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第二十三章 独自の調査
第三百八十三話 小さな村オブリンド
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ヒュミトールを出発して10日が経過した。
まったりと移動していたつもりだが、あっさりとオブリビアに近い村に到着してしまったのだ。
「イズミ…今までもそうなんだが、移動が早過ぎないか?」
「そうなのかねぇ、マスタングと一緒ならまったりと走ってこの位だと思うが」
イズミの言葉を聞いたマスタングは即座に修正を入れる。
「かなりゆっくりと走っております。自動運転モードであれば、休憩込みで6日目にはオブリビアで調査が始められたさと」
「道中の町で色々と見たかったからさ…コーヒー豆が無いかどうかとか」
イズミは相変わらずコーヒー豆探しを続けているが、一向に見つからないのである。
「あんな苦い飲み物、良く飽きずに飲めるよなぁ。アタイは初めて飲んだ時驚きのあまり吹き出しちまったし」
「あの苦味が良いんだよ、目が覚めるんだ」
腕時計を確認すると14時になった所である。
オブリビアに一番近い村だと言う、オブリンドにある宿屋に一泊するつもりで、マスタングを徐行で走らせる。
オブリンドはオブリビアが放棄された際、別の村や町へ移住する事が出来なかった者達で構成された村らしい。
村には衛兵はおらず、村民に声を掛けて冒険者ギルドの場所を教えて貰う。
「旅のお方かい?冒険者ギルドなら、あの三角屋根の天辺に2つの旗を立てている建物だよ」
「どうも」
イズミは教えて貰ったお礼がてら銀貨を2枚握らせると、そのまま冒険者ギルドの建物まで向かう。
馬車置き場に駐車すると、ベリアが挨拶をする為に建物へと入ってゆく。
冒険者ギルドの建物は思っていたより小さく、取り敢えず拠点はありますと言うだけにも見える程だった。
借りにも過去にダンジョンがあった都市の近くにありそうな、しっかりとした設備は期待出来ないように思える。
「戻ったぞ」
「おう、どうだった?」
「最近オブリビアに入った冒険者パーティーの話も聞けたけど、長居したくない場所だとさ。ずっと何者かの視線を感じるし、日が落ち始めると変な臭いが漂ってくるらしい」
「変な臭いねぇ、それは風読みで分かりそうか?」
「…今は何とも。夕方確認してみるよ」
冒険者ギルドで聞いたと言う宿屋へ向かうと、落ち着いた雰囲気の建物だった。
2人で別々の部屋を取り、馬車置き場を借りるとマスタングを停めに向かう。
「この村に用があるとは珍しいね」
「えぇ、縁あってオブリビアの調査を頼まれましてね」
宿屋の女性に村へ来た目的を話すと、表情が硬くなったのが分かる。
「オブリビアはもう只の廃墟都市だよ。変な噂のせいで誰も入りたがらないし、行方不明者も多くてさ」
「そうみたいだな…それも含めて調べるのさ」
「アタシは小さい頃、オブリビアに住んでたんだ。帝国が侵攻してくるまでは賑やかな都市だったんだよ、両親が領主様のお屋敷で働いてたから、色々と学ばせて貰えてね」
「領主の屋敷ですか、どの辺りにあります?」
思い出話に乗っかる形で、手持ちのオブリビアの資料を広げる。
「ええとね、此処だね。この村から進むと、この地図からだと右下寄りから入る感じになるね」
「調べてみる価値はありそうだ」
イズミは地図に屋敷の場所を炭で丸をつけると、ショルダーバッグに収納する。
「…もしも、お屋敷の調査に入れたらなんだけど、1つ頼まれてくれないかい?」
「なんです」
「帝国の侵攻の際に、両親がお屋敷に置いてきたブローチがあるの。それを探して欲しいのよ…冒険者ギルドに依頼も出してるけど、誰も引き受けてくれなくて」
「どんなブローチですか?形や色が分かれば、気にかけてみますよ」
「銀の縁取りに、ダンジョンで取れた翡翠を加工した物だったと。背面に文字が刻まれています。大きさは…小振りだったかと」
真剣な表情で頼まれてしまったが、どうせ調査で入るならばサブミッションみたいで面白そうなので、二つ返事で引き受ける。
「探してみましょう…私は冒険者ギルドに所属していないので、報酬については別途相談にはなりますが」
「冒険者じゃないのですか?」
「相棒が冒険者でして、私は只の旅人をしてます。相棒が居なければ単なる無宿人ですね…そう言えば、貴方の名前は?」
「アタシはシンシアってんだ。宿屋と食堂の経営者さ」
案内された宿屋の部屋は小さめだが、定期的に冒険者は来るのか食堂はしっかりとした物だった。
既に20人は入っているのだ。
「この食堂は日が落ちても暫く営業してるから、結構お客さんが来るんですよ」
