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第二十三章 独自の調査
第三百九十一話 異様な空間
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屋敷の奥にある別館は住み込みで働く従者達向けの建物であり、屋敷と比較すると要所要所に造りの甘さ…どちらかと言うと建材には拘ったが建物としては簡素に見える造りである。
別館の入口扉は蹴破られたような跡が残っている。
そっと扉を開けて内部を照らすと、壊れた木製の窓から光が差し込んでおり、静寂に包まれた空間に光の筋を作っていた。
「こっちも都市が放棄される時に片付けにでも入ったのかな?」
「さぁな。でも、直近では変な跡も無いみたいだ」
ベリアは足元をライトで照らすと、まず床の汚れ具合や人が踏み入れた痕跡を探す。
別館は完全に従者用の建物であり、一階は食堂や厨房、洗濯室や流し場に御手洗等の部屋、二階と三階は従者用の部屋になっているようだ。
食堂だっただろう部屋に入ると、テーブルと椅子が無造作に置かれている。
壁際にある棚には皿を入れていたのだろうけれども、今は何も入ってはいない。
厨房をライトで照らすも、食器類や調理道具は見当たらず、調理に使われていた釜は取り外されている。
「退去済みって感じだな」
「イズミ!二階に来てくれないか」
離れた所からベリアが呼んできたので、返事をしてから入口迄戻る。
「何かあったのか?」
「ちょっと見てくれよ、二階は物が散乱してるんだ」
「一階は空っぽだったが」
踏む度にギィギィと鳴る階段をゆっくりと昇ると、ベリアが壁に寄りかかりつつ待っていた。
通路を確認すると、一階とはまるで違う状態だった。
通路を挟み両側に部屋がある構成になっているが、部屋の扉は壊れており寝具や家具の破片のような物が散らばっている。
「家探しでもしてたのかな」
「散らかし方が凄えや」
イズミは右側の部屋を、ベリアは左側の部屋の探索を始める。
部屋内の構成は両側に二段ベッド、小振りな机と椅子が1つとなっている感じだが、どれも朽ちて駄目になったようには見えない。
何者かに力任せに破壊されたように見えるのだ。
「こりゃ酷いな」
部屋の端に丸められた衣類のような物があったので、近くにあった折れた木材で寄せてみる。
しゃがみ込んでソレを手で伸ばしてみると、ボロボロでカビも生えているが女性用の寝間着のようだった。
「初めて見つけた生活痕がコレか」
イズミは立ち上がり隣の部屋の確認に入ると、同様に部屋内は荒らされていた。
「ベリア、そっちはどうだ?こっちは結構荒れてるけど」
「アタイの見てる方も荒らされてるぞ。衣類や小物も床に散らばってる」
「屋敷の方も二階はこんな感じなのかどうなのか」
取り敢えず確認だけ済ませると、2人は順番に階段を昇り三階も確認する。
しかし、三階は雰囲気が違った。
全ての部屋の扉が閉まっており、廊下には何も無い。
突き当りの壁までライトで照らすも、太陽光の差し込み1つ無い廊下はどんよりと重く暗い。
「うわ…」
ベリアは思わず言葉が漏れ出てしまっている。
「二階は荒れ放題だったのに、三階は手付かずなんて有り得るのか?」
「この重苦しい雰囲気に負けたんじゃないか?」
「冒険者なら兎も角、物取りとか野盗がそんな玉かよ」
イズミは試しに右側の一番手前、鍵穴の無い扉に手をかけてみる。
「ん?開かないな」
押しても引いても、扉は動く様子も無い。
「内側から鍵でも掛けてるのか?」
「部屋内にある何かが倒れて、扉に干渉してるとかじゃないかな」
「その可能性は高いかもな」
ベリアは異様な雰囲気に怖気付いたのか、廊下に一歩も踏み込んで来ない。
「ベリア?」
「あ、アタイはちょっと…怖くて無理だ」
「そうか。だったら、ライトで廊下を照らしておいてくれないか」
「ソレだったら、大丈夫」
ライトで廊下が照らされ、自分のライトで隣の部屋の扉が開くかを確かめる。
扉の部屋はすんなりと扉が開いたので、ライトで部屋内を照らす。
「…」
イズミは何も言葉が出てこなかった。
部屋内は何一つ荒らされた痕跡は無く、ベッドも埃は被っているが綺麗に整えられている。
従者の仕事着や私物もチラホラ散見している。
小さくため息をつくと、静かに部屋内を探索を始める。
机に付いている引き出しを開けてみるが中は空で、個人用の荷物入れも見てみると数点の小物が入っている。
探しているブローチは入っていない。
「こんなに綺麗なのも、寧ろ怖いな」
他の部屋も探索したが、探し物は見つからなかった。
確認出来なかったのは、最初の部屋だけだ。
ベリアは少しでも早くこの空間から離れたいのか、しきりにイズミに声をかける。
「イズミ、そろそろ戻ろうぜ。此処には長居しなくない」
「分かった、続きは明日にしよう」
腕時計を確認すると16時を過ぎている。
夕方以降は冒険者もオブリビアから離れると言っていたのを思い出し、ベリアの元へ向かう。
