞ」
マスタングの言葉を聞いたベリアとフラウリアは、思わず笑っていた。
「貴族を可燃物扱いしたとバレたら、不敬罪で処されるぞ」
ベリアはそう言ってゲラゲラと笑った。
「車内が駄目なら、蛮族よろしく足を縛って引っ張るか」
ロープを探し始めたイズミに向かい、フラウリアが微笑みながら言った。
「またソフィアさんに報告して、迎えを送って貰えるか聞いてみましょう」
「「あぁ、そうするか」」
イズミとベリアは直ぐにソフィアへ連絡を取る事にした。
「こんな夜中に…また事後報告かしら?」
「そうなる」
イズミの魔法通信を繋げたソフィアは、通信が来るまで寝ていたのか声が低い。
「敵陣地を襲撃した時に逃亡した奴等を始末したりとっ捕まえたりした訳だが、フラウリアが言うには捕まえた1人が貴族らしくてな」
「え?」
「丁重に話を聞いてやって欲しい訳だ」
ベリアが貴族らしい男の手足を縛り目と口を塞ぐと、近くにあった木の枝をまとめてソリを作り始めた。
「イズミさん、その簡素なソリで貴族を運ぶのかしら?」
「…そうなる。途中で目を覚まさない事を祈ろう」
マスタングに頼みロープを結べるフックを実体化してもらう。
其処に結ぶと、文字通り引き摺る形で敵の拠点へと走り出した。
この時ばかりは、男が気を失っている事が幸運だと考える。
自分だったら叫び散らかす自信があるからだ。
まったりと走っていたので追撃時よりは時間がかかったが、夜が明ける前には到着して男を渡す事が出来た。
お手製のソリで貴族の男を運んで来たイズミを見た監視者は一瞬目を見開いていたが、何も言わず直ぐに貴族の男を回収してくれた。
「この男以外は全滅と考えて良いだろう。タップリと絞り上げてやってくれ」
残りの証拠品も渡したイズミは、まだ起きているだろうソフィアに改めて魔法通信を繋いだ。
「ソフィア?貴族の男は渡したし、持ってた証拠品も渡した。後はソッチで調べてくれ」
「分かったわ。その辺は抜かり無く行うとして、今度は事前連絡が欲しいわね」
「努力する」
「今後はどうするの?」
ソフィアの問いを聞いたイズミは、完全に廃墟と化した敵の拠点を見てから答える。
「1日2日、この拠点の近くで敵が来るか待ち伏せをしてみるよ。もしかしたら、事実確認の為に敵が偵察を寄越すかもしれない」
「可能性はあるわね、気を付けてね」
「それはお互い様だ」
魔法通信を切ると、ベリアに廃墟と化した拠点近くで監視しやすい場所を探してもらう。
数日は敵の偵察が来るのを待つと説明すると、ベリアは木の上で見張ると言って近場の木に登って行った。
「では、私も帰りますね。火山地帯に到着しましたら、約束は守ってもらいますからね」
フラウリアの声はほんわかしているが、その目が本気なのがよく分かった。
転移魔法で去るのを見送ったイズミは、待ち伏せの準備に入った。
「何処かにマスタングを隠さないとな」
ちょうど良い窪地にマスタングを移動させると、落ち葉を集めてカモフラージュをしておいた。
今度町に到着したら洗車をしてやろうと思いながら、アサルトライフルを取り出し空になった弾倉へ弾込めを始める。
弾込めが終わった頃には、夜が開け始めていた。
太陽の輝きで昨夜の戦闘の激しさがより鮮明に確認出来る。
「イズミよぅ、あの攻撃は強過ぎじゃねえか?」
「やるならド派手にいかないと駄目だろ」
「結構な屋敷だったろうに、見るも無残な廃墟に早変わりか」
ベリアは一晩で廃墟になった敵拠点を見ていると、目を閉じて耳を澄ました。
「今の段階では…誰も来てないみたいだな。お先に仮眠を取っても良いか?」
「良いぞ。起きたら連絡してくれ」
器用に木の上で仮眠を取り始めたベリアを見てから、イズミはアサルトライフルのバレルだけ簡単に掃除をして弾倉を入れ初弾を装填する。
その後で昨夜の戦闘で消費した弾を実体化し、ショルダーバッグに詰め込む。
コレをしておかないと、咄嗟の戦闘時にジリ貧になってしまうから絶対に忘れてはならない。
グレネードランチャーの弾は気持ち多めに確保しておいた。
一通りの補給を終えたイズミはマスタングの右前輪に背中を預けるように座り込むと、楽な姿勢でライフルを構えスコープを覗きこむ。
廃墟全体をゆっくりと確認し、敵の偵察が来るかを待ち始めた。
「マスター、その可燃物を車内に載せるのは拒否したく」
「可燃物って、コイツは腐っても貴族らしいぞ」
