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第2章 幼年編
457 3年春〜成果
しおりを挟むその後も毎日違うメニューを出し続けたんだ。うん。楽しかったよ。あっという間に1週間が過ぎたんだ。
ハプニングもあったよ。
パッパッパッパッパァァァァァーー
艦内中に何かをを知らせるラッパの音が響いたんだ。突撃ラッパと言われればそうだろうなと思うくらいに威勢のいい響きが艦内に響いたんだ。
「雨だ雨だ!」
「雨よ!行くわよアレク君!」
「急げアレク!」
そう口にした2人に急き立てられて甲板に上がったんだ。ああ身体を洗うんだよなきっと。
すると予想どおり甲板ではみんなが水浴びをしていたんだ。
「「「ヒャッホー!」」」
「「「気持ちいいー!」」」
「「「サイコー!」」」
外洋航海ではふだんは身体も洗えない。だから降る雨で身体を洗えるのは貴重な時間なんだよね。
男も女もみんなが上半身裸になって身体を洗っていたんだ。
「船じゃあシャワーも浴びられないだろ」
「雨が降ったらチャンスなのよ。
ん?ア、アレク君ど、どうしたの?」
「ちょっ?!リ、リリアーナお前‥‥」
「ん?どうしたの?」
雨が降ったときだけは上半身を裸にして身体を洗う。
海軍兵にとってそれは男女問わず誰もが抵抗ないっていうか当たり前のことなんだって。教官の若い女性も上半身裸なんだよ。
てか俺の目の前ではリリアーナが胸を開け放して立ってるから‥‥
「ウッウッ‥‥」
「アウアウアウアウアウアウアウアウ‥」
ヤバいヤバい!このままだと意識がとぶ!
「仕方ないわね。助けてあげるわ」
「ウィンド!」
シユュュューーッッ!
シルフィが気つけ的に俺の顔に風を送ってくれたんだ。
「あ、ありがとうございますシルフィさん‥」
おかげで気を失わなくて済んだよ。
だけど‥‥
プシュッッッ!
だらあああぁぁぁぁぁ‥‥
真っ赤な鼻血がちょびっとだけ。ほんのちょっぴりコップ1杯ほど流れたんだ。
もちろん気は失わなかったよ。
「アレク君どうしたの?!大丈夫?!」
心配させたくなかったからね。ついついリリアーナにはこっそりと話したんだよ。
「(俺内緒だけどね‥‥プシュッ‥‥女の人の裸を見たりするとねプシュッ‥‥興奮してねプシュッ‥‥ときどきこうなるんだプシュッッ‥‥)」
「えっ!」
さっと胸を隠したリリアーナが叫んだんだ。
「それって変態じゃない‥‥?
いいえ‥‥変態よね?
(キリッ!)ぜったい変態よ!」
「キャーーーッッ!変態よおおおぉぉぉーーーー!」
「「「!!!」」」
半径2メル。俺の周りから誰もいなくなった。
ワハハハハハ
わははははは
ガハハハハハ
大爆笑に包まれる甲板。
「あはははは変態よおぉぉぉーーー」
とくにリリアーナは俺を指差しながら大笑いしてるんだ。小刻みに震える腕に後ろでチラチラ見えるボッチが‥‥
あっヤバい‥‥プシュッッ‥‥
シルフィのおかげ?でいつもの瀕死状態にはならなかったよ。噴出量も断然少なかったし。
でも周りから遠巻きに見られて1人佇む俺……。
くそっ‥‥雨が冷たくて‥‥気持ちいいな。
▼
いよいよ土曜の早朝には帰港するという木曜日のお昼。昼ご飯が終わったあと艦長から甲板に集まるようにって言われたんだ。
「なんだろうな?」
「「なんだろうね?」」
そこには全乗組員が勢ぞろいしていたんだ。
「司厨長が突然倒れた関係で毎日司厨長代理をしてくれたアレク君。そんな彼ともあとわずかでお別れだ。
が彼はこれから1年間帝国学園で学ぶことになる。貴君らも陸で彼と会うこともあろう。
ここでの仲間となった絆は陸であっても変わらぬ。絆を胸にともに研鑽を積まれんことを願う」
「「「ヨーソロー!」」」
「ひいては僅かながらも帝国史観、政治学を学んだアレク君に勉強の成果を発表してもらう。傾聴!」
「「「ヨーソロー!」」」
えっ?!いきなりかよ?!
「は、発表します。て、帝国は建国以来300年を超える中原有数の大国です。
国家は皇帝陛下を頂点とする中央集権体制です。
政は皇帝とそれを支える各地区行政区の代表や陸海騎士団魔法士団の4軍の代表などから構成される100人委員会で決められます。
皇帝を含むこの100人委員会に属する人は皆1代限りの貴族として国家から任命されます。
任期は最大で30年。1代限りの貴族位です。これは貴族の世襲を一切認めない帝国ならではの優れた制度です。
このため国民から貴族への崇敬の念は高くまた貴族自身も誇りに溢れた優れた人物が多く存在しています。
これは他国にはない珍しいことです。
それゆえに罪を犯した貴族に対しては厳罰が与えられることになります。
収賄汚職、暴力、政争に明け暮れる他国の貴族にはみられない帝国ならではの自浄能力の高さには驚くばかりです。
100人委員会に属する以外にも貴族になる方法の1つには帝国学園で年に1度開かれる武闘祭に優勝することからも可能です。
現在マルコ・ディスパイス君がこの貴族位を与えられています。
帝国学園は6学年10クラス。1組50人総生徒数3,000人の徹底した実力主義を採る学園です。王国をはじめ多くの学校制度は帝国から学んだものが多く年度末の武闘祭に学年順位が決まります。
えーっとマルコ・ディスパイス君と交換留学生としてきた俺は当然年度末の武闘祭では優勝する予定です。
あっ?そ、それって俺も貴族になれるのかな?わ、わ、わわ俺農民の子だよ?
あっ!す、す、すいません以上で終わります」
「「「‥‥」」」」
わはは‥‥
ワハハハハハハハ
あははははははは
ギャハハハハハハ
「「「お前ならなれるよ」」」
「「「いーぞー変態貴族!」」」
「「「いーぞーゴブリン貴族!」」」
「「「変態変態変態変態変態変態変態変態‥‥」」」
「「「ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン‥‥」」」
空中でも腹抱えてシルフィが笑ってるし。
結局いつもこうだよ‥‥
なんだよその変態貴族やゴブリン貴族って!
甲板中が大きな笑いに包まれたんだけど……。
艦長が再び話しをし始めた。あっ、艦長って話始めたら長いんだったよ。
「貴君らは長い人生の旅路。それはまさにこの船の‥‥」
そこから2点鐘延々と話が続いたんだ。もちろん俺たちは直立不動の姿勢のままでね。
ああ腹へった……。
▼
金曜日。
いよいよ帝国に着くという前日。
お昼に司厨長さんたちがついに復帰したんだ。
―――――――――――――――
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