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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺
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「そうですね……」
すると長い睫毛を伏せて、キタカドがふと愁いを帯びた表情を見せる。そんな表情の変化からいちいち目が離せない。二人して土埃の立つ校庭に暫し立ち止まる。
キタカドは遥か遠いところを見ているような感じで、俺を通り越して校庭の奥の方に目線をやっている。どこか途方に暮れているみたいにも見えた。
俺は風にあおられ鬱陶しい前髪をかき上げる。視界がさっぱりした。さっぱりしたついでに率直に聞いてしまった。
「どした、お前なんか困ってんのか?」
この台詞を言うのは久々だ。中学の頃は部長として何度となく口にしたセリフだった。
キタカドは目を僅かに見開いて、ぐっと一度唇を引き結んだあと、観念したように吐息を零す。
「……部活終わった後も、あんな風にまた集団で待ち伏せされんの、地味にきついんで」
「待ち伏せ?」
「そうです」
想像よりも苛立ちや嫌悪が滲む声色だ。俺は一気にこいつのことが心配になってしまった。
「毎回、あんな感じで?」
「……あれだけじゃないんです。体育祭実行委員とか文化祭実行委員とか色々勧誘されてて。どれも明日が第一回目の活動日だから、今ならまだ入れるって。今日は休み時間ごとにあんな感じで、相手にするの、いい加減疲れてきたんです」
と言いながらもう少しジャージの袖を上にあげたら、そこには掴まれてついたと思しき指の痕がくっきりとついていた。
「おまえ、それ!」
叫びそうになった俺をキタカドは強張った顔で手をかざして止める。後ろでは女子たちがまだ見ている。
「しぃ」
キタカドは黙った。俺は察した。ぞっとした。女子の集団に囲まれてあの勢いで矢継ぎ早に誘われんの、きつい。ましてこんな痛みに耐えていたなんて。
「力の差があるから女子相手じゃ無理やり振り払えないのに、こんな、痕までつくほど掴まれて、痛かっただろ。怖かったよな?」
「女子からされたことだから……」
「そんなん、男とか女とか関係ないだろ。俺だって、取り囲まれたらきついと思う。辛かったよな」
キタカドがこくっと頷いた。俺は胸がぎゅっとなった。
「……じゃあ今日クラスの集まりに行ったらお前確実に捕獲されるな」
「ですね。でも……、自分で何とかしないといけないことだから。先輩を頼るのも良くなかったですよね。ありがとうございました。部活行きます」
そう言ってキタカドがぺこりと頭を下げて顔を上げる。ああ、なんか胸が切なくなる表情だ。そのまま北門は校庭を横切って歩いていこうとした。
余裕ありげなクールイケメンに見えたけど、あれは本人なりの防御壁として打ち立てた態度だったのかもしれない。
すると長い睫毛を伏せて、キタカドがふと愁いを帯びた表情を見せる。そんな表情の変化からいちいち目が離せない。二人して土埃の立つ校庭に暫し立ち止まる。
キタカドは遥か遠いところを見ているような感じで、俺を通り越して校庭の奥の方に目線をやっている。どこか途方に暮れているみたいにも見えた。
俺は風にあおられ鬱陶しい前髪をかき上げる。視界がさっぱりした。さっぱりしたついでに率直に聞いてしまった。
「どした、お前なんか困ってんのか?」
この台詞を言うのは久々だ。中学の頃は部長として何度となく口にしたセリフだった。
キタカドは目を僅かに見開いて、ぐっと一度唇を引き結んだあと、観念したように吐息を零す。
「……部活終わった後も、あんな風にまた集団で待ち伏せされんの、地味にきついんで」
「待ち伏せ?」
「そうです」
想像よりも苛立ちや嫌悪が滲む声色だ。俺は一気にこいつのことが心配になってしまった。
「毎回、あんな感じで?」
「……あれだけじゃないんです。体育祭実行委員とか文化祭実行委員とか色々勧誘されてて。どれも明日が第一回目の活動日だから、今ならまだ入れるって。今日は休み時間ごとにあんな感じで、相手にするの、いい加減疲れてきたんです」
と言いながらもう少しジャージの袖を上にあげたら、そこには掴まれてついたと思しき指の痕がくっきりとついていた。
「おまえ、それ!」
叫びそうになった俺をキタカドは強張った顔で手をかざして止める。後ろでは女子たちがまだ見ている。
「しぃ」
キタカドは黙った。俺は察した。ぞっとした。女子の集団に囲まれてあの勢いで矢継ぎ早に誘われんの、きつい。ましてこんな痛みに耐えていたなんて。
「力の差があるから女子相手じゃ無理やり振り払えないのに、こんな、痕までつくほど掴まれて、痛かっただろ。怖かったよな?」
「女子からされたことだから……」
「そんなん、男とか女とか関係ないだろ。俺だって、取り囲まれたらきついと思う。辛かったよな」
キタカドがこくっと頷いた。俺は胸がぎゅっとなった。
「……じゃあ今日クラスの集まりに行ったらお前確実に捕獲されるな」
「ですね。でも……、自分で何とかしないといけないことだから。先輩を頼るのも良くなかったですよね。ありがとうございました。部活行きます」
そう言ってキタカドがぺこりと頭を下げて顔を上げる。ああ、なんか胸が切なくなる表情だ。そのまま北門は校庭を横切って歩いていこうとした。
余裕ありげなクールイケメンに見えたけど、あれは本人なりの防御壁として打ち立てた態度だったのかもしれない。
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