ベリアが階段を降りて二階に到着した時、イズミの背後で物音がした。
「ん?」
音のした方へライトを向けると、扉が開かなかった部屋の扉が、ゆっくりと少しだけ開いた。
別館の入口扉は蹴破られたような跡が残っている。
そっと扉を開けて内部を照らすと、壊れた木製の窓から光が差し込んでおり、静寂に包まれた空間に光の筋を作っていた。
「こっちも都市が放棄される時に片付けにでも入ったのかな?」
「さぁな。でも、直近では変な跡も無いみたいだ」
ベリアは足元をライトで照らすと、まず床の汚れ具合や人が踏み入れた痕跡を探す。
別館は完全に従者用の建物であり、一階は食堂や厨房、洗濯室や流し場に御手洗等の部屋、二階と三階は従者用の部屋になっているようだ。
食堂だっただろう部屋に入ると、テーブルと椅子が無造作に置かれている。
壁際にある棚には皿を入れていたのだろうけれども、今は何も入ってはいない。
厨房をライトで照らすも、食器類や調理道具は見当たらず、調理に使われていた釜は取り外されている。
「退去済みって感じだな」
「イズミ!二階に来てくれないか」
離れた所からベリアが呼んできたので、返事をしてから入口迄戻る。
「何かあったのか?」
「ちょっと見てくれよ、二階は物が散乱してるんだ」
「一階は空っぽだったが」
踏む度にギィギィと鳴る階段をゆっくりと昇ると、ベリアが壁に寄りかかりつつ待っていた。
通路を確認すると、一階とはまるで違う状態だった。
通路を挟み両側に部屋がある構成になっているが、部屋の扉は壊れており寝具や家具の破片のような物が散らばっている。
「家探しでもしてたのかな」
「散らかし方が凄えや」
イズミは右側の部屋を、ベリアは左側の部屋の探索を始める。
部屋内の構成は両側に二段ベッド、小振りな机と椅子が1つとなっている感じだが、どれも朽ちて駄目になったようには見えない。
何者かに力任せに破壊されたように見えるのだ。
「こりゃ酷いな」
部屋の端に丸められた衣類のような物があったので、近くにあった折れた木材で寄せてみる。
しゃがみ込んでソレを手で伸ばしてみると、ボロボロでカビも生えているが女性用の寝間着のようだった。
「初めて見つけた生活痕がコレか」
イズミは立ち上がり隣の部屋の確認に入ると、同様に部屋内は荒らされていた。
「ベリア、そっちはどうだ?こっちは結構荒れてるけど」
「アタイの見てる方も荒らされてるぞ。衣類や小物も床に散らばってる」
「屋敷の方も二階はこんな感じなのかどうなのか」
取り敢えず確認だけ済ませると、2人は順番に階段を昇り三階も確認する。
しかし、三階は雰囲気が違った。
全ての部屋の扉が閉まっており、廊下には何も無い。
突き当りの壁までライトで照らすも、太陽光の差し込み1つ無い廊下はどんよりと重く暗い。
「うわ…」
ベリアは思わず言葉が漏れ出てしまっている。
「二階は荒れ放題だったのに、三階は手付かずなんて有り得るのか?」
「この重苦しい雰囲気に負けたんじゃないか?」
「冒険者なら兎も角、物取りとか野盗がそんな玉かよ」
イズミは試しに右側の一番手前、鍵穴の無い扉に手をかけてみる。
「ん?開かないな」
押しても引いても、扉は動く様子も無い。
「内側から鍵でも掛けてるのか?」
「部屋内にある何かが倒れて、扉に干渉してるとかじゃないかな」
「その可能性は高いかもな」
ベリアは異様な雰囲気に怖気付いたのか、廊下に一歩も踏み込んで来ない。
「ベリア?」
「あ、アタイはちょっと…怖くて無理だ」
「そうか。だったら、ライトで廊下を照らしておいてくれないか」
「ソレだったら、大丈夫」
ライトで廊下が照らされ、自分のライトで隣の部屋の扉が開くかを確かめる。
扉の部屋はすんなりと扉が開いたので、ライトで部屋内を照らす。
「…」
イズミは何も言葉が出てこなかった。
部屋内は何一つ荒らされた痕跡は無く、ベッドも埃は被っているが綺麗に整えられている。
従者の仕事着や私物もチラホラ散見している。
小さくため息をつくと、静かに部屋内を探索を始める。
机に付いている引き出しを開けてみるが中は空で、個人用の荷物入れも見てみると数点の小物が入っている。
探しているブローチは入っていない。
「こんなに綺麗なのも、寧ろ怖いな」
他の部屋も探索したが、探し物は見つからなかった。
確認出来なかったのは、最初の部屋だけだ。
ベリアは少しでも早くこの空間から離れたいのか、しきりにイズミに声をかける。
「イズミ、そろそろ戻ろうぜ。此処には長居しなくない」
「分かった、続きは明日にしよう」
腕時計を確認すると16時を過ぎている。
夕方以降は冒険者もオブリビアから離れると言っていたのを思い出し、ベリアの元へ向かう。
ベリアが階段を降りて二階に到着した時、イズミの背後で物音がした。
「ん?」
音のした方へライトを向けると、扉が開かなかった部屋の扉が、ゆっくりと少しだけ開いた。
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