「そうなのですね、私も後で食べに来ます」
自分の部屋に到着すると、一度ショルダーバッグとジャケットを下ろして身体を伸ばす。
今日は宿屋のベッドでしっかりと身体を休めて、明日以降の調査に取り掛かるのだ。
まったりと移動していたつもりだが、あっさりとオブリビアに近い村に到着してしまったのだ。
「イズミ…今までもそうなんだが、移動が早過ぎないか?」
「そうなのかねぇ、マスタングと一緒ならまったりと走ってこの位だと思うが」
イズミの言葉を聞いたマスタングは即座に修正を入れる。
「かなりゆっくりと走っております。自動運転モードであれば、休憩込みで6日目にはオブリビアで調査が始められたさと」
「道中の町で色々と見たかったからさ…コーヒー豆が無いかどうかとか」
イズミは相変わらずコーヒー豆探しを続けているが、一向に見つからないのである。
「あんな苦い飲み物、良く飽きずに飲めるよなぁ。アタイは初めて飲んだ時驚きのあまり吹き出しちまったし」
「あの苦味が良いんだよ、目が覚めるんだ」
腕時計を確認すると14時になった所である。
オブリビアに一番近い村だと言う、オブリンドにある宿屋に一泊するつもりで、マスタングを徐行で走らせる。
オブリンドはオブリビアが放棄された際、別の村や町へ移住する事が出来なかった者達で構成された村らしい。
村には衛兵はおらず、村民に声を掛けて冒険者ギルドの場所を教えて貰う。
「旅のお方かい?冒険者ギルドなら、あの三角屋根の天辺に2つの旗を立てている建物だよ」
「どうも」
イズミは教えて貰ったお礼がてら銀貨を2枚握らせると、そのまま冒険者ギルドの建物まで向かう。
馬車置き場に駐車すると、ベリアが挨拶をする為に建物へと入ってゆく。
冒険者ギルドの建物は思っていたより小さく、取り敢えず拠点はありますと言うだけにも見える程だった。
借りにも過去にダンジョンがあった都市の近くにありそうな、しっかりとした設備は期待出来ないように思える。
「戻ったぞ」
「おう、どうだった?」
「最近オブリビアに入った冒険者パーティーの話も聞けたけど、長居したくない場所だとさ。ずっと何者かの視線を感じるし、日が落ち始めると変な臭いが漂ってくるらしい」
「変な臭いねぇ、それは風読みで分かりそうか?」
「…今は何とも。夕方確認してみるよ」
冒険者ギルドで聞いたと言う宿屋へ向かうと、落ち着いた雰囲気の建物だった。
2人で別々の部屋を取り、馬車置き場を借りるとマスタングを停めに向かう。
「この村に用があるとは珍しいね」
「えぇ、縁あってオブリビアの調査を頼まれましてね」
宿屋の女性に村へ来た目的を話すと、表情が硬くなったのが分かる。
「オブリビアはもう只の廃墟都市だよ。変な噂のせいで誰も入りたがらないし、行方不明者も多くてさ」
「そうみたいだな…それも含めて調べるのさ」
「アタシは小さい頃、オブリビアに住んでたんだ。帝国が侵攻してくるまでは賑やかな都市だったんだよ、両親が領主様のお屋敷で働いてたから、色々と学ばせて貰えてね」
「領主の屋敷ですか、どの辺りにあります?」
思い出話に乗っかる形で、手持ちのオブリビアの資料を広げる。
「ええとね、此処だね。この村から進むと、この地図からだと右下寄りから入る感じになるね」
「調べてみる価値はありそうだ」
イズミは地図に屋敷の場所を炭で丸をつけると、ショルダーバッグに収納する。
「…もしも、お屋敷の調査に入れたらなんだけど、1つ頼まれてくれないかい?」
「なんです」
「帝国の侵攻の際に、両親がお屋敷に置いてきたブローチがあるの。それを探して欲しいのよ…冒険者ギルドに依頼も出してるけど、誰も引き受けてくれなくて」
「どんなブローチですか?形や色が分かれば、気にかけてみますよ」
「銀の縁取りに、ダンジョンで取れた翡翠を加工した物だったと。背面に文字が刻まれています。大きさは…小振りだったかと」
真剣な表情で頼まれてしまったが、どうせ調査で入るならばサブミッションみたいで面白そうなので、二つ返事で引き受ける。
「探してみましょう…私は冒険者ギルドに所属していないので、報酬については別途相談にはなりますが」
「冒険者じゃないのですか?」
「相棒が冒険者でして、私は只の旅人をしてます。相棒が居なければ単なる無宿人ですね…そう言えば、貴方の名前は?」
「アタシはシンシアってんだ。宿屋と食堂の経営者さ」
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「この食堂は日が落ちても暫く営業してるから、結構お客さんが来るんですよ」
「そうなのですね、私も後で食べに来ます」
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