イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 俺たちが乗った電車は最寄り駅の隣にある、近隣で一番便利なターミナル駅に着いた。

「店はここから歩いて十五分ぐらいあるよ。俺の最寄り駅の方に歩いていくから帰りは家の方までそのまま歩いて帰る。お前は、最寄り駅どこ?」
「隣の駅です」
「え、じゃあ俺と同じ?」
「そこからバスですけどね」
「そうか」
「もしかして、中学は東中?」
「……はい」
「俺も東中だったんだ!」

 やっぱり、同中だったってことか。写真、写真は誰からもらった? じいっと見上げて顔色を伺うけど、キタカドは特段焦った素振りを見せない。

「まあ、うちの学校、生徒数多いから同じ学年でも知らん奴多いよな」 

 それ以上何も言わないから俺がフォローみたいになった。

「そうですね」

 キタカドは尻尾を掴ませない。手ごわいな。写真の事までこれ以上突っ込めなかった。
 歩いている間にゆっくりと日が落ちて行く。アルバイト先のカフェ「陽だまり」に行き当たった。

「ここ、民家みたいですね」
「そうそう。ここ元々オーナーの実家をカフェに改築したんだって。裏に小さい庭があって、テラス席があるんだけど、今の季節は気持ちよくてお勧めだぞ。俺も手伝って、寒い時期に一生懸命球根植えまくったから、今沢山花が咲いてる」
「球根?」
「チューリップとか水仙とかムスカリがにょきにょき生えて咲きまくってて、それがパンジーとかと一緒に咲いてる。中々いい感じなんだ」 

 にょきにょきと人差し指を両手で上に立ててジェスチャーをしたら、キタカドは声をあげて笑った。こいつこんな感じで笑うんだ。俺もなんか楽しくなった。

「あはは。花の名前とか、俺、全然わかりません。チューリップは分かるけど」

「俺も最初あの黄色い花、とかあの赤い花、レベルだったけど、今はオーナーに教えられたから名前も覚えたぞ。あー。庭を見せたいけどもう暗くて見えないかもな。こんばんは」
「あー! トーマだあ」

 素っ頓狂な声を上げたのは近隣に住む保育園に通う女の子とそのお姉さんだ。俺の隣にいたキタカドを遠慮なく指差してきゃあきゃあと大騒ぎしてる。

「王子様がいる」

 キタカドいきなり女児に大人気だな。とんでもなくキラキラした目で見られてるぞ。

「ここって、カフェ、なんですか?」

 小さな子供や小学生がどんどんと押し寄せてきて、キタカドは戸惑い気味だ。俺は屈んで顔見知りの子たちと、いつも通り痛いぐらいに元気なハイタッチで挨拶する。

「ここ、第一第三水曜日は子ども食堂をやってるんだ。だから俺も今日はバイトはお休みで、ここのボランティアスタッフをしてる」
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