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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百四十一話 圧が凄い
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「…朝も早くに何の用です?」
宿屋で熟睡している所を叩き起こされたイズミは、その不機嫌さを隠すこともせずに目の前で青筋を立てているシュナイダーと眠たげなテレジア、そして御子だろう2人と共に冒険者ギルドの打ち合わせ室にて対面している。
「オブリビアの調査は明日からでしたよね」
「そうですね。しかし、調査前に確かめておかねばなりません」
シュナイダーの言葉に熱が籠もっているのが伝わって来るが、朝一番にコレは正直しんどいものがある。
「何故、他の御子も『あのメダル』を持っているのでしょうか。納得のゆく説明をお願いしたい」
「3個入り1セットで入手したからだ。それにテレジアにだけ渡しておくのは、なんか公平じゃないだろ…てのは半分冗談で、御子様の聖魔法が調査の要になると踏んでいるから、そのメダルが助けになると判断してお渡ししたのですよ」
「いつ、何処で、誰から、どのような経緯で購入したのかを聞いているのです!」
「朝から元気なのは良いことだが、そんなに飛ばしてると疲れるぜ?」
鬼気迫るシュナイダーの圧をもろともせず、イズミは大きな欠伸をして身体を伸ばした。
「イズミ。本来であれば身柄を拘束し尋問にかけてでも話をしてもらうような、重大な違反行為の調査になる事案です。こうして対話が出来ているだけでも感謝して頂きたいくらいですよ」
「そのようですね。テレジアさん達に感謝をしておきます…どうもありがとう。お礼に調査前のリラックスがてら、後でお菓子でもどうです?勿論、私からの善意100%です」
シュナイダーそっちのけで話をしていると、テレジアの左隣に立つ御子が口を開いた。
「お菓子…ですか」
お菓子に少なからずの期待があるのか瞳が輝いているように見えるが、シュナイダーが軽く睨むとススっとテレジアを壁代わりにして隠れた。
「どうしてもお答え頂けないのですか」
「私を捕まえ罰する事は出来ても、製作者や販売者を捕まえて罰する事は不可能ですから。諦めるのが1番ですよ」
「不可能とは強く出ましたね…」
色々とヒントを出しているからか、シュナイダーは深く考え込む。
「最も簡単な解の1つは、製作者も販売者も既に故人である可能性ですが…これ程の作り込みが出来る職人ならば我々が把握していない方がおかしい。やはり一度鑑定スキル保持者に確認をしてもらうのが先か」
ぶつぶつと思考をまとめ始めたシュナイダーを横目に、イズミはテレジア達からこの男に関する話を聞いておく。
「テレジアさん、このシュナイダーって方はどんな御方です?」
「真面目で厳格な御方ですね。自分にも他人にも厳しい所がありますが、相手への思いやりのある教会には必要不可欠な方です」
「そんな御方に悪い方向でマークされていると、私の旅路はどうなります?」
「教会の第1神殿に居られる神官様達からの永久的な監視対象になりますね。教会に対する如何なる違反行為の有無を調べ続け、違反を1つでも発見すれば如何なる権力者であろうとも身柄を拘束し罰します。過去には大きな争いに発展した事もありますね」
聞く限り光の教会に対する違反行為を絶対に許さない、そんな過激な一面もあるようだ。
「気軽な旅路を覗き見されるのは嫌ですね…とは言え、話をしても厄介事が増えるだけになりそうだし。困ったな」
「ならば正直に真実を話せば良いのだ」
「正直に話したからと言って、俺の自由気ままな旅に制約がかからない確証も無いだろ。俺の生きる目的は旅をする事だ…何事にも縛られる事無く、気の向くままに行先を決める本当の意味で自由な旅だ」
「その自由な旅が、我々に真実を告げると害されると思っているのか?思い上がりも甚だしい」
「確実に害されるね。断言出来る」
イズミはショルダーバッグから酒を取り出すと、グイッと一口飲み強い酒精で眠気を飛ばした。
「巨大化した組織ってのは、何でもかんでも管理したがるからな。なんなら他人の物であっても自分の物にしたいからと、尤もらしい理由を取り繕って奪う事も厭わない」
「心外だな。帝国でもあるまいし、光の教会はそんな愚かな選択はしない」
シュナイダーはイズミを冷たい目で睨みつける。
自分達を帝国と同類に扱われるのが本当に不快なようだ。
「争いなき組織の巨大化など、ありえはしない。権力を手にした者は必ず、利用出来る人や物を手中に収めようとするものだ。俺にとってそれは迷惑以外の何物でもない」
酒の効果で頭が冴えて来たので椅子から立ち上がると、テレジア達に今日の空き時間を確認してから打ち合わせ室を出ていった。
「ロレッタ、あの男の監視をしなさい。隠し事の多い男だ、必ずボロを出す」
「分かりました」
