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第二十一章 武器が出来るまで
第三百二十二話 公爵邸
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ガーネディアン公爵家の屋敷は、グラテミア達の屋敷から馬車でまったり移動した約40分程度の場所にある。
マスタングで行こうかと提案したが、公爵家への牽制としてラミア族の所有する馬車で向かう事になった。
「武器も無しに移動するってのは、心許無いな」
「なにもさ、全部置いてくる事は無いんじゃないか」
イズミは慣れない馬車での長時間移動に疲れ始めていたが、酔うまででは無かった。
武器は何一つ馬車に乗せず、マスタングの後部座席にショルダーバッグや腕時計と共に置いてある。
勿論、フラウリアの分身が何時でも動けるように待機もしている。
荷物を仕舞う時に相変わらず野良猫がマスタングのボンネットで丸まっていたので、餌を用意してやるとガツガツと食べ始めるのも確認済みだ。
しばらくすると馬車が停止した。
どうやら目的地に到着したようで、敷地内に入ると手荷物検査が始まった。
直接のボディーチェックかと思っていたが、魔術師が虫眼鏡の様な魔道具をかざし、全身をサラッと確認するだけで検査が出来るようだ。
非常に便利な代物である。
「…この腰にある道具は何だ?」
魔術師の虫眼鏡を一緒に見ていた衛兵が、イズミの左腰にある道具を見て声を上げた。
「道具…あぁ、これはライトです」
「ライト?」
「私は魔法が使えなくてですね。これを使って夜に足元を照らしたり、暗がりに物を落とした時に地面を照らして探したりするのです」
イズミはゆっくりと左手でライトを取り出すと、試しに馬車の下を照らして見せた。
「こんな感じです」
「成る程、こう使うのか。魔法が使えないと、ちょっとした事でも道具を使わなければならない。色々と苦労するのだな」
「もう、慣れましたけどね」
衛兵は武器では無いと理解してくれたが、屋敷内に持ち込む必要は無いとの判断をしたので、馬車にあった籠に仕舞う。
フラウリアはスムーズに検査をパスし、ベリアの番になる。
魔術師が虫眼鏡を構える前に、持っていたナイフを取り出した。
「コレがアタイの武器だ。魔法剣らしいので、今受け取った者以外が手にした場合の安全は保障出来ない」
事前に注意事項を説明すると、衛兵の体長らしき男がやって来て確認をする。
男が手に取っても腕が微塵切りにはならなかった。
「…このナイフは、我々が預かるには荷が重い代物です。私の責任で持ち込みを許可します」
「どうも」
何かを感じ取った男は、ナイフを鞘から抜く事無くベリアへ返却した。
ベリアはナイフを簡単には取り出せない様に革紐で括ると、定位置に戻す。
一通りの検査が終わり屋敷内へと案内されると、大きな扉の前で一度立ち止まった。
扉を守るように立っていた衛兵が、静かに扉を押し開くと、豪華と言うよりは落ち着いた雰囲気の部屋が姿を見せる。
「御足労頂き、感謝致します」
部屋の奥に居る堀の深い顔の男が、イズミ達を見てから静かに言った。
「ヒュミトールを含む7つの町を領地として管理しています、グラント・ガーネディアンと申します」
相手が先に名乗ったので、此方も自己紹介はしておこう。
「イズミと申します。只の旅人です」
「ベリアと言います、冒険者でランクはAです。ジェヴェドール王国にて意気投合しまして、イズミの旅に同行しています」
簡単な挨拶を済ませた所で、グラントが話を切り出した。
「冒険者ギルドから報告がありました。アダマンタイトは冒険者ギルドでの買取りが決まったとか」
「そうですね。一個人が所有していても、手に余る代物でしたので」
「商人ギルドを挟ませたくないからと、レオンチーノから報告と相談があった。一部は儂が一時的に肩代わりする方向で既にまとまっている。レオンチーノも良い判断をした、商人ギルドが絡むと面倒だからな…」
