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第二十章 火山地帯で小休止
第三百一話 試作品の評価は
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ガーベラ、アーリア達との夕食を食べた翌朝。
イズミは予想通りの筋肉痛と向き合っていた。
「…痺れるぜ」
何時もよりゆったりとした足取りで身仕度を整え、広間へと向かうと既にベリアが朝食を食べ終えた所だった。
「イズミ、アタイはこれから冒険者ギルドに行ってスタンピードに関する情報を貰ってくる」
「分かった。尾行されるだろうから、くれぐれも注意してくれ。何かあれば魔法通信をくれれば対応する」
「おう」
ベリアは昨日の追いかけっこでの疲労は無いのか、スタスタと屋敷から出発して行った。
それを見送ったイズミはマスタングの元へと移動すると、運転席に座り魔力補給をしておく。
燃料メーターが満タンになるのを確認する。
「マスター。先日魔王様より頂いた魔石を幾つか使用したいのですが、よろしいでしょうか」
「別に構わないけど、何に使うんだ?」
「魔力タンクの増量に使用します」
「魔石の残りは」
「12個になります」
了承して魔力タンクを増量させたが、見た目としては何も変化はしない。
メーターにも変化は見られなかった。
「戦闘用の魔力タンクと考えて頂ければ」
「そう言う事か」
追加で魔力を補給させると、以前挽いていた豆を使いコーヒーを淹れる。
朝のコーヒーは苦くても美味しく感じるのだ。
苦みが強烈で二口目からは苦みしか分からくなるが。
「おはようイズミ…良い香りね」
昨夜はガーベラ達との会話に花が咲き、一泊していたアーリアが姿を見せる。
「おはよう。香りは良いだろ?飲むと目が覚める苦さだ」
少しづつ飲むイズミがコーヒーを勧めるが、やんわりと拒否されてしまった。
「帰る前に1つ。あの試作品の事なんだけど」
「どうだった?」
アーリアは帰る準備をしながら、左手に着けた腕時計を指差した。
「魔法返しの上限は上位魔族の魔法攻撃およそ1発分くらいで、2発目は全部の吸収はしきれないと思う…良くて4割ね。それと、短時間での連続使用も避けた方が良いわ」
「具体的には?」
「安全を考慮してだけど…短時間の指標は1分から3分で、連続使用は2回まで。3回目も使えるかもしれないけど壊れる可能性もある」
アーリアの評価を聞いたイズミは、カップに残ったコーヒーを飲み干して考え込む。
「3度目は無いと思え、か…」
「仮に相手が上位魔族クラスの魔法を使える想定よ。常人…Aランクや一部のSランク冒険者が相手の戦闘なら、どれだけ連続使用をしたってなんの問題も無いわね。現に私と友人の実験では、短時間に魔法攻撃200回の連続試験を100セットやってもこんなだから」
そう言ってアーリアは左手に着けていた腕時計を外し、イズミへ手渡した。
見る限り大きな傷は見当たらない。
「念の為にマスタングにも診てもらおう」
試作品1号をグローブボックスに収納すると、マスタングが解析作業に入った。
「腕時計の機能及び性能に異常無し。魔法返し、呪い返しの効果も異常無しです…耐久値はアーリア様の見立てで間違い無いかと」
「やはり限界値は上位魔族の攻撃2回分か」
マスタングから試作品1号を受け取り、持ち主であるアーリアへ返す。
「何度も言うけど短時間での連続使用では、って条件よ」
左手に腕時計を着けたアーリアが、呪い返しについての報告もしてくれた。
「呪い返しに関しては、かなり判断が難しいわね…呪いを返す相手の人選や選択基準が不明確で、返す威力や症状や持続期間も不明。あげく発動タイミングも不明」
そこまで話すと、結論を言った。
「完全自動反射ならまだ良いけど、手動で返す場合の操作は難しいと言うか手順が複雑で面倒。非常に扱いが難しいわね」
「そうか…」
「今度の試作品からは呪い返しじゃなくて、呪いの自動解除とか無効化が良いかもね」
「自動解除に無効化、確かにその方が便利かもな」
イズミはコーヒーセットを片付けると、動かす度に悲鳴を上げる身体を伸ばした。
「マスタング、どう思う?」
「基本として所持者への呪いを完全無効化を付与し、秘密のオプションとして手動操作の呪い返しを付与するのが良いかと」
「知ってる奴が頼んで来たら、付与して使い方をレクチャーするイメージか…そもそもこの腕時計を量産する予定は無いから、要らぬオプションになりそうだが」
「そうは言い切れません。良い御守りにはなるので、交渉材料にはなり得ます」
「そんな未来が、マスタングには見えてるのか?」
「あくまで、可能性の話です」
