イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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「先輩に見られてたんだ……」
「目立つからなあ、お前。目を惹くから」 

 キタカドは一瞬動きを止めた。で、ちょっと弾んだ声になった。

「普通に考え事してました。ぼーっと。腹減ったな、とか。おにぎり食べたいとか。見た目と違って駄目な奴でしょ。俺」
「おにぎり? うけるっ! 全然だめじゃないだろ。めちゃくちゃ面白いだろ。クールな面して、腹減ったとか考えてんだ。むしろその見た目……、あ、見た目の事はあんまいうのなしかもだけどさ。全部ひっくるめてお前じゃん。あんまり完璧過ぎなくてギャップある方が人として人間味があって、俺は取っつきやすいくていいと思う」
「……ありがとうございます」

 照れたみたいに首に手を当ててそっぽを向くキタカドはやっぱ一年生って感じがして可愛いな。こりゃまわりが放っておけないよなあ。ただ歩いてるだけでもこいつかなり格好いいもん。隣にいるとなんか特別な空気感に包まれる感じになる。

「俺に言わせれば、先輩もギャップ萌えすごいですよ。大人しいのかと思ったらはっきり発言するし、可愛いかと思ったら格好いいし」
「可愛くないし! 格好いいだけでいいし!」
 うむうむ。クラス中の女子が、是が非でもこいつを自分達の活動に巻き込みたいと思ってるんだろうな。それで分かった。なるほど。納得がいく。
「ああ、そっか。だからお前、微妙な美化委員会に入ったんだろ?」

 俺が笑いながら聞いたからか、キタカドも笑顔を取り戻して、にこっと肯定してくる。
 こういう表情はまだ少し幼い。でも爽やかなだけじゃない、なんだろこの放っておけない感じの儚さがある笑顔だ。
 自分より背も手もでかい男に儚さもなにもないかもだが、これ一回でも見たらガチ恋に沼る女子は多そうだ。男の俺でもなんか絆されてきた。
 それにしても、なんだろ。ロック画の事を抜きにしても、何かこいつの事が気になる。目尻が少しだけ上がった、大きくて印象的なこの目、やっぱりどっかで見たことあるような? どこだったか、どっかの雑誌のモデルとかアイドルに似てる? 俺はNBAの選手以外は大して詳しくないけど。

「先輩?」

 ちょっと怪訝そうな声を出された。あまりにジーッと見つめすぎて不審がられたかも。
「あー、ごめん。じろじろ見すぎた。お前そういうの嫌なんだもんな?」
 俺は気を取り直してしっかり胸を張ると、青いユニフォーム姿の部員が大勢いる方に歩き始めた。キタカドもすぐ横をついてくる。

「先輩にならじっと見つめられてもいいですよ」
「ほえ? どういうこと?」

 心臓に悪いこと言うなよ。こいつといると俺、変な声ばっか出ちゃうな。

「俺も遠慮なく、先輩の顔じっと見つめさせてもらいますから。前髪かき上げてくれません? もっと顔がよく見たい」
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