「菓子を受け取る時にも、隙あらば探りを入れる事も忘れずに。必ず真実に辿り着いてみせましょう」
シュナイダーは深呼吸をすると、本来の仕事へと戻ってゆく。
宿屋で熟睡している所を叩き起こされたイズミは、その不機嫌さを隠すこともせずに目の前で青筋を立てているシュナイダーと眠たげなテレジア、そして御子だろう2人と共に冒険者ギルドの打ち合わせ室にて対面している。
「オブリビアの調査は明日からでしたよね」
「そうですね。しかし、調査前に確かめておかねばなりません」
シュナイダーの言葉に熱が籠もっているのが伝わって来るが、朝一番にコレは正直しんどいものがある。
「何故、他の御子も『あのメダル』を持っているのでしょうか。納得のゆく説明をお願いしたい」
「3個入り1セットで入手したからだ。それにテレジアにだけ渡しておくのは、なんか公平じゃないだろ…てのは半分冗談で、御子様の聖魔法が調査の要になると踏んでいるから、そのメダルが助けになると判断してお渡ししたのですよ」
「いつ、何処で、誰から、どのような経緯で購入したのかを聞いているのです!」
「朝から元気なのは良いことだが、そんなに飛ばしてると疲れるぜ?」
鬼気迫るシュナイダーの圧をもろともせず、イズミは大きな欠伸をして身体を伸ばした。
「イズミ。本来であれば身柄を拘束し尋問にかけてでも話をしてもらうような、重大な違反行為の調査になる事案です。こうして対話が出来ているだけでも感謝して頂きたいくらいですよ」
「そのようですね。テレジアさん達に感謝をしておきます…どうもありがとう。お礼に調査前のリラックスがてら、後でお菓子でもどうです?勿論、私からの善意100%です」
シュナイダーそっちのけで話をしていると、テレジアの左隣に立つ御子が口を開いた。
「お菓子…ですか」
お菓子に少なからずの期待があるのか瞳が輝いているように見えるが、シュナイダーが軽く睨むとススっとテレジアを壁代わりにして隠れた。
「どうしてもお答え頂けないのですか」
「私を捕まえ罰する事は出来ても、製作者や販売者を捕まえて罰する事は不可能ですから。諦めるのが1番ですよ」
「不可能とは強く出ましたね…」
色々とヒントを出しているからか、シュナイダーは深く考え込む。
「最も簡単な解の1つは、製作者も販売者も既に故人である可能性ですが…これ程の作り込みが出来る職人ならば我々が把握していない方がおかしい。やはり一度鑑定スキル保持者に確認をしてもらうのが先か」
ぶつぶつと思考をまとめ始めたシュナイダーを横目に、イズミはテレジア達からこの男に関する話を聞いておく。
「テレジアさん、このシュナイダーって方はどんな御方です?」
「真面目で厳格な御方ですね。自分にも他人にも厳しい所がありますが、相手への思いやりのある教会には必要不可欠な方です」
「そんな御方に悪い方向でマークされていると、私の旅路はどうなります?」
「教会の第1神殿に居られる神官様達からの永久的な監視対象になりますね。教会に対する如何なる違反行為の有無を調べ続け、違反を1つでも発見すれば如何なる権力者であろうとも身柄を拘束し罰します。過去には大きな争いに発展した事もありますね」
聞く限り光の教会に対する違反行為を絶対に許さない、そんな過激な一面もあるようだ。
「気軽な旅路を覗き見されるのは嫌ですね…とは言え、話をしても厄介事が増えるだけになりそうだし。困ったな」
「ならば正直に真実を話せば良いのだ」
「正直に話したからと言って、俺の自由気ままな旅に制約がかからない確証も無いだろ。俺の生きる目的は旅をする事だ…何事にも縛られる事無く、気の向くままに行先を決める本当の意味で自由な旅だ」
「その自由な旅が、我々に真実を告げると害されると思っているのか?思い上がりも甚だしい」
「確実に害されるね。断言出来る」
イズミはショルダーバッグから酒を取り出すと、グイッと一口飲み強い酒精で眠気を飛ばした。
「巨大化した組織ってのは、何でもかんでも管理したがるからな。なんなら他人の物であっても自分の物にしたいからと、尤もらしい理由を取り繕って奪う事も厭わない」
「心外だな。帝国でもあるまいし、光の教会はそんな愚かな選択はしない」
シュナイダーはイズミを冷たい目で睨みつける。
自分達を帝国と同類に扱われるのが本当に不快なようだ。
「争いなき組織の巨大化など、ありえはしない。権力を手にした者は必ず、利用出来る人や物を手中に収めようとするものだ。俺にとってそれは迷惑以外の何物でもない」
酒の効果で頭が冴えて来たので椅子から立ち上がると、テレジア達に今日の空き時間を確認してから打ち合わせ室を出ていった。
「ロレッタ、あの男の監視をしなさい。隠し事の多い男だ、必ずボロを出す」
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シュナイダーは深呼吸をすると、本来の仕事へと戻ってゆく。
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