マスタングの言葉を聞いたベリアとフラウリアは、思わず笑っていた。
「貴族を可燃物扱いしたとバレたら、不敬罪で処されるぞ」
ベリアはそう言ってゲラゲラと笑った。
「車内が駄目なら、蛮族よろしく足を縛って引っ張るか」
ロープを探し始めたイズミに向かい、フラウリアが微笑みながら言った。
「またソフィアさんに報告して、迎えを送って貰えるか聞いてみましょう」
「「あぁ、そうするか」」
イズミとベリアは直ぐにソフィアへ連絡を取る事にした。
「こんな夜中に…また事後報告かしら?」
「そうなる」
イズミの魔法通信を繋げたソフィアは、通信が来るまで寝ていたのか声が低い。
「敵陣地を襲撃した時に逃亡した奴等を始末したりとっ捕まえたりした訳だが、フラウリアが言うには捕まえた1人が貴族らしくてな」
「え?」
「丁重に話を聞いてやって欲しい訳だ」
ベリアが貴族らしい男の手足を縛り目と口を塞ぐと、近くにあった木の枝をまとめてソリを作り始めた。
「イズミさん、その簡素なソリで貴族を運ぶのかしら?」
「…そうなる。途中で目を覚まさない事を祈ろう」
マスタングに頼みロープを結べるフックを実体化してもらう。
其処に結ぶと、文字通り引き摺る形で敵の拠点へと走り出した。
この時ばかりは、男が気を失っている事が幸運だと考える。
自分だったら叫び散らかす自信があるからだ。
まったりと走っていたので追撃時よりは時間がかかったが、夜が明ける前には到着して男を渡す事が出来た。
お手製のソリで貴族の男を運んで来たイズミを見た監視者は一瞬目を見開いていたが、何も言わず直ぐに貴族の男を回収してくれた。
「この男以外は全滅と考えて良いだろう。タップリと絞り上げてやってくれ」
残りの証拠品も渡したイズミは、まだ起きているだろうソフィアに改めて魔法通信を繋いだ。
「ソフィア?貴族の男は渡したし、持ってた証拠品も渡した。後はソッチで調べてくれ」
「分かったわ。その辺は抜かり無く行うとして、今度は事前連絡が欲しいわね」
「努力する」
「今後はどうするの?」
ソフィアの問いを聞いたイズミは、完全に廃墟と化した敵の拠点を見てから答える。
「1日2日、この拠点の近くで敵が来るか待ち伏せをしてみるよ。もしかしたら、事実確認の為に敵が偵察を寄越すかもしれない」
「可能性はあるわね、気を付けてね」
「それはお互い様だ」
魔法通信を切ると、ベリアに廃墟と化した拠点近くで監視しやすい場所を探してもらう。
数日は敵の偵察が来るのを待つと説明すると、ベリアは木の上で見張ると言って近場の木に登って行った。
「では、私も帰りますね。火山地帯に到着しましたら、約束は守ってもらいますからね」
フラウリアの声はほんわかしているが、その目が本気なのがよく分かった。
転移魔法で去るのを見送ったイズミは、待ち伏せの準備に入った。
「何処かにマスタングを隠さないとな」
ちょうど良い窪地にマスタングを移動させると、落ち葉を集めてカモフラージュをしておいた。
今度町に到着したら洗車をしてやろうと思いながら、アサルトライフルを取り出し空になった弾倉へ弾込めを始める。
弾込めが終わった頃には、夜が開け始めていた。
太陽の輝きで昨夜の戦闘の激しさがより鮮明に確認出来る。
「イズミよぅ、あの攻撃は強過ぎじゃねえか?」
「やるならド派手にいかないと駄目だろ」
「結構な屋敷だったろうに、見るも無残な廃墟に早変わりか」
ベリアは一晩で廃墟になった敵拠点を見ていると、目を閉じて耳を澄ました。
「今の段階では…誰も来てないみたいだな。お先に仮眠を取っても良いか?」
「良いぞ。起きたら連絡してくれ」
器用に木の上で仮眠を取り始めたベリアを見てから、イズミはアサルトライフルのバレルだけ簡単に掃除をして弾倉を入れ初弾を装填する。
その後で昨夜の戦闘で消費した弾を実体化し、ショルダーバッグに詰め込む。
コレをしておかないと、咄嗟の戦闘時にジリ貧になってしまうから絶対に忘れてはならない。
グレネードランチャーの弾は気持ち多めに確保しておいた。
一通りの補給を終えたイズミはマスタングの右前輪に背中を預けるように座り込むと、楽な姿勢でライフルを構えスコープを覗きこむ。
廃墟全体をゆっくりと確認し、敵の偵察が来るかを待ち始めた。
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