イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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「燈真君! こんにちは」
「こんにちは!」 

 奥の席では子ども食堂の日だけ運営を手伝っている元教員のおばさんと、その旦那さんが俺に向かって手をあげてニコニコしていた。

「ねー。遊んで」

 小さな手が滑り込むように俺の掌にはいってくる。俺はきゅっと握り返した。

「ちょっと待ってて、進藤のおばちゃんと話してくるね」

 子ども食堂といっても子供だけが使う訳じゃなくて、地域のママさんや一人暮らしの大学生、お年寄りから赤ちゃんまでいろんな人がここに集ってくる。

「あれ、トーマ。あんたえらくイケメンの友達連れてきたね」

 ちょっとハスキーだけどやたら元気な声がして、カレーを載せたおぼんをもって、オーナーが歩いて来た。漂うスパイスの良い香りにお腹がぐーっとなってしまう。

「この人が進藤さん。ここのオーナー」
「よろしくね」

 大口を開けてがははっと豪快に笑ってる。俺にとっては口うるさいが頼りになる、もう一人の母さんみたいな存在だ。

「お兄ちゃん、お名前は?」
「なんだよ、さっちゃん。俺の時と全然態度が違うじゃん」

 小さくても女の子は正直だな。キタカドを見上げる目のキラキラ具合で分かる。小学生のおねえちゃんの方もモジモジしてはにかんでいる。

「トーマがいけてないのは、そのもっさりした髪の毛のせいだ。今週日曜日、忘れてないよな?」

 ご飯を食べ終わった子供たちはイベント用に作ったパズルマットのキッズスペースで遊んでいる。その面倒を見ていたのは俺のバイトの先輩だ。といっても一緒に仕事はしたことがない。美容師を目指していた先輩が就職した後、空いたままだったその座に俺は収まった。先輩は今も時々、食堂の日の手伝いに来てくれる。

「先輩が沢山失敗してもいいように、こんなに長く伸ばしたんだからな。いい加減に鬱陶しいから早く切ってくれよ」
「俺の腕を疑うとは、失礼しちゃうな。最速スタイリスト目指して日々頑張ってるんだぞ!」

 立ち上がってこちらに歩いて来た先輩は、俺のもさっとした前髪をかき上げて額を出させた。
 キタカドは俺の隣に立ってその様子をじっと見つめてくる。人見知りでもするんだろうか、ちょっとむっつりした表情だ。

「燈真、お前さあ。顔立ちは整っているんだから髪型さえ弄れば化けるぞ。すげぇイケメンにしてやるから期待してろよ。モテるぞお!」
「あ、そういうの期待してないんで大丈夫です」
「またまた~、高二なんてモテたい盛りだろうが。そっちのイケメンも雰囲気あるなあ。いつか俺に髪の毛切らせてくれな」

 キタカドは俺や小さい子たちに見せる顔とはちょっと違って、明らかに警戒した感じに頬を強ばらせ、僅かに会釈した。
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