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翠が余裕の笑みを浮かべながら加賀谷の直線眉の凛々しい顔をねめつければ、加賀谷は「チームメイトで友達ですけど、友達助けちゃだめですか?」と麗紋が伸ばしてきた手を掴んでやりながら二人を睨みつける。
ただならぬ雰囲気に車を避けながら歩道に群がり団子になったクラスメイトたちは大いに盛り上がった。
「なになに、四角関係?」
「麗紋、初めてってなんだ? キスか? それとも貞操の危機なのか?」
「やっぱりあの二人とできてたのか。てかまだお前処女だったのか」
「麗紋、ずるい! 先輩たちを弄ばないで。イケメンどっちか女子によこせ、こら」
などとクラスメイトがつめ寄ってきて、あらぬ憶測を呼びまくっていることにぎょっとした麗紋は真っ赤な顔をして首を振った。
「はああ? 何の話?」
「俺たちがお前の、初めてを貰う話だろ?」
冗談めかした口調でウィンクすら決まっている翠にまたわーきゃー騒ぎが起きるし、スマホを向けて動画を取ってくるものも現れるし、その場が騒然となる。
麗紋は顔を益々トマトのように真っ赤にして叫び声をあげた。
「ああああ! やなものはやだろ!! ピアス開けるなんて! しかも二か所も! 俺は針射すのが大っ嫌いなんだよ!!」
※※※
今日は看護師をしている二人の母は夜勤、父は単身赴任中のため、今日は母の帰宅が早かった麗紋の家で夕食を食べた。そのあと麗紋が自室へ逃げ帰る前に「明日一緒に出掛ける約束してるから、うちに泊めます」と母に告げられ、隣りにある双子の家に二人に両側から挟まれて連行されてしまった。
球技大会後に汗ばんだ身体をシャワーで洗い流して浴室を出たら、扉の前に翠が寄りかかって麗紋を待っていたので驚いた。Tシャツと黒いスウェットの上にカフェオレ色のふわもこカーディガンをゆるく羽織っていて、まさにイケメン彼氏のお部屋着感半端ない。麗紋が頭に被ったフェイスタオルで手早く水気を拭きとってくれながらなんとなく抱き寄せられた。
「今更もう、逃げないって」
「どうだか?」
風呂の前で麗紋の逃亡防止とばかりに見張っていたらしい。
すでにシャワーを終えた翠はやや髪をしっとりとさせて、手には風呂上がりに麗紋が一気飲みする五百ミリリットルの牛乳パックを握っていた。こちらの家に泊まる時、麗紋は伯母から兄弟と色違いで買い与えられた、ふわもこミルクティー色のパジャマを着る。
何故だか麗紋の方はショートパンツに長めのふわもこ靴下なのだがこっちの方が可愛いでしょという伯母の笑顔には敵わず仕方なく履いているのだ。
「あっちぃ」
流石に湯上りにこのパジャマは暑すぎて、だらしなくパジャマの前をばざばざとさせてはだけさせると、素肌の上に羽織っただけで白い胸の間をつつっと拭き損ねた雫が伝っていく。
「なに?」
何となくこちらを見つめている翠の視線に気がつきそう問えば、またあの眩しいものでも見るように目を眇めていた翠はすぐ視線を反らす。
ただならぬ雰囲気に車を避けながら歩道に群がり団子になったクラスメイトたちは大いに盛り上がった。
「なになに、四角関係?」
「麗紋、初めてってなんだ? キスか? それとも貞操の危機なのか?」
「やっぱりあの二人とできてたのか。てかまだお前処女だったのか」
「麗紋、ずるい! 先輩たちを弄ばないで。イケメンどっちか女子によこせ、こら」
などとクラスメイトがつめ寄ってきて、あらぬ憶測を呼びまくっていることにぎょっとした麗紋は真っ赤な顔をして首を振った。
「はああ? 何の話?」
「俺たちがお前の、初めてを貰う話だろ?」
冗談めかした口調でウィンクすら決まっている翠にまたわーきゃー騒ぎが起きるし、スマホを向けて動画を取ってくるものも現れるし、その場が騒然となる。
麗紋は顔を益々トマトのように真っ赤にして叫び声をあげた。
「ああああ! やなものはやだろ!! ピアス開けるなんて! しかも二か所も! 俺は針射すのが大っ嫌いなんだよ!!」
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球技大会後に汗ばんだ身体をシャワーで洗い流して浴室を出たら、扉の前に翠が寄りかかって麗紋を待っていたので驚いた。Tシャツと黒いスウェットの上にカフェオレ色のふわもこカーディガンをゆるく羽織っていて、まさにイケメン彼氏のお部屋着感半端ない。麗紋が頭に被ったフェイスタオルで手早く水気を拭きとってくれながらなんとなく抱き寄せられた。
「今更もう、逃げないって」
「どうだか?」
風呂の前で麗紋の逃亡防止とばかりに見張っていたらしい。
すでにシャワーを終えた翠はやや髪をしっとりとさせて、手には風呂上がりに麗紋が一気飲みする五百ミリリットルの牛乳パックを握っていた。こちらの家に泊まる時、麗紋は伯母から兄弟と色違いで買い与えられた、ふわもこミルクティー色のパジャマを着る。
何故だか麗紋の方はショートパンツに長めのふわもこ靴下なのだがこっちの方が可愛いでしょという伯母の笑顔には敵わず仕方なく履いているのだ。
「あっちぃ」
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「なに?」
何となくこちらを見つめている翠の視線に気がつきそう問えば、またあの眩しいものでも見るように目を眇めていた翠はすぐ視線を反らす。
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