イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 表情の変化におおっと思った。なんだろう。美化委員の先輩だって思ってくれちゃった? なんか懐かれてる? 俺懐かれるようなことしたか?

「あーもう。じゃあエンダンはもういいよ。その代わりさ」

 だが即、女子に手綱でも握られたようにキタカドは腕をグイッと引っ張られ、強引に会話に引き戻されていった。お気の毒に……。

「今日エンダン終わったら、クラスのみんなとカラオケいって、ご飯食べに行くから。キタカドも来て」
「キタカド連れてくるって、皆に言っちゃったんだから。部活が終わった後でも間に合うよ」
「待ってるから絶対来てよ」

 三人がかりで畳み込まれている! そっちが本命の誘いだったのだとしたら、これは中々の策士だ。一枚上手の女子達にキタカドはどうでるか?
 俺はなんか面白くなってきてスマホをもったまま、腕をぷらぷらさせていた。そしたら思いがけないことが起こった。

「トーマ先輩!」

 突然キタカドが俺を呼んだ。すごく、親しみが籠った声だった。
 へっ、なんで? 急展開すぎん? 
 女子がみな一斉にアイメイクががっつりの目で俺を凝視してきた。恐ろしいぞ。そんな怖い顔で見ないでくれ。

(なになに? 一体どういうこと? なんでキタカドが俺の名前知ってんだ?)

 あ、そういや。俺さっき委員長ですって、名乗った。
 俺が一人で目を白黒させてたら、あろうことか渦中のキタカドがこっちに向かって真っすぐに歩いて来た。

(な、なんでこっちにくる?)

 俺は逃げるわけにもいかずに、ぐっと背中を後ろに反らせながらキタカドを見つめ返す。突然漫画のモブが主要人物に祀り上げられた気分だ。

「探しに来てくれたんだね」

 急な小芝居が始まり、俺はこっからどうするんだろって目を泳がせながら、俺より大分背の高いキタカドをじっと見つめた。キタカドは頭の上の方に手を当て、ちょっと会釈した。俺もつられてちょっと会釈する。なんかすごく自然に、俺に対してはにかみながら、でもちょっと申し訳なさそうな顔をしてきた。

「ありがとうございます。待たせてごめんね」

 奴はそのまま俺のすぐ隣まで来て、無邪気に笑いかけてきた。ま、眩しい。何その笑顔。ちょっとだけつってて大きな目が、細められると猫みたいに可愛くなる。
 ざわっざわっと女子の声が聞こえる。ですよね、騒ぎたくなる笑顔だよね。
 近くで見ると一段と顔面の圧が強い。なんなん、これ。俺と同じ人間? 
 目元近くまである長めの前髪、その下に覗く、くっきり二重の大きな目、さっき教室でも思ったけど、目の色素だけ薄くて教室の窓辺だとまるでべっ甲飴みたいに透けて光って綺麗だった。
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