アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

233 四面楚歌

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ドドドドドドドドドドドドドドドドド…
タッタッタッタッタッタッタッタッダッダッダッダッダッ…
ギャッギャッギャッギャッギャッギャッ…
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ…
グギャーッ グギャーッグギャーッ グギャーッ…
ガウガウガウガウガウガウガウガウガウ…
 

前からも後ろからも。
右からも左からも。
全方位から押し寄せる魔獣の群れ。
四面楚歌。


俺は俺のできることをする。


 「馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵!…」

 「馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵!…」

 「馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵! 馬房柵!…」


 「な、なにこれ!」

 「す、すごい…」

 「ア、アレクお前…」

 「ア、アレク君あなた…」


発現したのは高さ1メルほど、斜めに棘が出た拒馬、馬房柵だ。
今の俺の魔力で瞬時に発現できる高さと発現量。もちろんいつまで続くかわからない中、魔力枯渇はしない。


本陣を円の中心に半径50メル弱・40メル・30メルの外周3段で馬房柵を設置。
乗り越えるにせよ、倒すにせよ、これで少しは魔獣の進軍速度をコントロールできる。


ズズズズズーーーーッ


本陣も1.5メルほどの高さの分厚い土塀で囲った。


 「マリー先輩、キム先輩、シャンク先輩、セーラ、あとは任せます!」

 「よくやったアレク!」

 「「「ええ(はい)!」」」


駆け出していくアレクだ。



【  アレクside  】

俺ができることの優先順位。

主力が来る前方への対処だ。
まずは空からの脅威、ガーゴイルの除去。
陸の脅威、ワーウルフとゴブリンライダー、コボルトの除去だ。

こいつら機動部隊のあとには主力も控えている……。


「サンダアアァァンプォォォ!」

雷魔法「土砂降りの雷(Thunder+downpour)」だ。
ぶっつけ本番だけど不思議と成功する確信があった。


たちこめる雷雲から発現されるのは限りなくLevel4に近いLevel3・上級の雷魔法だ。

ピカッ!
ドカカカァァァン!
ピカッ!
ドカカカァァァン!
ピカッ!
ドカカカァァァン!

ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!

次々に撃墜するガーゴイル。
ランダムに降り注ぐ雷の乱撃。
直撃すれば慈悲のない結果となるのは免れない。
地上から迫りくるワーウルフ、ゴブリンライダー、コボルト群も同様。
次々に、雷の直撃を受けて倒れていく。真っ黒に穴を開けて穿つ雷の犠牲となって。


それでも。

ドドドドドドドドドドドドドドドドド…
タッタッタッタッタッタッタッタッダッダッダッダッダッ…
ギャッギャッギャッギャッギャッギャッ…

雷の間隙を縫って俺たちの本陣にまでたどり着こうとする魔獣の部隊。

 「セーラ、上に障壁を!」

乱戦を覚悟するなか、俺は大声でセーラに注意を促した。



【  セーラside  】

アレクの発した大声に応じて、私は聖魔法・聖なる盾を発現します。
アレクの指示に疑うことは何もありません。大切な仲間の指示通り。

 「ホーリーガード(聖壁)!」

私たちの本陣を箱に見立て、上から下まですべてを囲む不可視の盾・聖壁です。

ピカッ!
ドカカカァァァン!

ピカッ!
ドカカカァァァン!

前方では、無数のガーゴイルがアレクの発現した雷魔法に堕とされていくのが見えます。
すごいです。

それでも土砂降りの雷を潜り抜けた何体かのガーゴイルが、手にした岩石を上空から手放しました。


ヒューーーーーーッ

ドカカカァァァンッ

ヒューーーーーーッ

ドカカカァァァンッ

ヒューーーーーーッ

ドカカカァァァンッ

煉瓦大。
ガーゴイルが上空から落とす岩石も直撃すればかなりの脅威となります。
だけど大丈夫。

本陣前で。
ホーリーガードが、マリー先輩、シャンク先輩、私の3人を守り上空からの脅威を防ぎます。


ヒューーーーーーッ

ドカカカァァァンッ
ドカカカァァァンッ
ドカカカァァァンッ


ビリビリと震えるホーリーガード。
でもこのくらいびくともしません。私だってみんなを護れるように、日々魔力を高めていますから。
もう足手まといになったり、みんなに心配されるだけの私じゃありません。

次は向かってくるスカルナイトたちアンデットを。
ホーリーガードを維持しながら倒していきますね。


そう、少しでも仲間に役に立つことを。

私は私にできることをやるだけです。

そしてここでも。

魔獣に勝って、アレクとあのポーズを一緒にやるんです。



馬房柵を抜けたスカルナイトが近づいてきました。

ザワザワ ザワザワ ザワザワ…

 「いきます。ライト!」

青い光の聖魔法がスカルナイトを貫きます。

バリバリバリバリッ

再生することも叶わず、粉々に崩れていくスカルナイト。


やりました!
アレクやりましたよ!

 「ばああぁぁぁーん!」

 指てっぽうのポーズ(意味はわからないけど?)をとる私。

 ポーズ、こうでしたよねアレク?


――――――――――――――


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