イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 いや、そんな顔でじっくり見ないで……。こんなもっさりした髪の先輩と、なんで爆イケ一年が知り合いなのって感じなんだろ? 俺も知りたい。
(おい、キタカド。お前知り合いでもねぇのになんで急にこんな親し気ムーブを起こしてるんだ!)
 不意にキタカドの指の長い筋張った手が俺の手首から離された。ほっとしたのもつかの間、今度はスマホごと俺の手を握る。けっこう強めに。びっくりした俺は反射的にスマホから手を離すと、スマホはそのままキタカドの手に収まっていった。

「お礼に、今日この後なんか奢ります」
「え、あ、いや、そういうの、いいって」

 琥珀色の印象的な色の瞳が半月みたいに細められた。なんか企んでる猫みたいな顔。その目を見たらそれが嘘だかほんとだか判るかと思ったんだけど、無理だった。どっかで見たことあるんだろうかと探しながら見たけどそれも無駄だった。
 華やかな顔だなあ。パーツ一個一個の大きさも配置も完璧だ。ただひたすらにこいつ、顔がいいって思った。

「先輩ちょっと待ってて」

 キタカドはこちらを大注目していた女子達に向き直る。

「聞いてた? 俺、今日先輩と約束あるから、そっち行くの、無理」
「えーっ!」
「なにそれ~!」
「こっちが先に誘ったのにずるい!」

 女子が高い声で口々にぎゃいぎゃい騒ぎ出して、耳がキーンと痛いほどだ。だよねえ。俺は別にお礼何ていりません。
 そーっとその場を離れようとしたら、俺の方を向いてなかったくせに、キタカドが俺の背中にさっと腕を回して退路を断った。こっわ。ノールック! こっわ!

「この人が最優先なの、俺」
(どああああああ! 何言ってんだお前!!! お前と俺はどういう関係なんだああ!)

 女子達はさらにヒートアップして騒ぎ出したし、俺も一瞬硬直してしまった。
 うん、逃げよう。
 これ以上の混乱に巻き込まれたくない。恐れた俺は教員室に向けてさっと踵を返した。

「じゃ、俺はスマホ渡せたし、もう行くから!」

 さっきまで面白がっていた攻防戦だが、俺まで巻き込まれたらたまらない。逃げるが勝ちだ。だが今度はさらにこなれた感じで肩にキタカドの大きな手を掛けられて、力強くがしっと引き止められた。

「そうですね、行きましょう」

 キタカドはにっこりといいお顔だが有無を言わせん感じだ。

「え? あっ? 行くってどこに」

 俺は自分で『行く』っていったのに言葉尻を取られてまたくすりと笑われる。

「決まってるでしょ? サッカー部の顧問のとこ」
(いや、全然、決まってないぞ。今知ったんだが。意味わからん)
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