イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 委員会終わりの教室には、俺以外もう誰もいない。担任に戸締りを頼まれてたから、教室の前の方からざっと教室を見渡した。
 目の端でカーテンが波打つ。むっ、窓が開けっ放しだ。俺は窓辺へ近寄り、片手を机について窓を閉めようとした。こつん、指先に硬いものが触れた。

「わっ」

 スマホだ。スマホが置き去りになってる。ここにさっきまで座っていた奴は……。輪郭の綺麗な横顔がすっと頭に浮かんできた。
 サッカー部の、一年生。名前は知らない。だけどいろんな意味で圧倒的に目立ってたからすぐに思い出せた。 
 あー。これはやっぱ、俺が届けるべきだよな。ユニフォームを着てたし、あいつこの後部活にすぐ出るよな。練習前にスマホが無いことに気がついたら、気になってサッカーに集中できなくなるかも。それで怪我でもしたら……。
 とかすぐに他人の心配までしてしまう、俺の悪い癖だ。でもまあ、余りのプリントと一緒にこのスマホも教員室まで届ければいいか、ともすぐ思い返す。
 うーん。どうしよう。高校では人の世話ばっか焼くの、辞めようって思ってたんだけどなあ。 
 俺は鬱陶しい前髪ごとがしがしっと頭をかいて、誰も見てないから「はあっ」とデカめのため息をついた。

(しゃあない、行くか)

 こんなことを考えてる時間がもったいない。今、教室を飛び出せば、あいつが校庭に出る手前できっと追いつけるはずだ。
 中学まではバスケ部員で、足の速さには自信がある。渡せば即終わる用事だし、5分もかからないだろう。
 ま、善は急げだ。気持ちが急いて、カリカリと爪を立てひったくるように机の上からスマホをもちあげた。そしたらその拍子に暗かった画面にピカッとロック画が映し出された。

(び、びびったあ)

 でもびびるにはまだ早かった。
 チラ見した画面で、驚きのあまり「うへっ?!」って変な声が出た。
 手元も狂って、人のスマホを吹っ飛ばしそうになり、慌てて空中で掴みなおす。目がぱちぱちと瞬いて、心臓が早鐘を打ち始めた。

 ど、どういうことだ? 見間違い? そんなわけ、ないよな?
 もう一度よく見ようと恐る恐る顔の前に持ってきた画面いっぱいに、馴染みのある赤いユニフォームを着た人物が映る。この色、このデザイン、これは間違いない。

「な、なんであいつのロック画、俺の写真になってんだあ?!」

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