イズミは努めて余計な事を口にしないように注意しつつ、グラントの話に答える。
嫌な緊張感が部屋を支配し、目と表情だけでの牽制があった。
マスタングで行こうかと提案したが、公爵家への牽制としてラミア族の所有する馬車で向かう事になった。
「武器も無しに移動するってのは、心許無いな」
「なにもさ、全部置いてくる事は無いんじゃないか」
イズミは慣れない馬車での長時間移動に疲れ始めていたが、酔うまででは無かった。
武器は何一つ馬車に乗せず、マスタングの後部座席にショルダーバッグや腕時計と共に置いてある。
勿論、フラウリアの分身が何時でも動けるように待機もしている。
荷物を仕舞う時に相変わらず野良猫がマスタングのボンネットで丸まっていたので、餌を用意してやるとガツガツと食べ始めるのも確認済みだ。
しばらくすると馬車が停止した。
どうやら目的地に到着したようで、敷地内に入ると手荷物検査が始まった。
直接のボディーチェックかと思っていたが、魔術師が虫眼鏡の様な魔道具をかざし、全身をサラッと確認するだけで検査が出来るようだ。
非常に便利な代物である。
「…この腰にある道具は何だ?」
魔術師の虫眼鏡を一緒に見ていた衛兵が、イズミの左腰にある道具を見て声を上げた。
「道具…あぁ、これはライトです」
「ライト?」
「私は魔法が使えなくてですね。これを使って夜に足元を照らしたり、暗がりに物を落とした時に地面を照らして探したりするのです」
イズミはゆっくりと左手でライトを取り出すと、試しに馬車の下を照らして見せた。
「こんな感じです」
「成る程、こう使うのか。魔法が使えないと、ちょっとした事でも道具を使わなければならない。色々と苦労するのだな」
「もう、慣れましたけどね」
衛兵は武器では無いと理解してくれたが、屋敷内に持ち込む必要は無いとの判断をしたので、馬車にあった籠に仕舞う。
フラウリアはスムーズに検査をパスし、ベリアの番になる。
魔術師が虫眼鏡を構える前に、持っていたナイフを取り出した。
「コレがアタイの武器だ。魔法剣らしいので、今受け取った者以外が手にした場合の安全は保障出来ない」
事前に注意事項を説明すると、衛兵の体長らしき男がやって来て確認をする。
男が手に取っても腕が微塵切りにはならなかった。
「…このナイフは、我々が預かるには荷が重い代物です。私の責任で持ち込みを許可します」
「どうも」
何かを感じ取った男は、ナイフを鞘から抜く事無くベリアへ返却した。
ベリアはナイフを簡単には取り出せない様に革紐で括ると、定位置に戻す。
一通りの検査が終わり屋敷内へと案内されると、大きな扉の前で一度立ち止まった。
扉を守るように立っていた衛兵が、静かに扉を押し開くと、豪華と言うよりは落ち着いた雰囲気の部屋が姿を見せる。
「御足労頂き、感謝致します」
部屋の奥に居る堀の深い顔の男が、イズミ達を見てから静かに言った。
「ヒュミトールを含む7つの町を領地として管理しています、グラント・ガーネディアンと申します」
相手が先に名乗ったので、此方も自己紹介はしておこう。
「イズミと申します。只の旅人です」
「ベリアと言います、冒険者でランクはAです。ジェヴェドール王国にて意気投合しまして、イズミの旅に同行しています」
簡単な挨拶を済ませた所で、グラントが話を切り出した。
「冒険者ギルドから報告がありました。アダマンタイトは冒険者ギルドでの買取りが決まったとか」
「そうですね。一個人が所有していても、手に余る代物でしたので」
「商人ギルドを挟ませたくないからと、レオンチーノから報告と相談があった。一部は儂が一時的に肩代わりする方向で既にまとまっている。レオンチーノも良い判断をした、商人ギルドが絡むと面倒だからな…」
イズミは努めて余計な事を口にしないように注意しつつ、グラントの話に答える。
嫌な緊張感が部屋を支配し、目と表情だけでの牽制があった。
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