確かにそう言われてしまえば、その可能性は十分に考えられる。
今後の実体化の予定も無いので一旦保留にするとアーリアへ伝え、転移魔法で帰って行くアーリアを見送った。
イズミは予想通りの筋肉痛と向き合っていた。
「…痺れるぜ」
何時もよりゆったりとした足取りで身仕度を整え、広間へと向かうと既にベリアが朝食を食べ終えた所だった。
「イズミ、アタイはこれから冒険者ギルドに行ってスタンピードに関する情報を貰ってくる」
「分かった。尾行されるだろうから、くれぐれも注意してくれ。何かあれば魔法通信をくれれば対応する」
「おう」
ベリアは昨日の追いかけっこでの疲労は無いのか、スタスタと屋敷から出発して行った。
それを見送ったイズミはマスタングの元へと移動すると、運転席に座り魔力補給をしておく。
燃料メーターが満タンになるのを確認する。
「マスター。先日魔王様より頂いた魔石を幾つか使用したいのですが、よろしいでしょうか」
「別に構わないけど、何に使うんだ?」
「魔力タンクの増量に使用します」
「魔石の残りは」
「12個になります」
了承して魔力タンクを増量させたが、見た目としては何も変化はしない。
メーターにも変化は見られなかった。
「戦闘用の魔力タンクと考えて頂ければ」
「そう言う事か」
追加で魔力を補給させると、以前挽いていた豆を使いコーヒーを淹れる。
朝のコーヒーは苦くても美味しく感じるのだ。
苦みが強烈で二口目からは苦みしか分からくなるが。
「おはようイズミ…良い香りね」
昨夜はガーベラ達との会話に花が咲き、一泊していたアーリアが姿を見せる。
「おはよう。香りは良いだろ?飲むと目が覚める苦さだ」
少しづつ飲むイズミがコーヒーを勧めるが、やんわりと拒否されてしまった。
「帰る前に1つ。あの試作品の事なんだけど」
「どうだった?」
アーリアは帰る準備をしながら、左手に着けた腕時計を指差した。
「魔法返しの上限は上位魔族の魔法攻撃およそ1発分くらいで、2発目は全部の吸収はしきれないと思う…良くて4割ね。それと、短時間での連続使用も避けた方が良いわ」
「具体的には?」
「安全を考慮してだけど…短時間の指標は1分から3分で、連続使用は2回まで。3回目も使えるかもしれないけど壊れる可能性もある」
アーリアの評価を聞いたイズミは、カップに残ったコーヒーを飲み干して考え込む。
「3度目は無いと思え、か…」
「仮に相手が上位魔族クラスの魔法を使える想定よ。常人…Aランクや一部のSランク冒険者が相手の戦闘なら、どれだけ連続使用をしたってなんの問題も無いわね。現に私と友人の実験では、短時間に魔法攻撃200回の連続試験を100セットやってもこんなだから」
そう言ってアーリアは左手に着けていた腕時計を外し、イズミへ手渡した。
見る限り大きな傷は見当たらない。
「念の為にマスタングにも診てもらおう」
試作品1号をグローブボックスに収納すると、マスタングが解析作業に入った。
「腕時計の機能及び性能に異常無し。魔法返し、呪い返しの効果も異常無しです…耐久値はアーリア様の見立てで間違い無いかと」
「やはり限界値は上位魔族の攻撃2回分か」
マスタングから試作品1号を受け取り、持ち主であるアーリアへ返す。
「何度も言うけど短時間での連続使用では、って条件よ」
左手に腕時計を着けたアーリアが、呪い返しについての報告もしてくれた。
「呪い返しに関しては、かなり判断が難しいわね…呪いを返す相手の人選や選択基準が不明確で、返す威力や症状や持続期間も不明。あげく発動タイミングも不明」
そこまで話すと、結論を言った。
「完全自動反射ならまだ良いけど、手動で返す場合の操作は難しいと言うか手順が複雑で面倒。非常に扱いが難しいわね」
「そうか…」
「今度の試作品からは呪い返しじゃなくて、呪いの自動解除とか無効化が良いかもね」
「自動解除に無効化、確かにその方が便利かもな」
イズミはコーヒーセットを片付けると、動かす度に悲鳴を上げる身体を伸ばした。
「マスタング、どう思う?」
「基本として所持者への呪いを完全無効化を付与し、秘密のオプションとして手動操作の呪い返しを付与するのが良いかと」
「知ってる奴が頼んで来たら、付与して使い方をレクチャーするイメージか…そもそもこの腕時計を量産する予定は無いから、要らぬオプションになりそうだが」
「そうは言い切れません。良い御守りにはなるので、交渉材料にはなり得ます」
「そんな未来が、マスタングには見えてるのか?」
「あくまで、可能性の話です」
確かにそう言われてしまえば、その可能性は十分に考えられる。
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