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第2章 幼年編
645 綻び
しおりを挟む【 ◯◯◯side 】
なぜだなぜだ!
なぜだよ。
なにがアイツと違うんだよ?
くそっ!栄光の俺様がこのままじゃ帰れないぜ……。
――――――――――
「4年のアレク先輩もいるの?」
「狂犬とか言う人だろ?」
「歴代最強とか言う人だろ?」
「変態とか言う人だろ?」
「小さいって聞いたけど?」
「「「どこだ?」」」
――――――――――
「レベッカ寮長ただいまー」
「アレク君!お帰りなさい‥‥大きくなって‥‥うっ‥‥」
そう言いながら優しく俺の肩を抱いてくれたレベッカ寮長。
「なんで寮長が泣くんだよ!」
「だって‥‥」
ああ、やっぱり寮長も俺にとって大事な身内だよ。
今もこうして帰ってきた俺のために泣いてくれて‥‥‥‥
泣いて‥‥‥‥
泣いて‥‥‥‥
くんかくんかくんかくんかくんか‥‥
「何してんだよ寮長!?」
「アレク君、あんた誰よこの匂い!?私と同じいい女の匂いがするわ!」
「えっ?!俺に女なんか居ねーわ!
あー、レベちゃん?」
そういやグランドでレベちゃんと体術の修練をしたよな。でも俺毎日シャワー浴びてるよ?
どうしてわかるんだよ?怖いわ!
「あのね寮長、レベちゃんと体術の修練したんだよね」
「レベちゃん?」
「グランドのレベラオス、レベちゃんだよ」
「ああ。海洋諸国のいい女ね」
「そ、そうだよ‥‥」
「フフフ。アレク君背も高くなったから体術でも組み易くなったでしょ?」
「うん。これまでみたいにデカい相手に押し負けたりもしなくなったかな」
「じゃあ後で私とも久しぶりに闘ってみようかしらルンルン♪」
「うん。てか寮長さっきからなんでそんなにご機嫌なの?」
「そんなの決まってるじゃない!
明日は新1年生のクラス分け試験でしょ。
まだ青い果実の子たちが私の胸の上で跳び跳ねると思ったら‥‥ジュルルル」
「あははは。そういうことか」
「アレク君も昔は可愛かったのよねー」
「今は違うんかい!」
「ええそうよ。だって今はだんだん大人の階段を登ってるわ。
だからアレク君はもうすぐ牡の匂いがするのよ。それはそれで‥‥ジュルルル」
「あははは‥‥(怖いわ!)」
レベッカ寮長とナタリー女子寮長の兄妹にもお土産セットを渡したんだ。2人ともすごく喜んでくれたよ。
マジックバック(極小)にも驚いてたし。
レベッカ寮長と兄妹とは思えないナタリー女子寮長は相変わらず綺麗だった。
「お兄ちゃん明日はやり過ぎちゃダメなんだからね!1年の子たちの希望を摘んじゃダメなのよ」
「なによナタリー。あんたも闘ればいいのよ」
「そうね。私も今年は久しぶりに女子と闘ろうかな」
ナタリー寮長と修練か。俺も‥‥えへへっ。
「アレク君あんた死にたい?」
「あわわっ‥‥」
――――――――――
ヴィヨルド領 領都学園は各学年の定員は成績順に30人×10組の300人。6学年の男女凡そ1,800人の生徒が学んでいる。
成績順の席次イコール、クラス分けは帝都学園と同じなんだ。
新入生も秋の武闘祭まで、1年次の席次がこの入学試験によって決まるんだよね。
俺たち4年10傑は5、6年生と一緒に試験補助の手伝いをしたんだ。
試験会場は例年通り訓練所。
観客席には屋根がある訓練場。ここもなんだか懐かしいな。
実技試験は剣術、魔法術、格闘術(体術)。
剣、魔法、格闘の各上位3位までに入ると、上位クラス入が約束されているんだ。
「魔法の審査に出る者は集まれー!」
担当の試験官が言った。
「アレク、懐かしいわね」
「ああ」
「アリシアとキャロルとはここで出会ったよな」
「「ええ」」
「お前らあの頃から抜きん出てたよな」
「それを言うならアレクでしょ!」
「そうよ!」
「そうかな」
例年通り。100人ほどの新1年生が集まってる。気になるほど魔力のある子はいないな。
今なら人の持つ魔力の大小もわかるようになった。
だけど、あのときは俺だけ魔力が抜きん出てたのをマリー先輩には見えてたんだよな。
だからあのときのマリー先輩のワクワクした気持ちもわかるな。
隣にいる試験補助のアリシアとキャロル。
2人の魔力量が大きくなってたには驚きだよ。これなら俺も久しぶりに2人と闘りたいな。
とくにアリシアの火魔法。アリサより高い火力を発現できるじゃん!アリシアもキャロルも努力してたんだ。
「なあアリシア、キャロル。あとで俺らも模擬戦やろうぜ」
「「なんでよ?」」
「だってお前らの魔力量、かなり増えてんだぞ」
「「えへへ」」
「てかアレク、あんた魔力量見えるようになったの?」
「まあな」
「「‥‥」」
「(いつまで経ってもアレクには追いつけないわね)」
「(そうね‥‥)」
▼
「試験は例年同様よ。笛の合図と同時に前方の的を撃ち抜いてもらうわ」
「的は5メル先の1番から20メル先の20番まで。
時間内にどの属性の魔法を何発撃っても良いわ。的を外しても的を付けた木が倒ればヨシとするよ。
制限時間に倒した的の最長点を得点とする。上位3人は上級生との模擬戦に移る」
「では1組めから魔法術試験を開始する。始め!」
ピーー!
「なぁあれアレク先輩だろ」
「なんだお前アイツのこと、知ってるのかよ?」
「アイツ?お前‥‥ふざけるなよ!」
「えっ?!なんでだ?人族だろ?」
「お前なぁ、アレク先輩は学園最強なんだぞ!?しかも1年から10傑なんだぞ。それをあいつ呼ばわりか?しかも人族?
俺ら獣人より遥かに強いんだぞ!?」
「だって‥‥」
――――――――――
【 カーマンside 】
まだ足りねぇ。まだだ。もうちょっと使い勝手のいい手駒がほしいな。なにせ、あと半年だからな。
――――――――――
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